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月報:2024年5月

藤原恭大を生んだ5月。ヘッダーはなんかしてるマーくんとつば九郎。


✅今月したこと

・舞台「悪魔の手毬唄」を観た

ヘロヘロQカムパニーの「悪魔の手毬唄」を観てきました。朗読劇は行ったことあるけどお芝居の観劇は初めて。3時間半というボリュームで原作に忠実かつ原作ではあまり見られなかった「情」の部分を膨らませているアルティメット手毬唄な内容で大満足しました。特に里子とゆかり(千恵子)との友情がだいぶボリュームアップしてた。これは「情」の部分に重きをおいた改変をしていた映画版でもなかった要素。これにより終盤の展開の切なさが増す。

それと名だたる声優さんたちが出ておられたので目の前でめちゃくちゃ聞いたことのある声が放たれて興奮しました。三石琴乃さんがしゃべるたびにミサトさんで聞いた……!!ってなった。関さんは桃矢お兄ちゃんだし。中尾さんはばいきんまんだし。辻さんはシリウス・ブラックだし。お世話になった人ばっかりだな。

・沖縄の2日後岡山

どっちも「お」で始まる4音だね。以上です。沖縄は野球のために行って、岡山は横溝イべントのために行きました。「夜歩く」の読書会していちごクリーム(金田一さんが朝食に食べたという記述のある謎のメニュー)を作った。

いちごクリームを食べようとするハス金

・文フリ東京

5月・11月の恒例行事。今回から入場料1000円が課されるようになったけど混雑具合は前と変わらず。まあ即売会の入場料としては安い方だし人を減らすためではなく運営コストを賄うためのものでしょうし。そして次回からはTRCから東京ビッグサイトへ。

あと、推しの認知が切れてなくて嬉しかったです(向こうから気づいて挨拶してくれた)。

・ハマスタで舘ひろしと柴田恭兵

ベイファンの友達と一緒に横浜-広島戦に行ったら試合前の始球式であの車が入ってきた。びっくりした。柴田さんがいい投球をしていてそれもびっくりした。

ぺこり

いや~今日来てよかったな~とこの時点で満足していたら試合が長引きに長引き、最終的に今季両リーグ最長の5時間16分で終わった。デーゲームなのに7時16分とかいうナイターでも3回くらい終わってる時刻であった。今シーズンの現地5試合中3試合延長。

タカとユージの車で遊んでキララに剥がされるスターマン

🛍今月手に入れた重要なもの

・石坂金田一シリーズのパンフレット

石坂金田一本まで出したのにパンフレットを持ってなくて、欲しいなあまずは犬神家から……とずっと思ってたんですが、文フリの日に行った池袋東武の昭和イベントで中古で出てた。しかも5作品コンプリートセット。さらに探そうと思って見つけたわけではなくて、箱に入ってる中のすぐ見える手前に置いてあったからたまたま目に入った。呼ばれてるわこれはもう。さすが石坂金田一。セレンディピティ。

📖今月読んだ本

・金色夜叉殺人事件/島田一男

正直タイトルだけで読んだ。が、どこらへんが金色夜叉なのかいまいちよくわからなかった。議員の地位と引きかえに恋人を捨てて違う人に嫁いだあたりは宮さんっぽいけど貫一お宮は心中未遂してないし、心中しようとしたカップルは他にいるけどその2人も生き残って憎しみ合ったりしないし。内容的には2時間サスペンスっぽかった。キャラクターも。ラストの犯人の幕の引き方は超駆け足でちょっと笑ってしまった。

・ホビット ゆきてかえりし物語/J・R・R・トールキン、田中史郎訳

指輪物語を読んだらこっちも。指輪物語より深刻な感じがなかった。あんまり死なないし。もっとお気楽な感じの冒険。この順でよかったかもしれない。ドラゴンを先にあっちがアレするのに一番驚いた。ドラゴンを倒すのが目的のひとつの話でこういうことあるんだ。しょっぱなからビルボを押入呼ばわりしながら家に乱入するの失礼すぎてこれもびっくりしたけど、ビルボの家に行くまでのガンダルフとトリンのやりとりを読んだら納得した。ガンダルフ(妙に間違って受け取られてるけどまあいいか……)みたいなことだったんですね。ただそれを抜きにしても指輪の仲間たちより友情とか絆は感じなかった。メンバー多すぎるし。やはりより道のりが苦難に満ちていればいるほど絆は強まるのか?

・逆転美人/藤崎翔

「世界でいちばん透きとおった物語」同様、本という媒体であることがギミックになっている小説。感想がネタバレにしかならないのでこれ以上書けませんけれども、ラストはスカッとした。

・対比列伝 ヒトラーとスターリン 第1巻/アラン・ブロック、鈴木主税訳

ヒトラーとスターリンというか、あの時代の独ソに興味がある。これは上下巻かと思ってたら全4巻で(よく見たら表紙に書いてあった)しかも読み始めた時点では4巻がまだ発売されていなかったという思い出の本です。

・僧正殺人事件/S・S・ヴァン・ダイン

横溝の「獄門島」や「悪魔の手越唄」に影響を与えたという古典見立て殺人ミステリ。前も言ったけどミステリジャンルは古典なら当然読んでるだろうという雰囲気を感じるのでそれなら全部ネタバレされる前に読んでやろうじゃねえかよ!!となりました。次は「復員殺人事件」(坂口安吾)で思いっきりネタバレされた「甲虫殺人事件」だ!またヴァン・ダインだ!

それにしてもこの作品のマザー・グースといい「悪魔の手毬唄」の手毬唄といい、子どもが親しむ歌を殺人の舞台装置にするというのは幼稚さがある分犯人の残酷さをより強調していて普通に殺すより恐怖が増す。ピエロの姿をした殺人鬼みたいに。今やスタンダードとなった見立て殺人ですけれども、犯人の恐ろしさを増幅させる枠組みでもあるのだと思いました。

・金田一耕助の冒険/横溝正史

あの変な映画(未見)とは関係あるけどありません。「○の中の女」というタイトルで、ラストに必ず金田一さんが記録者の「私」に事件の真相を語って聞かせるシーンが置かれている統一性が美しい短編集。一回タイトルだけ見てこの「女」が彼害者なのか犯人なのか、どういう事件なのか妄想してみるのも楽しい。「鏡の中の女」の犯人の動機が好きだった。そんなことで!?っていうのが好きなんです。

とりあえず金田一さんは意外と女に縁がある(ラブ的な意味ではない)し、世界一海辺が似合わないのにビーチに行く。

・なんちゃってホットサンド/小川糸

初小川糸。いわゆる「丁寧な暮らし」をしてる人が主人公の短編集かなと思ったらエッセイだった。手作りや犬の話など王道なほっこりした丁寧な暮らしをする様子が日記のように綴られていて、それはいいんですがあれ🦠の真っ最中の時期だからなのか個人的にウッ……となる記述がちょこちょこあってだいぶしんどくなってしまった。丁寧な暮らしの話で「老gai」(嫌いな言葉なので伏せ)って単語が出てくると思わないじゃないですか。たとえ政治家に対してであっても自分の価値観に沿わないもの、意見が違うものを強めの言葉で批判してるのがかなり苦手なので(するなとは思わない。ただ個人的に苦手なだけ)読んだ後落ち込んでしまった。エッセイは著者と趣味嗜好が合わなくてもいけるけど思想が合わないとキツいなと改めて痛感しました。せっけんを手作りするとか田舎に行くとかそういう嗜好的な話だけなら自分もやってみようとは思わないけどこういう世界を垣間見るのは楽しいな~ぐらいで終わったと思うんですけど……。

・自閉症は津軽弁を話さない リターンズ 「ひとの気持ちがわかる」のメカニズム/松本敏治

リターンズから読んでしまった。あーあ。いつもこうだ。でも十分理解できました。こういう分野は初めて。方言が習得できないということではなく、周りの人の言葉よりテレビやDVDで話される言葉に興味を示したり黙示的なルールである「心理的関係によって敬語/タメ口を使い分ける」などの習得が難しいなどの傾向のために方言を話さないことが多いというのは興味深い。そして確かになぜASDの人が「『普通』と違うのか」を考えるよりもASDでない人が「同じもの」を身につけていくのかを考えた方が理解が進むかもしれない。

・建策知識 2024年6月号 建物種類ごと歴史図鑑/エクスナレッジ

特集は邸宅から学校、水族館、刑務所までさまざまなジャンルの建物の変遷を辿るもの。非常に便利。そしておなじみ「金田一耕助の間取り」は獄門島。とにかく広くて祈禱所も座敷牢もある本鬼頭の屋敷。犬神家もそうだったけど、迷宮のように入り組んだ複雑な構造の邸宅というのは一代で島や町を栄えさせた権力者のシンボルかもしれない。

🎵今月の一曲

♪五穀豊穣/パーシャクラブ


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