エースと過ごす今週の野球場トロイカ
トロイカとか言うようになってから実際にトロイカだったことなんか一回もないしもうタイトル「タンデム」とかにしようかしらとかブツブツ言ってたらまた大野独裁体制になってしまった。なぜこんなに揃わないのか? ポーカーでもスリーカードはそんなに珍しい役ではないと思うがこのスリーカードはロイヤルストレートフラッシュより希少らしい。
今週のベストオブ大野雄大、岡本くんにホームランをぶちかまされた時のリアクション。なんか大野が笑っていたのでこっちも笑ってしまった。大野の笑顔が私の笑顔。いや別にそうでもない。打球がレフトスタンドに突き刺さるのを見届けてマウンドに右膝をつく大野はなんだか無駄にカッコよかった。こんなところでカッコよくならなくても……。いつもはホームランの打球見ないのにどうしたんだろうと思っていたが、「完璧だったから」らしい。かわいい。そしてエースに膝をつかせるとはさすが岡本和真、サザンオールスターズを愛する男である。
ただここで思い出していただきたいのが「大野はホームランを打たれると勝つ法則」だが、今回はきっちりと相手の得点をこのソロ1本のみに押さえ、3連勝で6勝目を挙げた。大野は基本的にホームランを打たれると勝つが、ソロでも打たれたら理論上引き分け以上にならない場合は打たれないということらしい。この法則は空気の読めるやつだ。
ド素人目から見てもここ最近の大野は調子がいい。前々回だったかの勝利の後に「やっぱり俺はまっすぐのピッチャーだなと思った」みたいなコメントをしていたが、暴れようが何だろうがストレートで打者を制圧している感じがする。今回の登板ではストレートの割合が61%だったが、己のストレートに揺るぎない自信を持って投げ込んでいる姿はカッコいい。やはりピッチャーの命はストレートである。カットボールをものすごい勢いで投げまくりストレートと実況すると涌井さんから「侑己のは全部カットですよ」と抗議されるが本人は「全部カットなわけではないです」などと供述し球種が迷宮入りになる某幕張のリベラみたいな人もいるにはいるが。そのストレートを引き出してくれるキノタクさんへの感謝をコメントに入れるところもいい。さすが去年の最優秀バッテリー。
そして最近は打線とも噛み合ってきている。前までの流行語「大野は悪くない」が出るようなゲームの時は大野が抑えても1点も入らないため好投なのに負けるという怪奇現象が勃発していた。それが今回は最終的に10得点である。大変失礼な話だが、ボンボンホームランを打ち込み得点していくのを見て「……本当にドラゴンズの試合か……?」と思ってしまった。取れるじゃないか、点……ビシエドが打たなくても……。
援護点がたくさんあればもう大野は向かうところ敵なしである。1点ももらえなくても強いのに6点もあったらもはや魔王みたいになる。あまりにも安定していたので私は大野を観ながら片手間にファスナーチャーム(ヘッダーです)を大量生産する余裕すらあった。6回裏、前の打席であの大野が思わず見ちゃうぐらい完璧なホームランを打った岡本くんに打たれた球と同じコースの同じストレートを投げてレフトフライに打ち取ったところでエースの気概にビリビリに痺れてしまった。これがエース。これぞエース。This is 大野。やっぱりピッチャーにはやられたらやり返す倍返しスピリットが不可欠なのだと思う。
ピッチャー大野が魔王だとしてバッター大野はどうだろうか。いつも打たなさすぎて「ヘルメットかぶってる大野は少年のようでかわいい」という見たらわかることしか考えられないためわざわざ書かないのだが、今回はなんと打ったので書く。大野雄大(バッター)はたまにしか打たない代わりに打つ時は無駄にうまいヒットを打つ。小憎らしいほどである。私は大野のことを甘やかしているためヒットを打つと「はい首位打者ー」とか言ってしまうが、本当にアベレージヒッターみたいなキレイなセンター前ヒットだった。これはもう大野がヒット打ったら2点入ることにしようなどと公認野球規則をねじ曲げる勢いで盛り上がっていたら、その次の京田さんがホームランを叩き込み事実上本当に2点になってしまった。まるで自分が打ったかのようにベンチに帰ってくる大野がまばゆかった。
一方その頃、この日の我らがロッテの先発は佐々木朗希くんだったが、5者連続奪三振&公式戦ではプロ入り後最速158km/hと大野に負けず劣らずの好投を繰り広げながらも2-2の同点のまま援護がなかった。あと1点あれば彼の快投は報われるのである。大野、1点くれないかな……登場曲あいみょん仲間なんだし……とまた無理難題をふっかけながらチャンネルを変えたまさにその時、レアード大将がレフトスタンドにサヨナラ寿司を叩き込んだ。大トロ。朗希くんに与えられたわけではないが、一応もう1点は入ったことになる。まっすーに勝ちがついたのはちょっとウケた。サヨナラならではの勝利投手=クローザー。
大野のヒットからのツーランといい、サヨナラホームランといい、この日は口にしたこと(正確にはツイートしたことだが)がなんとなく叶っている日だった。大野は悪くないのに負け投手になったり、ほしいところであと1点が入らなかったり、藤原くんがふくらはぎにデッドボールを受けたり、野球はいろいろままならないことも多いが、たまにはこんな日があってもいい。
大野は確かに異様にすごかったが、藤原くんも7・8月の月間MVPを受賞したので負けてはいない。なんといってもあの吉田正尚さんとギータ先生相手にMVP争いを制したのがすごい。侍ジャパンに勝っている。U18に続いてトップチームでも侍ジャパンになる日も近い……かもしれない。
(サムネイルがかわいすぎて頭がおかしくなる選手権大野雄大部門優勝!!!!)
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