見出し画像

月報:2023年7月

 私を生んだ7月。ヘッダーはカラオケをエンジョイする(?)ハスキー金田一。


✅今月したこと

・私の誕生日に犬神家鑑賞会をする

 7/16、誕生日でした。篠塚和典と山田哲人と山下舜平大とキュアプリズムと同じです。それはいいとして、この前犬神家未見の友人に「お母さん(血・死体・怖いシーンNG)と一緒に観る時は私が予め『もうすぐ死体だから目つぶって!』とか指示出してた」みたいな話をしたらその方式で観たいと言われたので、鑑賞会をしました。パセラで犬神家。石坂浩二の誕生日ではなく私の誕生日に。

パセラで犬神家

 推し会プランを使ったので推し色のハニトーがついてきました。石坂浩二にメンカラとかないので、スケキヨの白ということで。

白いハートのパーツはふやけた麩菓子みたいな食感だったけどなんだったんでしょうあれ

 めちゃくちゃ面白かったし私が「もうすぐ人死ぬけど大丈夫?」とかいちいち警告してくれるのがありがたかったって言ってもらえてとても嬉しかったです。私は殺し方までワーニングするので安心安全だと自負しております。毒殺と刺殺ではグロさの度合いも違ってくるし。


・白い巨塔とゴリパラ見聞録と高校野球漬けになる

 まず「漬け」と言うには種類とボリュームが多い。7月は31日しかないというのに。でも本当にまんべんなく漬かりました。

 白い巨塔は無論石坂さん目当てで観たんですけど、キャストが全員良くて丁寧な造りで一話一話が重厚でカロリーが高くて、名リメイクと言われるだけのことはあるな!と思いました。ストーリー自体は2019年版を観てたので大体知ってたけど(2019には柳葉敏郎がいる)(死ぬけど)それでも毎回続きが気になった。決選投票とか結果わかってるのに緊張した。WBCの準決勝か?まあとにかく東教授starring石坂浩二が魅力的すぎたのが一番よかったです。観ながら30回くらい「石坂浩二がすごい」って言ってた。

 高校野球は毎年恒例。言わずもがな。個人的に千葉の3回戦市立柏-千葉商大付(タイブレークの延長10回表に1点取られる→1点取り返す→2点取られる→2点取り返す→5点取られる→6点取って逆転サヨナラ)と栃木の決勝作新学院文星芸大付(8回三凡から9回表に4点追いつく作新とその裏でサヨナラホームランを打つ文星芸大付の野球の流れ無視対決)と神奈川の決勝慶應義塾-横浜(9回表にスリーランで逆転)を地方大会のベストバウトに推したい。ベストが3つもある……。とりあえず推しの母校が甲子園を決めてよかったです。

 そしてゴリパラ。存在はなんとなく知ってたんですけど、水曜どうでしょうが好きなのでどっかで「水曜どうでしょうの二番煎じなんでしょ……?」感があって観てなかった。でも観たら確かにどうでしょうっぽいところはあるけれどもまた違う魅力があるのでハマってしまいました。YouTubeで公式が動画上げてるのもよくない。視聴履歴がゴリパラまみれになる。ゴリさんが笑えるタイプのダメ人間かと思いきや意外と笑えないタイプのダメ人間であるところと斉藤さんが何かしらの金を払う回が好きすぎる。


📖今月読んだ本

・本陣殺人事件/横溝正史(再読)

 金田一耕助のデビュー作。デビュー作なのに真相がちょっと搦め手。一柳鈴子ちゃんは若干八つ墓村の里村典子に通ずるものがあるかもしれない。

・コズミック(流)、ジョーカー(清)、ジョーカー(涼)、コズミック(水)/清涼院流水

 この順番で読めっていうからこの順番で読んだけどよくわからなくてググってカンニングしてしまった。わかったようなわからないような。たとえそうだったとしても仕掛けが浮かび上がるとか大々的に言うものではないなと思ったけどそれも含めて作者の手なのかもしれない。賛否両論というか、よく「読んだ後壁に叩きつけたくなる本」と言われてるのは知ってましたが、正直そこまでのインパクトも感じなかった。もしかしたら本格的に推理して探偵キャラより先に真相を見破ってやろうというミステリ好きなら怒るのかもしれない。私はミステリ読んでて一秒も推理したことがないので……。  
「読者への挑戦」とか完スルーするタイプ。個人的には「まさか真相コレとかじゃないだろうな」と戦々恐々としてた展開(これは推理ではなく想像)よりはむしろ下回ってました。

 キャラクターは好き。「彩紋家事件」や「カーニバル」も読んでみようかな。

・二軍史 もう一つのプロ野球/松井正

 母親と野球の話をしていて「王さんや長嶋さんが二軍落ちしたって聞いたことないんだけど」という話になり、そもそもあの二人の時代に二軍が存在していたかどうかすら知らなかったので勉強しようと思いました。

 二軍は勝利よりも育成や実戦経験を積む場としての作用の方が優先されるので、一軍でも見られないような大記録やレアなプレーや謎の試合がときどき現れるのが面白い。去年もロッテが1回裏に17点取ったり今年も西武が0-7の9回裏に10点取ってサヨナラ勝ちしたりしましたね。

 ちなみにこの本にも書いてあるんですけど、王さんはルーキーイヤーに一度だけ(それもイースタンリーグ休止中の非公式試合だったので正式な記録には残っていない)、長嶋さんは現役中一度も二軍戦に出場していません。二重の位置づけが今はだいぶ違っていた時代とはいえすごい。今の時代なら不調だけでなくケガも含めればどんなトップ選手でも一生に一度も二軍戦に出ないまま引退するのは難しいだろうな。

・ピンチランナー調書/大江健三郎

 久しぶりに大江。大江健三郎を読むとまさしくこの文章からしか得られない感覚があるなと思えます。こういうジャンルを大江くらいしか読んでないせいもあるかもしれないけど。父親としての自分自身と障害を持って生まれた息子さんの姿を投影しつつも完全な「私」として描き切っているわけではない、そういうあたりのバランスが「転換」して38歳の姿になった息子・森とのことを18歳になった「森・父」から伝聞の形で書いている「僕」(作家だし息子の名前は実在の息子さんと同じなのでこっちが作者自身)という構造に現れています。ところでこの息子との経験を反映した一連の作品の最初である「個人的な体験」を読んだかどうか忘れてしまった。絶対あっちから読むべき。

・野球の子 盟友/かみじょうたけし

 高校野球漬けだと言っただろう。まず藤原くんのお兄ちゃんと黒川史陽さんのお父さんが登場しているので私の推しの家族が大集結していることになります。知らない人のために一応説明しておくと藤原くんのお兄ちゃんはPL学園最後の野球部員の一人で、黒川史陽さんのお父さんは上宮高校出身で奈良でバッティングセンターをやっている人です。藤原兄弟のエピソードニヤニヤしちゃった。

 記憶に新しいものといえば去年の夏の天理VS生駒でしょうか。奈良大会決勝で天理ナインが優勝時にマウンドに集まらなかったのも、再戦で生駒ナインが天理のホームランを打った選手とハイタッチしたのも、最後に両軍みんなでマウンドに集まったのも、高校野球が当人たちにも周りの人たち(私みたいないちファンも含め)にももたらしてくれるものの尊さを象徴しているなと思いました。

・キャッチャー・イン・ザ・ライ/J.D.サリンジャー、村上春樹訳

 ライ麦畑でつかまえて。実際読んだらやっぱり「ライ麦畑でつかまえて」じゃないよなあと思った。けどいい邦題。私は自分のことをホールデン・コールフィールド的なものから最も遠い人間だと思っていますが、なんで読んだのかというとこの本の刊行日が私の誕生日と同じということを今月知ったからです。ただそれだけ。でも「青春文学の金字塔と言われるこの作品を読み、世界や他者との折り合いをつけられない16歳の汚れなき魂の叫びに触れたいと思ったからです」とかそれっぽいインチキを言わないことこそがホールデン・コールフィールド的なものなのではないでしょうか。よくわかんないけど。

・水谷豊自伝/水谷豊、松田美智子

 7月生まれの代表格。最近自伝ばっかり読んでるな。いや「ばっかり」は盛った。2冊しかなかった。そんなことよりご本人はあとがきで謙遜してらっしゃいましたが、すごく濃密な人生を送ってこられたんだなあと感じました。ただ芸歴が長いとか2回結婚してるとかそういうことだけじゃない、どんなことにも真剣に向き合ってきた人だからこその濃さ。

 やはりと言うべきか相棒の話が多めなので相棒好きなら読むべき。歴代相棒全員集めた映画観たすぎる。お願いだからやってください。

🎵今月の一曲

♪盆ギリ恋歌/サザンオールスターズ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?