産前産後に健康保険からでる出産手当金、副業で収入があったら減額される?
副業の話題がニュースで取り上げられることの多い昨今、本業が休みの期間、たとえば出産でお休みをとっている間は、副業どうしようと思われているかたもいるかもしれません。
今回は、その産前産後期間に支給される「出産手当金」と副業の関係をみていきます。
1.そもそも出産手当金ってなに?
会社で健康保険に加入している場合、出産前と後、産前産後にあたる期間は、「出産手当金」の支給をうけることができます。
なぜかというと、産前産後期間中の人の母体を守るため、会社は働かせてはならない、ということに労働基準法でなっているためです。
ノーワークノーペイ、という原則があり、基本は、働かない分はお給料を出さなくて良いということになっています。
ですので、産前産後期間中は、働かせることができない、つまり、働けないのでお給料かでないことになります。
お給料が出ないのであれば生活に差し障りがあるので、健康保険が出産手当金を出してくれることになっているというわけです。
お給料とまったく同額がもらえるわけではありません。
産休に入る前の1年間の給与収入をもとに、その3分の2が支給されます。
ですが、そこからは何も天引きされないので(出産手当金には税金も社会保険料もかかりません)、手取りの額とそこまでは変わらなくなる計算です。
税金がかからないので、収入が出産手当金だけであれば、確定申告をする必要もないことになります。
ですが、さきほどのノーワークノーペイの原則はあくまで原則。
人手不足の時代、社員の満足度をあげたいと思う会社のなかには、産前産後のお休みの間も給与を支払う会社もあります。
法律を上回るぶんには、会社が何をしようと自由なためです。
ただし、給与が支払われると、出産手当金は必要ないとみなされます。
出産手当金は給与がでないからこそあるものだからです。
給与の額が出産手当金に足りなければ、その不足分は出ますが、給与の額が高ければ、出産手当金は出ません。
そういう仕組みになっています。
では、その収入が、自分が個人事業主として得るものであればどうでなるでしょう?
2.副業収入で出産手当金は調整される?
結論から言うと、出産手当金をもらっている健康保険に加入している会社から以外の収入は、「ある」と報告されれば出産手当金が調整で減額されますが、特に報告されなければ、協会けんぽでは調整されることはないとのことです。
理由は、他からの収入が確認できないためで、決して、「だから報告しなくていい」ということではありません。
また、これは、協会けんぽの場合で、会社等が独自に運営している健康保険組合の場合は、事情が異なる場合があります。
ですが、このことがわかっていれば、産前産後期間中もやむなく仕事をせざるを得なくなった時、悩むことが少しは軽くなるのではないでしょうか。
ただし、それはあくまで個人事業主の場合のみです。
誰かに雇われて仕事をする場合は、NGです。
理由は、労働基準法で働かせてはならない、となっているから。
副業先の会社が産後期間中の人を働かせてしまうと、法に違反したことになってしまいます。
産後6週を過ぎれば、医師の許可のもと勤務が可能とはされていますが、それはあくまで会社と本人の関係がしっかりとできている場合です。
それまで全く関わりのなかった会社で、産後であることを伝えずに働くことは、その会社に法違反をさせることになりますので、絶対にやめましょう。
また、個人事業主としてやむを得ず仕事をする場合も、産後は母体の回復が第一。
負荷がかかるような仕事は避けることが望ましいです。
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