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派遣労働者が多いのは何歳?供給制約がキャリアチェンジを自由に?〜この20年の派遣労働者実態調査にみるnote616日目

派遣労働者という働き方がはじまったのは、1986年に労働者派遣法が施行されてから。

その後、2004年小泉政権のとき、製造業務への派遣が可能になり、26業務への派遣期間が無制限になるなどで、ひろく拡大しました。

その2004年から、4、5年ごとに厚労省が調査を行っているのが、「派遣労働者実態調査」。
今回が5回目で、約20年間の推移がみてとれます。

2004年、派遣労働者は15歳~34歳の若年層で6割を超えていました。

1990年にバブルが崩壊し、10年経っても景気の厳しさは変わらず、小泉政権が改革の大鉈をふるった時代です。

その後、2008年、リーマンショックの年は、15歳〜34歳は若年層は48.6%と5割を切り、35歳〜39歳が全体3位の16.9%に。

次の2012年では、35歳~39歳が最も多く、15歳〜35歳は36.8%とさらに減る結果に。

2017年には、最も多い年代が40〜44歳に、かつて6割を超えていた15歳〜35歳は、30%にまで半減しています。

そして今年の結果はこちら。
45歳〜54歳で30%を超え、15歳〜35歳は2割強と、完全に逆転しています。

約5年ごとの調査のたびにピークが上にずれるので、派遣労働という働き方を選んだ人がそのままその働き方を続けている、と言うように見えます。

ですが、前回から始まった、「そもそも学校卒業後初めて就いた仕事の就業形態は?」という質問への回答を見ると、7割以上が最初は正社員としての雇用だったことがわかります。

ということは、最初から派遣社員でそのままという流れだけではなく、正社員よりも、もう少し自分に働く内容や時間、期間に裁量のある派遣社員という働き方を選んでいるとも言えそうです。

派遣社員を雇用している会社は、最新の令和4年調査で、全体で12.3%、1000人以上の社員がいる大企業では83.9%となっており、確かに2万人近いうちの会社も、派遣社員をかなり多く雇用しています。
うちの60人前後の部署でも10人以上は派遣社員です。

その人たちの話を聞くと、昔世間のニュースであったように「派遣社員しか職がない」というより、その働き方を選んでいる人も多い感触があります。

ですが、いま50代で、正社員で働いていたけれど子育てで仕事をやめ、そろそろ子育て卒業で働きだそうと思ったら、派遣社員しかなかった、という人もいます。

若年層で問題になることの多いマミートラックは、50歳前後の団塊ジュニア世代でもまだまだ現役の課題です。

人の供給制約がはじまったいま、そうした団塊ジュニア世代のマミートラックも、少しずつ解消できるチャンスかもしれません。

労働力の供給制約については、木下斉さんのこのVoicyを聞くと、リアルにこれからどうすればいい?が見えてきます。


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