最低賃金31円上げを目安にした水面下① #0136/1000
中央最低賃金審議会の小委員会が、この8月1日、2022年度の最低賃金の目安を、全国平均で時給961円(前年度比の上げ幅31円)とすることを決めました。
小委員会の内容および使用された資料は、ここから確認することができます。
これから、この目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会の審議がスタートします。
それぞれ各地域の実情を踏まえて審議された、地方最低賃金審議会の答申を得た都道府県労働局長が最終的に決定し、改定額は10月ごろから適用されることになります。
上のサイトには、根拠となりそうなデータはあるものの、そう決めた経緯については掲載されていません。
ですが、今日ひらかれた中央最低賃金審議会で実施された小委員会報告では、労働者側の見解、使用者側の見解、公益委員会の見解が掲載され、参考資料としてその見解の根拠となった、諸統計資料も掲載されており、非常に興味深いものとなっています。
今回はそのうち、労働者側の見解をみてみます。
・社会活動の正常化が進んだいま、必要なのはは人への投資で、そのひとつが最低賃金引き上げである
・現在の最低賃金の水準では、年間2000時間働いても年収200万円程度で国際的にみても低位、最低賃金は生存権を確保した上で労働の対価としてふさわしいナショナルミニマム水準に引き上げるべき
・物価上昇により、生活水準の維持向上のためには消費者物価上昇率を考慮した引き上げが必要
・労働市場での募集賃金の上昇は、企業が人材確保に重きを置いていることのあらわれ
・地域間の格差がひろがると、労働力の流出につながる
これらを踏まえ、
「誰もが時給1,000円」
への通過点としての
「平均1,000円到達」
をめざすべし、と主張しています。
昨年度の都道府県別最低賃金は、以下の通り。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
最低の沖縄が820円、最高の東京が1,041円、全国加重平均が930円となっています。
誰もが時給1,000円への道の遠さ、平均1,000円でもまだまだ先であることを考えると、労働者側の焦燥感がつたわってくる気がします。
次回は使用者側をみてみます。
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