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現物給与の価格改定!現物給与って?~食費の値上がりがクリアにわかる令和4年 #0030/1000

今日の「厚生労働省 新着情報配信サービス」で、令和4年4月からの現物給与の価額改定リーフレットが案内されました。

今日はこの「現物給与」の令和4年の金額について見ていきます。

そもそも現物給与って?

厚生年金保険や健康保険の被保険者が、会社から労働の対償として「現物」で支給されるものがある場合は、その現物を通貨に換算して、「報酬」に含めることになります。

具体的にはどういうことでしょう?

現物支給のうち、よくあるのは通勤定期券などですが、これはそもそも金額換算がかんたんですよね。

ですが、お金に換算しにくい現物支給もあります。社員に昼食を低価格で提供している場合や、社員寮等です。

こういった福利厚生を会社が手厚くしてくれるのは嬉しいですが、そうすると、同じ10万円の給料をもらっている社員でも、不公平なことが起こります。

例えば、A社の社員は手厚い福利厚生で経済的利益を受け、あまりお金を使わずにすみ、B社の社員はそういった仕組みがまったくないので、ほぼ10万円使い切ることになるなどです。

お給料から引かれる社会保険料(健康・介護保険料、厚生年金保険料)は、給料の金額(報酬)に応じて計算されます。

給料が高ければ社会保険料も高く、低ければ社会保険料も低くなる仕組みです。

でも、A社の社員とB社の社員が同じ給料だから同じ社会保険料、というのは、A社社員がうけている経済的利益を思うと、ちょっと不公平感があります。

そういったことのないよう、会社が労働の対償として食事や住居の現物を提供している場合は、その分も現金に換算して給料(報酬)に含め、社会保険料を計算しましょう、ということになっています。

それが「その現物を通貨に換算して、「報酬」に含める」という意味です。

つまり、経済的利益をうけているA社社員は、B社社員より高い報酬でお給料から引かれる社会保険料が計算されることになるのです。

この「金銭以外で受ける経済的利益のこと」を「現物給与」といいます。

だれがどうやって現物給与の金額を決めるの?

だれがどうやって決めるかは、健康保険法・厚生年金保険法それぞれに条文で定められています。

厚生労働大臣が、「その地方の時価によって」定めるとされています。

(現物給与の価額)
第四十六条 報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定める。
2 健康保険組合は、前項の規定にかかわらず、規約で別段の定めをすることができる。

健康保険法

(現物給与の価額)
第二十五条 報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によつて、厚生労働大臣が定める。

厚生年金保険法

「その地方の時価」とあるのですから、都道府県ごとに、毎年1回決められることになります。

令和4年度は大幅な値上がり!

令和4年度の現物給与の価額も発表されましたが、住居の金額は変わらないものの、なんと、食事代が軒並みあがっています。

上のリンク先の表で、赤いところが令和3年と比べ、金額が変わっているところです。

赤いところすべてについて値上がりしています。

どのくらい値上がりしているか、令和2年、3年、4年と「1人1月当たりの食事の額」でくらべてみました。

令和2年の最高額:21,300円(東京,石川,福井,高知,沖縄)

令和3年の最高額:21,900円(福井)※東京は21,600円

令和4年の最高額:23,700円(福井)※東京は23,100円

なんと、福井が一番金額が高いのもすごいですが、令和2年と4年を比べると、2,400円も値上がりしています。

福井だけではなく、令和4年は、全都道府県において令和3年より値上がりしています。

令和3年も、2年と比べると値上がりしていましたが、それでも4県は据え置きでした。

そのうえ、値上がり幅も大きくなっています。

令和3年の値上がり全国平均額は331円ほどなのに対し、令和4年の値上がり平均額は1,404円です。

報道でも言われている食料の値上がりが、じわじわ影響してきているのが表れています。

そんななか、ヨーロッパのなかでも肥沃な土地で「欧州のパンかご」と呼ばれるウクライナでは、悲劇が起こっています。

これからの食料の値上がりは、避けられないかもしれません。

会社から食事や住居の提供を受けている人は要注意な情報です。

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