はじめての

2006年の日記です。

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はじめての野音、はじめてのムーンライダーズ!

うーん、言っちゃおうかなぁ・・・。言っちゃう。断言しちゃう。

今まで見た中で、最高のライブでした!!!

なんかネットでは消化不良という意見がありますが、いつもはもっといいんですか?どーゆーこっちゃ、それは(笑)。

なんと私は、1曲も知らずにこのライブに行ったのです。言い訳してもいいですか?せっかく今まで白紙だったんです。どうせいつか出会うんです。だったら、衝撃的な出会いのほうがいいに決まってるじゃないですか!

なんでそれが言い訳かっていうと、きっかけが思いっきり、ゲストに釣られたからであります。だって、だってね・・・このメンツを見て下さいよ。

青山陽一/あがた森魚/遠藤賢司/曽我部恵一/高橋幸宏/直枝政広/野宮真貴/原田知世/PANTA/ポカスカジャン/みうらじゅん/他(・・・サエキけんぞう氏もいたよ)

なんですか、この怒濤の「+軍団」は。30周年記念に潜入するのは気が引けるけど、あと数日なのにチケット残ってる。しかもこの日時は、完全フリー・・・。これに行かない私は、この世に存在しませんから!振幅が大きすぎて、サチってます(業界用語)。グズなくせにひらめいちゃったら光の速さな私は、会社の上司に「私用で40分職場を抜けます」と言い放ち、速攻でチケットを買ってきました。

そんな状態だから、セットリストなんて、書けるわけもありませんよ。ゲストを中心に、思い出したことを書いてみます。

まず、着くといきなり、色々な楽器を持った前座のバンドさんが演奏しておられます。いい感じにゆるくて猛烈に幸せそう。ムーンライダーズ一筋というそのバンドが言い放ったお言葉は・・・
「なぜ、ぼくらが25年もやってこられたか?それはぼくらが、マニアだからです。」
好感度、急上昇。

しかもですよ。彼らの演奏中に出てきたムーンライダーズのメンバーに楽器をバトンタッチして演奏を続けるという、愛に満ちた粋な本編のスタート!なんつーか、泣けた・・・・彼らの曲を1曲も聴いたことがないのに、どうしたことでしょうか。私はライブの間中、四六時中泣きたかった。笑わないで下さい、本当に涙を抑えるのに苦労したんだから。ステージから、感謝と誇りのHAPPYを、ずっと感じておりました。30周年という先入観がそうさせたのか・・・ま、いいや。感じたことが全てです。

さて、1人目のゲストはみうらじゅんさんでした。相変わらずトークが激しく面白いのに、歌うとカッコイイ、なぜだーーっ!いやー、ビックリしますた。次誰だっけな、青山陽一さんかな?サエキけんぞう氏だっけ?サエキさん面白かったな。ブルーの自作(?)のデカい旗ふっちゃって。順番がわからん、以下順不同で。曽我部さんは自分の曲みたいに歌ってたけど、どっちの曲?なんかブルースしてた。カッコ良かったっすー。カーネーションの二人とやった曲がすごく良かった。猛烈に良かった。知世さんと野宮さんはチョーキレイでした。声もお姿も。キレイな人は、声もキレイ。動いてもキレイ。なにもかも優雅。素晴らしい・・・。エンケンさんのスピリチュアルな歌、それに過激すぎるギタープレイ。客席歩き回りまくり。周りはテンテコマイだし。あーーー。偽物臭くないロックっていいなぁ(失言、無礼講でお許しを・・・)。PANTAさんとあがた森魚さん。すごかったですねー。スケール大きすぎ。

休憩時間にはポカスカジャンが登場。あの方々をコミックバンドと呼んで良いのかどうか・・・えれー音楽的に高度だと思うんですが気のせい?そしてあの、絶対放送できない過激なネタのオンパレードは・・・久々にお笑いを面白いと思った。絶え間なく笑った。つーか世界一ロックな笑いを見た!!!

途中でムーンライダーズの音楽について、いま自分が何を感じているか確かめてみた。きっと彼らは、探求してきた人たちなんだ。自らのルーツとなった音楽から、もっと新しい音楽を求めて。心の弾むリズムから、奥底を吹きすさぶ荒廃までを。古今東西の深刻なドラマから、笑いの真理までを。だから歴史になれるんだ・・・。これからCDを聴くことによって、この感想はどう変わっていくんだろう。楽しみだな。

幸宏さんは終盤にお出ましでした。「ムーンライダーズかっこいいよね」って、まったりかわいいコメントにいきなり腰砕けですが。歌っていただけたのは嬉しいですが、声がよく聞こえないよぉぉ。でもギタースタイルが拝めて嬉しいよぉー。

で、ラストに向けて大盛り上がり。客席も総立ち状態。ライブでみんなが拳振り上げている理由が、今日やっとわかったよ!(遅)みんな、バンザイしたかったんだね!

ラストはゲストが全員ステージに登場したのですが、幸宏さんのお姿が見えません。ステージがにぎやかだけど、ちょっと寂しいよ・・・と思ったら。
「Drums!高橋幸宏!」という声と共に、幸宏様がご登場。えええ、トリプルドラム!?でもさっきの歌よりずっと聞こえる気がするw最近はあまり叩かないと評判だったので、まさか生で聴けるとは思っておらず、あまりの素晴らしすぎる状況に、かえって冷静でした、なんでだろ。

そして、終了を告げるアナウンス・・・これを聞いたときに、ムーンライダーズ・・・というかあれはきっと慶一さんのアイディアですね?(いや、全然知らないんだけどなんとなく)とにかく彼らが長いことこんなにも熱心に愛されてきた理由が、スンナリと分かったような気がした。ちょっと皮肉めいていてチャーミングでおかしくて愛がある。そんなアナウンス。ついでに、やたらバートン・クレーン用語が出てきたのは気のせいですか?それとも、何かご関係が?

今日の出会いの記念に30周年記念ブックを買って、抱きかかえて帰ってきました。今日のライブをDVDにするのなら、あの空間まるごとパッケージできたらいいのに。空を横切る飛行機すら、ステージにウィンクしていくような、あの空間をね。でもそれは、あの場を共にした人たちだけのものなのだ。私の心の中でなら、いつでもあの空間を再生できる。いくら平等主義の私でも、これだけは、分けてあげません。

2日前の天気予報で雨が心配だったけど、奇蹟みたいなお天気だった。

神様は見てるんだ、って思った。

---20006/5/2の日記抜粋---

光の速さのまま、ムーンライダーズの「DON’T TRUST OVER THIRTY」を買ってきました。カーネーションと演奏されたお気に入りの曲「ボクハナク」や、ラストで盛り上がった「Don't Trust Anyone Over 30 」、それに幸宏さんの歌った「9月の海はクラゲの海」も入っていたから。

「9月の海はクラゲの海」は2曲目でした。
・・・アハハハハ・・・・
サエキさん最高!岡田さん最高!
幸宏様、歌ってくれてありがとう orz
嬉しくて何故か orz だ
「ボクハナク」で私も泣きそうなんですけど。

歌詞視点で聴いていてこんなに楽しいのは本当に久しぶり。30過ぎて鈍感になって情熱失せて、もう今から熱中できる音楽なんか発見できないかも、バロック聴いて死ぬんだなって世を儚んだりしたけれど、良かった、そうならなくて。

洋楽ワカンナイ邦楽ツマンナイと思ってるOver30の方へ

ムーンライダーズ、超オススメ

     ファン歴50時間の女より

---2006/5/3の日記抜粋---
ムーンライダーズの曲を聴いて、少し楽になったところがある。人間なんて、矛盾だらけでいいんだってこと。矛盾は苦しい。だけど何故だか、その矛盾に引き裂かれそうになることに、すごい生命力を感じる。少しだけ、許してもらえた気がする。

---2006/5/4の日記---
「9月の海はクラゲの海」って別に幸宏さんが歌ってくれたから特別好きなんじゃなくて、時系列はともかく論理的には順番が逆で、ホントに好きな曲になったんです。昨日書いたとおり、矛盾を許してくれた。"Everything is nothing"・・・あれほど高らかに歌われると、ホントに救われる。メロディもストリングスもギターもドラムもコーラスも・・・全ての音が肯定に感じる。それに、歌詞の一つ一つが、私の言いたかったことを全部言ってくれた気がした。サエキけんぞうさん、あなたはどんな方なんですか?ビックリしましたです。ま、あんまり自己投影しすぎるのもね・・・頼り過ぎちゃうから、ホドホドにはブレーキ踏んで。

---2007/1/8追記---
今読み直すと、ホントにアホですね、私。でも楽しかったですよ~。あと、オマケ。バートン・クレーンさん関係のページで、2月頃の記述に、「鈴木慶一さんにCDをあげたら喜んで聴いて貰えた」というエピソードを発見!というわけで、ご関係、ありましたです。