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回復案内人
カウンセリングは、とても大切です。
そう言い切るのは、私自身が、あまり強くないメンタルの持ち主で、
もう少し噛み砕いていうと、
ショックを受けやすい上にクヨクヨするタイプ
だからです。
人に歴史あり。
私のメンタルヨレヨレ史を書いてみようと思います。
私の人生の中で最初にうつと診断されたのは確か2002年でした。
何度か書いていますが、完全にベッド星人になっていたところを、
一緒に住んでいた妹が病院に連れていってくれて、
そこでカウンセラーも紹介されました。
病院は体調を聞いてお薬を出してくれるだけだったので、
問題の解決はカウンセラーの方が引き受けてくれました。
後になってから、実は複数の問題が重なっていたことに気づいたのですが、
当時最も激しく苦しかったのは親子関係のトラブルだったので、
日々受けている攻撃から心を守る実用的な手段を教えていただきました。
「電話は留守電にして出ない」
「手紙は妹に読んでもらって用件のみ聞く」
まずこの2点だけで、直接的な攻撃のダメージを避けることができました。
困り果てていた私たちには、そんなことすら思いつかなかったのです。
その後、親子間に長いこと横たわっていた問題について語り合いながら、
投薬と併せて、少しずつ回復していったように思いますが、
実のところ、非常に記憶が曖昧なのです。
とにかく世界が薄暗かったこととや、
仕事では遅刻や休みを多発しながら、
上司にかばってもらい、同僚に助けてもらいながら、
毎日をやり過ごすことで手一杯だったことを、
断片的にぼんやり覚えてます。
当時はまだ会社もメンタルヘルスの扱いに慣れていなかったのか、
休職とか産業医のサポートとか、そういう対応はまだ人事も上司も知らず、
ずるずると許容してもらっている間にどうにか回復できたという感じ。
当然ながら私自身も、うつって何?という感じだったのですが、
よくなったり悪くなったりを繰り返しながら2年くらいで概ね回復、
さらに1年くらいは危なっかしい状態でこわごわ過ごしたような、
そんな感じだったんじゃないかな。
その後、2008年だったでしょうか。ブログを書いていた頃です。
かなりチャレンジングなプロジェクトに関わっていたため、
いわゆるデスマになり、同時に職場にはセクハラが横行するわ、
デスマあるあるでみんな気が立ってるわで、
コミュニケーションのストレスも多かったですね…
途中、そして終わってからも、何人か倒れました😓
この時は自発的にクリニックに行ったのだと思います(記憶が…)
診断は適応障害で、産業医が入り、残業規制がかかりました。
クリニックからは、環境を変えられるなら変えるようにとの指示でしたが、
上司が「ごめん、それはできない。基本的には周囲に任せていいから、
もうちょっとだけ頑張って」とのことで、
基本的には残業規制によって負荷を減らした感じだったでしょうか。
まあ時間とともにデスマも収束していったし..。
それに、二度目なので、出口は見えていたのですよね。
いつかは回復できるものだと知っていたし、回復に波があることも知ってた。
そこが大きかったと思います。
規制解除された時は嬉しかったですね。
三度目は病院に行けるような原因ではなかったので、
自己判断+自己治療ですね。
本当はそれはダメだと思うのですが、背に腹は変えられず。
体は重く、頭は動かず、仕事も家事育児もめちゃくちゃでしたが、
毎日を必死で過ごすしか、乗り切る手段がなかった。
だけど過去2回の経験は、確実に自分を救ってくれました。
メンタルの弱さは自覚があったので、いろんなことを勉強もしていましたし。
対人関係については、人格障害やハラスメント、アサーションなど。
知人も休職からの復帰プログラムで認知行動療法のトレーニングを受けていて、
私も調べたりしていたのでした。
とはいえ、最初のカウンセリングがなかったら、
それらの世界について調べることもなかったでしょう。
様々な状況や関係の中で、自分の特性を理解して、
心の健康を保ちながら生きていくのは非常に大変で、
多くの場合、誰かの助けを必要とするものだと思います。
そしてもう一つ、お話ししたいことがあります。
最初のうつから回復していく階段の、
おそらくは最後の一段を登る力をくれたのが、
黒沢秀樹さんの「散歩」という曲でした。
まだ音楽を聴くような気力もあまりなく、
ましてやCDを買う元気なんてなかった当時の私が、
秀樹さんのインターネットラジオを聴いて、
久しぶりにCDを買ったのです。
そのことを書いたのがこの記事です。
インターネットデビューしたばかりの2006年の文章なので、
まだストレートに「うつ」とは書けなかったようですね。
「旧友だなんて図々しい!」と思われてしまいそうですが、
この文章はけっこう大事なことを書いてますよ!
だって、「旧友のように語り合える」のだとしたら、
それは理想的なカウンセリングの状態だと思いませんか?
実際に私は、回復への一段を登る力をもらっているのですから。
さて、実はこの文章を書くのに、かなり日数を要しました。
過去のこととはいえ、思い出すと引きずられるところもあり…
細かく書きすぎているところはだいぶ削りました。
あ、そうそう!
何かもう一つ書こうとしていたことがあったのを、
それで思い出しました!
私も、カウンセリングを受けて元気になった頃に、
カウンセラーというお仕事に興味を持った時期がありました。
だけど、調べてみると、本当に大変なお仕事で…
親身になりすぎても引きずられて自分のメンタルが危うくなる、
みたいなことが書かれていたのだと思います。
私は割と自他境界が曖昧になりやすい人間なので、
よほどのトレーニングを受けないと、うまくやれないかも…
と考えたのを覚えています。
助けていただいた一人として、カウンセラーの方々に感謝しつつ、
少しでも”みんなの”笑顔が増えていったら素敵だな、と思います。