歌の贈りもの

贈り物のように感じる音楽として今日思い出していたのが、
昔書いたこの記事でした。

マーゴ・ガーヤンという女性シンガーソングライターが1968年にリリースした
「Take A Picture」というアルバムがポリスターから再発されております。
「ソフトロック」とか「サイケ」とかいう、便宜上用意された言葉だったり、
「ウィスパー」とか「変拍子」とかいう、パーツに関する言葉だったり、
そういうものは他の方が沢山説明して下さってますし、
しつこいようですが私は音楽的素養がなく、そういう説明が苦手なので、
例によって、簡単な紹介と感じたことを中心に書いてみます。
マーゴはもともとクラシックの音楽教育を受けながらジャズへ傾倒し、
その後、「God Only Knows」に触発されてポップミュージックの作曲に
携わるようになったのだそうです。
代表作はSpanky and Our Gangが取り上げた「Sunday Morning」であり、
そのセルフカバーバージョンが「Take A Picture」の1曲目となっています。
また、8曲目、クロディーヌ・ロンジェも歌った名曲「Think of Rain」は、
これこそが本物だと思わせる素晴らしいバージョンです。
しかしそれらの活動もマーゴの中で徐々にトーンダウンし、
その後はピアノの先生として子供達に音楽を教えているとのこと。
彼女の活動期間がわずかだったことは惜しまれることなのでしょうが、
私にとっては、リリースしたアルバムがたったの1枚であったことが、
なんだか象徴的に感じます。
このアルバムは、優しく煙るひらめきの光がフワリと包んでくれている。
唯一無二の、おそらくはその瞬間にしかありえないひらめき。
だから、1枚で充分。
マーゴ、贈り物をありがとう。

好きな音楽はたくさんあるのに、なぜこのアルバムを贈り物と感じるのか、
今になってよくよく考えてみると、一つ思い当たることがありました。
彼女の歌が、おそらくですが、私の歌に似ているのです。
自分の歌なんて気恥ずかしいから真剣に聴いたことないけど、
軽音にいた妹のコーラスは学園祭で聴いたことがあって、
その歌にもよく似ています。
知世さんやクロディーヌみたいには歌えなくても、
マーゴのようには歌える気がして。
そこを突破口にして考えてみると、
記事でも触れているThink of Rainという曲は、
私が作りたい理想の音楽なのですね。
メロディもサウンドも、それに歌詞も…
なんたってforgive meですから。
謝りゲノムが疼きます。
私の代わりに作ってもらえた曲。
そんな感覚が、贈り物のように感じさせてくれるのでしょう。

記事で書き忘れていますが、このアルバムを知ったきっかけは、この本でした。

そう、釣られジャケ買いだったのです。
勘のいい方はお分かりでしょうけど、
この本を知るきっかけを作ってくださった方にも、
心からの感謝の気持ちを贈りたいです。


※追記
本の発売日が記事の日時よりも後 という時系列の矛盾に悩んでいます。
もしかすると、クロディーヌのバージョンから遡って買ったものを、
この本で発見して嬉しかったという流れだったかもしれません。
ちなみにマーゴのオリジナルアルバムは一枚だけですが、
デモ集が一枚あって、そのジャケットも大好きです。

ルックスも憧れなのですね。
私も無精ボブがよくこんな長さになってるわ(笑)。