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メアリー・スーによろしく

 メアリー・スーと聞いて「ああ、アレね」と反応できた人は、おそらく小説を書いている人だと思われます。

 Mary Sue(メアリー・スー)とは、二次創作における用語の1つ。二次創作に登場する、原作のキャラクターよりも格段に優秀なオリジナルキャラクターを総称した言葉。
 1973年に出版されたファンジン『Menagerie』2号に掲載された『スタートレック』の二次創作小説「A Trekkie's Tale」に登場するオリジナルヒロイン、メアリー・スー大尉(作中の描写によれば「…艦隊で最年少の大尉であり…年はまだ15歳と半年」)の名前から取られた。
 この小説自体、当時のファンたちが書いていた二次創作小説に登場しがちな、非現実的で思春期の少年少女の願望を具現化したようなオリジナルキャラクター(艦隊でも最年少かつ最優秀で、原作に登場するクルーらから尊敬や愛をよせられ、しかも驚くような能力を持ち、死ぬときは劇的に死んで全員が悲しみに包まれる)を揶揄した小説だった。

(Wikipedia「Mary Sue」より抜粋)

 説明を読むだけで漂う「これアカンやつや」臭……!

 ああ、ありますよ! 主人公大好きなあまりに完璧超人にしすぎて、全てがそのキャラのためだけに動く作品! 具体的な作品名を挙げるのは差し控えますが、例えば『黒豹シリーズ』なんてまさにそれですね! 全部読みましたよ、私w 

 最近のライトノベルには「俺TUEEEE」なんてジャンルもあるみたいですが、最初は主人公が強すぎるのを揶揄した言葉だったとも言われています。やはりある程度の欠陥を抱えてこそ人間であり、愛すべきキャラクターなのだと思いますね。

 で、件のメアリー・スーは下記のサイトで読むことが出来ます。早速全部読んでみましょうか。

http://www.wiccananime.com/amslt/amslttrekkiestale

 短っ!!!!

 なんだよこれ、ほとんどチラシ裏の落書きレベルじゃないか! 高校入試の英語長文だってもう少しまともな長さがあるだろうよ!

 エンタープライズ号艦長は彼女をデートに誘い、ミスタースポックは論理的だと賞賛し、幽閉された仲間を自分の活躍で救い、病気になった仲間に代わって宇宙船を指揮して勲章をもらったが、最後は病気で死んだ、みんな号泣した、彼女の誕生日は戦艦における祝日となった……。

※翻訳はカスガさん(https://twitter.com/kasuga391)によるものを抜粋しました。

 女将を呼べ!

 海原雄山ならそう絶叫するレベル。 山岡士郎なら鼻血を出すレベル。なんちゅうものを読ませてくれたんや!

 ……結論。ひどい。

 そりゃ小説同人サイトで「メアリー・スーお断り」って書かれる訳だ。でもこの小説を揶揄目的で書いた人、あなたは偉い。

「競馬最強の法則」にて血統理論記事を短期連載しておりました。血統の世界は日々世代を変えてゆくものだけに、常に新しい視点で旧来のやり方にとらわれない発想をお伝えしたいと思います。