メキシコで遭ったバス強盗

昨夜サンクリからメキシコシティへ向かう夜行バスで強盗に遭いました。無事です!!
忘れないうちに、詳細を記しておきます。誰かの役に立つかもしれない。

バスは一等バスOCCという会社。サンクリを17時過ぎにでてTuxtla でお客さんを乗せほぼ満席くらいの40〜45?乗員。Tuxtlaから2時間ほどの場所。
もう寝る体制になっていて車内は真っ暗。突然急ブレーキがかかり、バン、バン、と発砲のような音がして車は急停車した。
なんだろ?と思ってるうちに、暗がりの中、荒々しい男の声がして
みんなに外に出ろ!!と怒鳴っている。

隣のおじさんが目配せで同じようしろというように
したので、前の席に頭を下げて手を上げてるのを真似た。
どんどん後ろから手を上に上げて乗客が
バスを降ろされているので、それに従った。
外に出されるのはまずいなと思ったが、仕方ない。

とにかく外国人だとバレないように頭を下げて
顔が出来るだけ見えないように気をつけた。
外国人だとわかると余計にチェックされる可能性があるから。

バス外に降ろされると男性、女性と分けられた。男性はバスに体を向けて手を
上に上げさせられていた。
男性の方が多かった。男性8対女性2くらい。
念入りに男性の方を調べ上げていた。
私たち女性の方にはピストル持った男性が一人で
見張り。お金、携帯を出せ!!と言った。
お金目的だろうから、財布の有り金をだした。
ドルは財布には入れてないので腹巻きにしていたので
ボディチェックされると危険なのでそうならないように
出来るだけ小さく陰に隠れるようにしていた。
実際怖くて震えていたんだけど。
女性の中にはパニックになって
ずっと泣いてる人もいたので
その人の背中に手を当てていた。

呪文のように「大丈夫。大丈夫」と唱えていた。
降ろされたところは横は樹々があって下は草地だった。
道路じゃないところのような端にバスを誘導されていた。
道から見えにくいように。

強盗は何人いたのかわからないけれど
男性側の方を念入りに金目のものを巻き上げていたようだ。
ズボンまで脱がされているのもちらりと見えた。
こっちまであんなことされたらひえ〜だ。

気が遠くなるほど長く感じた時間だった。

急に何か状況が変わって、別な人たちが入ってきた。
ミリタルかポリスだった。違いがよく分からんが。多分ミリタル。(軍隊)
彼らたちがきて強盗は逃げていたのだ。
わぁ〜よかった!!
生きて帰れる!!
みんな震えから安堵して、バスに乗り込む。
バスの中も荷物を開けられひどい有り様。
私のは下に置いてあったから目立たなかったのか
手をつけられていなかった。

男性たちはミリタルらから事情聴取されていて
しばらくかかった。隣のおじさんは戻ってきたけど
携帯もとられ、財布の中身も空っぽだった。
手を上げたままボディチェックされたからどうしようもならなかったそうだ。

怪我をしたのは運転手のみで幸い乗客は怪我はなかった。
誰も撃たれたりしなかったのは本当に幸運だ。
救急隊も来てくれ、みんなの健康状況をチェックしてくれた。
ミリタルや救急隊の人が優しくて心に沁みた。

運転手がこのまま進んでいいか?みたいなことを何か言ってみんなに聞いて
みんな挙手してまた出発した。

一夜明けて朝になるとみんながそれぞれのことを
話し始め、笑い合えるようになっていた。
隣のおじさんに家族と連絡取りたいなら携帯使ってねと言ったら
驚いたようにありがとうと言った。
おじさんはまだまだ北の方へ向かうらしくここでお別れだ。
その隣りの女性も運転手さんも本当にご苦労様でした。
大きな試練を超えた同志のような気分だった。

本当にめちゃめちゃ怖かったのだけど
とても温かい愛を感じた。

30年以上このルートを行き来していて初めての体験。
バスに乗る前に愛を感じさせてくださいって
祈って乗ったら、こんな形で愛を感じさせてもらった。
ハードだったけど、素晴らしい体験だったのかも。

隣りのおじさんの顔や女性や運転手さん、ミリタル、救急隊の人の顔を
忘れられない。

生きていることに本当に感謝。
私を守ってくれているすべての人たち、見えない大きな存在にも
心から感謝しています。


メキシコ大好きなのは変わらない。
メキシコが危険ということを言いたいわけではない。
こういうこともあるよ。ということとして捉えてくだされば
幸いです。








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