女性として生きるスポーツ界
3月8日、国際女性デーです。
もちろん国際男性デー(11月19日)もあります。
海外で生活していると、日本のように女性が「3歩下がって男性を立てる」なんて事はなく、むしろ女性達が1番に立ち上がります。
決して何かを肯定するわけでも否定するわけでもなく、一個人の意見として読んでいたでければ嬉しいです。
あくまで私自身が肌で感じ、頭で考え、心で思った事です。
物理的にあり得ない男女平等
まず、男性の体力、筋力、スピード、高さ、など身体的なところで勝てる女性はほぼいません。
男性よりも身体プロフィールが優れている女性もいますが、男女の平均を比べたら圧倒的な差だと思います。
きっとこの特徴は遥か昔から男性が外(社会)で体を使う(働く)理由になっているんではないかと思います。
一方で女性唯一の妊娠・出産がある、つまり中(家)にいて体を守る(動かない)事が必須になってきます。
これが「男は外で働き、女は家を守る」になっているのではないでしょうか。
もちろん外で働く事も、家を守る事もどちらも大事な役割です。
どちらが劣ってるわけではなく、どちらも素晴らしい事です。
管理職から見た男女の違い
管理職をしている父に学生時代ある質問をしました。
「重要プロジェクトの採用でそれぞれ25歳の独身男女、能力や成績は同じ。どちらを採用しますか?」
父の答えは迷わず「男性」でした。
ポイントは「能力や成績は同じ」、「重要プロジェクト」、そして「独身25歳」。
まず「能力や成績は同じ」、これに関してはどちらを採用するかは焦点にならないところでしょう。
次に「重要プロジェクト」、これはその名の通りその会社や組織に重要なのもであり、長期化する可能性もあります。
最後に「独身25歳」という事、これはこれから結婚適齢期、ほとんどの人が自分の家庭を持ち始める年齢です。
なぜなら25歳の独身女性にはこれから来るであろうブランクが想定できるからです。
その女性はきっとそう遠くない将来結婚をし、妊娠・出産をし、母親になるでしょう。
育児は男女平等にするとしても、女性の体は大きな変化をするため出産前後、少なくとも1年は休暇を取らなくてはなりません。
これらの事を踏まえると、その会社・組織の利益を優先させなくてはいけない管理職にとって、「男性」を採用する事は納得できる答えです。
常に利益を求められる世界
どの世界でもそうでしょうが、私が思うのは「スポーツ界」は特に利益(勝利)が求められる世界だと思います。
負ければクビの世界は常に利益を求められるでしょう。
もちろんそのために先ほど述べたように、「男性」をスタッフに加えるのは当たり前の流れだと思います。
そしてそれが女性スポーツだとしても、男性がスタッフとして帯同する事に誰も違和感を持たないと思います。
男性社会(スポーツ界)の中にいて
私が今まで女性スポーツに関わったのは2回です。
圧倒的に男性スポーツとの関わりが多いのは、ある「こだわり」があるからです。
2011年、なでしこジャパンがドイツワールドカップで優勝しました。
日本のみならず、世界から注目された瞬間です。
女子サッカーチーム、女性のみがプレーできるチームです。
この写真には女性アスリート以外に、男性スタッフも写っています。
世間はこの光景を何となく見ていたと思いますが、私は違和感を感じた事を今でも覚えています。
「女性スポーツに男性スタッフがいる事は当たり前でも、男性スポーツに女性スタッフがいる事はすごく稀」
サッカー日本A代表の内科医スタッフの土肥美智子さん、ラグビー日本代表のメンタルコーチの荒木香織さんなど、ご活躍されている方々もいますが、その割合は遥かに少ない。
その背景に今まで述べてきた事があると思います。
だからこそ「男性社会でも負けない女性トレーナーになりたい」、それが私の変なこだわりです。
もちろん女性スポーツもとても難しいです。
例を挙げるなら、「月経」がその一つだと思います。
女性の体は大体1ヶ月に1度起こる月経のために、卵胞期、排卵期、黄体期、月経期と約1週間事に変化し、その変化により心の変化も訪れます。
これは男性が想像する以上の変化で、それを管理しながら競技をサポートする事はたくさんの知識と経験が必要です。
どちらが上・下ではなく、どちらもやりがいがあるのは間違いありませんが、やはり「観る競技」とした時にスピード感や力強さで男性スポーツが女性スポーツを上回る事は仕方ない事かと…
これが収益の違いにも関わってくるので、男性スポーツが盛り上がるのは仕方ない事です。
それでも奮闘する女性たち
これまで述べたように、物理的に男性が社会で目立つ中、奮闘する女性たちがいます。
その一つが、スペインサッカー女子リーグです。
近年のスペインサッカー界は男子の試合に女性審判がいたり、女子が男子の使うスタジアムで試合をしたりと盛り上がりを見せています。
この活動が直接的ではなくても、きっと女子サッカー界の発展に繋がる事は間違いないでしょう。
活動場所は違えど、私も彼女たちのように奮闘する女性の一人です。
相手をしっかりと見る事・そして「違い」の壁と闘う事
「違いの壁」、私にとってこれはスポーツ界の性別の違いです。
身体能力ではどう頑張っても男性に勝てません。
何度女性である事をネガティブに思ったか…。
それでもこうして活動ができるのは、私を「女性」としてでなく「トレーナーの私」として見てくれる人たちに恵まれたからです。
よく「女性なのに男性社会(チーム)にいてすごいね」と言われます。
でも本当にすごいのは私の周りにいる人たちです。
当たり前の事ですが、こんなに幸せな事はないと思います。
その幸せに甘えないように、常に成長し続けなければいけないし、常に挑戦し続けなければいけません。
それが私の「闘い方」です。
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