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They can't order me to stop dreaming!!

「どうしてスペインにいるの?」

2年前の今頃、家に帰るバスの中で聞かれた質問です。

その人とは出会って半年くらい経ち、何となく深い話ができる人だなと勝手に思っていた人です。

その問いに対しての答えは「色々あって」でした。

当時自分の理想としていたスペイン生活とは違い、どことなく歯痒さを感じていました。

「色々あって」、つまり「なぜスペインにいるのか」と言う問いに対して、胸を張って答える自信がありませんでした。

あの時包み隠さず話せていたら、「今」は少し変わっていたのかなと思います。


理想だった未来と現実

大学を卒業して描いていた理想は2〜3年で日本に帰り、仕事仕事の毎日を日本で送る事でした。

2〜3年ならすごく成長して自信が持てる期間だと思っていました。

しかし現実は全くもってスローペース、イメージしていた3年間ではありませんでした。

それは理想以下でもあったし、理想以上でもありました。

スペインに来て1年目、想像以上の語学の壁に当たり、たくさんのスペイン人に助けてもらった事。

2年目、語学の壁が薄くなり、自分の立場を確立しつつも悩んだ事。

3年目、元プロと仕事をする事で自分の意識に変化があった事。

4年目、環境を変えて挑戦している事。

良い時もあれば悪い時もある。

でも振り向けばちゃんと進んでる。

今はそれで良いかなと思える「現実」を過ごしています。


「自分にだけは素直に生きたい」

元々人前で泣かないし、相手に合わせるタイプだし(でも頑固。笑)、協調性は少なからず人並みに持っていると思います。

何を求められてるか聞いた上でそれを実行するタイプで、そこに自分の感情はあまり必要ないと思っていました。

スペインに来てこの考え方が大きく変わりました。

もちろん協調性は大事ですが、それと同じくらい「自分がわくわくするか」を考えるようになりました。

自分がやってみたいと思う事が見つかったら、そっちに進んでみる。

道は決して真っ直ぐではないし、時々戻ったりもするけど、自分がそうしたいと思うならそれでも良いと思えるようになりました。

誰に笑われても、世界に一人でも応援してくれる人がいたら挑戦したい。

ドリームキラーは眼中にない。


自ら人生を切り開いた男

Mariano Díaz、昨日のクラシコをきっかけに彼の名前を知らない人はいなくなったでしょう。

アディショルタイム3分が表示された時、監督・ジダンに呼ばれたのがマリアーノだった。

1−0で勝ち越していた試合、おそらく彼が受けた指示は「前線からの守備、そのまま試合を終わらせる事」。

アディショナルタイム1分38秒、彼が倒れながら放ったボールがネットを揺らした。

彼は勝ち誇った顔で起き上がり、そして涙を拭いながら自陣に戻った。

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彼のこの出場は今シーズン初でした。

レアル・マドリードのカンテラで1年を過ごし、その後Bチームに上がるも成績不振。

出場機会を求めてフランスのオリンピック・リヨンへ移籍しました。

2018年、レアル・マドリードに復帰するも出場機会はなかなかなく、苦しい時期を過ごしました。

そのストーリーがあるからこそ、彼はたった2分間のチャンスをものにしたのでしょう。


明日何が起こるか分からない=だから諦めたくない

昨シーズン末に経験したカテゴリー優勝、1−1のまま決着がつかず、PK戦になった試合です。

今にも吐きそうな緊張感、呼吸音さえ大きく聞こえる静けさ。

その後のそれを破る大きな歓声。

何より、選手達の笑顔。

これを一番近くで見たいから現場に立ち続ける。


もしかしたら明日、最悪な日かもしれない。

でも、もしかしたら最高の日になるかもしれない。

それは誰にも分からない。

だからこそ他人の意見に流される前に、自分の気持ちと向き合いたい。

自分がこうありたいと思う気持ちを素直に認めたい。

この気持ちを持ち続けられる自分でいたいし、それを伝えられる大人になりたい。

今の自分にとってそれができる場所がスペインだと思う。








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