【議事録】第5回真山ゼミ 2050年の日本を考える 〜誇りある国をどう構想するか?2〜
今回のゼミのテーマ
日本を出ていきたいと思わななくていいような国にするには、2050年の日本を誇りある国にするにはどうするか、3グループに分かれて発表しました。3グループの発表のテーマはそれぞれ少子化、教育、環境でした。
少子化
社会と個人に関するモデル
ジェンダーの問題は難しい。社会と個人に関するモデルを提示し、議論していく。「正義」とは何か?自由主義をベースに考える。選択的夫婦別姓が認められないのは不当。結果的に少子化の原因となっている。規範を変えるわけにはいかないから、制度慣行を変えるしかない。「男が働き女が家庭を守るべし」という制度になってしまっている。制度が想定する以外の形の家族を抑圧している。
少子化の現状
少子化がなぜ問題なのか、年金や介護制度が崩壊するのでは、経済が低迷するのでは、というのが問題として挙げられる。妊娠、出産、保育の不安があるのではないか。
現状では子育てのロールモデルがいない。
提案
新しい(より広い範囲の)育休制度。
両立できている家庭へ「インターン」を行う。
保育園の拡充。
子育てマッチング。
質疑応答(学生からの質問)
Q. 子育てマッチングをやる上での法律的な壁や、リスクをどうするか。
A. 商店街全体での責任を取る、ということで解決できるのではないか。
Q. 結婚をしないと子供を作れないという前提についてはどう思うか。
A. 結婚をせずとも子供を持ってもいいと思う。二人親でなくても幸福な子供はいるはず。家族で担っているケア労働をより社会に担ってもらう。制度を変えると規範も変わるのではないか、という前提。海外では同性婚をして子供を持つこともある。
Q. キャリアを重視する人は結局「休まない」のでは。休むことによってキャリアアップが阻害される現状の方が問題なのではないか。
A. その問題に対する解決策は分からなかったため、このような提案をした。「生理休暇」も女性が休みを取りにくいことの現れではないか。
Q. 少子化問題は20年以上にわたり問題として捉えられてきた。恐らく今回挙げられていたような案は考えられはせど、実行されなてこなかったのではないか。今回こちらの提案を実行に移すには、どうすればよい?
A. 本当に問題だという風に捉えられていなかったのではないか。我われが内閣府に入って仕事をするのでも良い。日本の国会議員の女性比率は低い。政府が出生率の上昇について言ってこなかった。2015年に初めて「希望出生率1.8」と言ったのが初めて。
質疑応答(真山先生のコメント)
二か月前にもぼんやり言ったのだが、現実性、実現性があるか(がポイント)。法律はいろんな事情があって作られている。少子化が選挙の争点になったことはないのでは。
民法、というだけで分厚い本があり、法学部の長い授業になるほど。
例えば、同性婚に関して法律が問題になってくるとすれば以下のような観点から。死んだときの遺産相続で揉める→深刻な問題が生じるため、法律が必要になってくる。若いころのカップルの作り方が、亡くなった後にどう影響してくるか、という観点。
子どもの親権:子どもは誰のものか(戸籍がないと困る)
正義とは:人に自由が抑圧されないこと→半強制的に育休・産休を取得させることは、働きたい自由を抑圧することになる。「自由」を都合よく解釈しているのではないか。
頭が良い学生が共産運動に走ったのは、「みんなが助け合えばよい」という考えを持っていたから。それと似ている。しかし、一般的な日本人の多くは、ボランティアや社会的な連携に踏み込むという考え方は持っていない場合が多い。日本では経済的に生活に余裕が無い人が増えている。大勢の人は人助けをするだけの余裕を持つのが難しい。
「子育て」にはこだわりを持っている人が多い中で、善意で何かをするのは難しい。小さなこだわりで揉めてしまうだろう。
日本は国土が狭く、平地が少ないのに人口密度は東南アジア並みに高い。
少子化を気にしないとむしろ女性の就業が増えるのでは。
子どもを産みたくない、というのも権利。
日本では不妊治療が多い。両親のストレスが高いと、子供を生みにくいのでは。
真山ゼミの特徴だが、(参加者が)はっきり言うとエリートで、社会の生活観がズレている部分も。
働きたくない、と思っている女性もたくさんいる。
「母親(専業主婦)」が多い社会は安定する。
「新しい育休」などの導入により担当者が次々変わると取引先は困るのでは。
人がいなくなってもWorking Shareが可能となる仕組みづくりを全国に普及させなければ難しい。
50代は男女雇用機会均等法の第一世代。
女性で役職員になり、かつ子どもを持っている人はたくさんいる。しかし、そういう女性は「(若い世代の女性たちを)甘やかさなくてよい」という意見を持っている場合もある。
休んでもキャリアを止めなくてよい、というオプションを用意することは大切。育児をやりたい父親の権利を保護することは重要だが、それを広く薄く社会に広げていくことは難しい。
成功例に対して補助金を出していく(会社や個人に対して)ことで、インセンティブを与えれば、成功例が広がって社会全体として制度を備えることが普通になっていくのでは。
日本やアジアは家(かつては村)を単位として見てきた。風土とも一体化しているそれを変えていくことは難しいのでは。
フランスや北欧のように、同棲を主体とする家族形態を日本人のすべてが共通の価値観としてそれを肯定することは難しいと思う。
日本では、なんでも平等に制度を作ろうとするところに問題がある。
多種多様な権利を認めることを是とする価値観を広めていくことは重要。
子育てマッチングでは認証制度を確立する/通報制度を整備する/親による免責事項への同意を徹底する。
なんで地面に足がつかないのかが重要。社会が悪だと言っていることが本当に悪なのか、を考える。
自由はもれなく義務、責任がついてくるので、自由を強調すると他人に冷淡になるかも。人は意外と規制されたい。安倍さんが人気だった理由の一つが、規制をしてきたこと。
例)監視カメラの増加/ヒトラーを生んだ『自由からの逃走』
日本では、階級社会は無いが、階層社会はある。
人口としては、相対的に貧しい人の方が多い。実態としては平均年収を下回る年収の人が多い。広告は「金」を出す人を対象とする。もはや「少数を出資する多数者」ではなく「多額を出資する少数者」を重視する時代に。
同性婚について
戸籍法を変えないといけない。家族ってなんだろうという議論を一からしないといけない。
「オプション」という考え方を入れる必要がある。マイノリティも楽しく生活する権利がある。
若い人は性別がどうであれ気にしていない→時代が変われば制度も変わるかもしれない。
みんなに理解してもらう、というよりは、そういうのがいてもいいんじゃない、というくらいを目標にすると達成しやすい。子供を生みたい人は地方にたくさんいる。でも、日本は都会での子供を増やしたい。
日本は特殊な国。エリートはグローバルだが、社会がそこについていかない。とにかく、正面衝突しないような話をしないといけない。あなたたちに得はないかもしれないが、損はしないでしょ、ということが伝わらないといけない。
社会前提の認識を変える努力が必要:これはボトムアップから。
「こういう人もいるでしょ」「こういう人も助けましょ」という言葉をはやらせる。「同じ人間だよ」は通じない。
おじいちゃんが女の子のパンツを替えただけで通報されたり、チョコレートを食べさせたら親が怒鳴り込んでくるような状況では(子育てマッチングは)難しい。
教育
問題設定:4つの観点…政治、社会、経済、技術
→「経済」に注目
日本は一流国から遅れを取りつつある
教育からアプローチするとしたら→どうやったら起業家を増やせるか?
現状:時価総額ランキングで日本企業が少なくなった。金を稼ぐ力が弱くなったのでは。ユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業)が日本は圧倒的に少ない(韓国以下)。
アベノミクス
金融緩和と財政政策のみ、経済政策として何をしたかはよく分からない。
日本はHigh Incomeの国の中で起業者の割合がWorst 2
岸田政権の政策:
資本主義を進行している機関投資家からの投資が下落(8営業日連続)した。
歳入
圧倒的に「国債」の割合が高い。
GDP費で国際比較をした場合にも、その割合は圧倒的に高い。
歳出
社会保障費が増加:高齢者(75歳以上)の負担費は1割→人口が増えるほど増えていく。
高齢者の1割負担を2割にしようとした途端、支持率が低下した。
2050年の日本
税収を増加させるために増税する?
円安のために、既存産業のもうけが減少する?
起業家教育をした場合、どうなるだろうか。
日本がアメリカ水準まで「総合起業活動指数(Total Early-Stage Entrepreneurial Activity: TEA)」を上げるとどうなるか。
現状維持の場合は毎年100兆円の赤字、起業家教育をおこなえば1兆円かろうじてプラス。
教育
起業家を育てることが教育の役割なのか?
→社会の発展に寄与するため、教育の役割と言える。
起業家精神教育
現状:起業家、起業経験者が少ない、テクノロジー企業の専門家(→成功する起業家の高年齢化 ※20代後半、大学院卒などのスキル保持者)
問題点①:日本の起業家教育は不十分
起業家との接点が不足、起業への無関心
現場での課題:指導内容が未検討、外部との連携が必要
実施例:企業訪問や職場体験→「労働体験」であり「起業」体験ではない
問題点②:エコシステムの欠如
テクノロジー分野の起業家の多くは「連続起業家」が創業者としてかかわっていることが多い
知識のある人材の不足、メンター不足
教育フェーズごとの起業家教育
小中高:起業家との接点づくり、体験イベントなどの開催
大学:起業を見据えたキャリアプランの壁打ち
大学院:起業支援、ビジネス人材とのマッチング
質疑応答(学生からの質問)
コメント:従業員数100人以下の企業が乱立することになりそう。零細企業を増やすよりも、企業体を大きくした方がコストが下がるのではないか。「足腰の強い中小企業支援」のように、中小企業を増やすような取り組みも重要では。
日本の企業は内部留保を多く持っているため、中小零細企業を買収するという選択肢もあるのでは。
一人当たりの売り上げを意識する企業が増えている。投資家目線でのプレッシャーを掛けていくことも重要では。
Q. 日本のマーケットが今後縮んでいくと考えられる中で、国内での起業を促進することが2050年の日本の経済停滞への歯止めになるのだろうか??
マーケットの場所を日本に限定する必要はない:国内で起業することのメリットは「言語の壁」がないことと、金利が低いこと
Q. 日本がこれまで持ってきた技術をベースとして「輸出」に力を入れていくことは有効では。
「装備品移転」:武器の輸出
日本のマーケットだけでは縮小していくのは確か。
起業家教育を推さないと、起業しない人たちが働く場所が減ってしまうと推測される。
質疑応答(真山先生のコメント)
アプローチから入ったのは素晴らしい。財政が厳しい→起業家教育、という視点。
収入を増やさないと、この国は終わる:健全な方法で増やすには?
現状日本の生活、企業経営が苦しいと単純に増税はできない。
所得税は30%ぐらいしか払っていない
起業家教育をできる人がいるのか、が盲点。
投資家教育も起業家教育と類似
最大のポイントは「リスク」
学校は、1万円バイトで子どもたちに金を稼がせて、それを投資に使わせてみてほしい。そうすればお金の重要性が分かる。
日本にはハングリー精神がない。
安定しているため。
中国では、独立独歩で金を稼いできた人たちが成功している。
アメリカでは、貧しい人は大学にも行けない;大学に行きたいが故に軍隊に入る人もいるくらい。
メンタル面でのハングリー精神を培うには
「あなたたちが大人になるときには日本は終わる」と教育で教えればよい
起業=隙間を狙うこと 例)リクルート
日本には隙間だらけ。でも、何となく生きているとそれに気づかない。コミュニティや社会に足りないものは何か、を考える目線が必要
シャッター街コンテスト
起業=金を産む産業を作れるかどうか
リスクを取ってくれる人のお金を集められるかどうか。
起業家による起業家教育は、大学に入ってからでも良い。
それまでの学校では「想像力」:私たちの学校に無いものは何か、不便なものは何か、を見つける→それを作るぞ、お金は自分たちで集めるぞ、という教育をする。
例)自校のトイレを綺麗にしたいが、自分たちで掃除したくない。
政府はとにかくスタートアップの件数を増やすのに必死
「スタートアップします!」で適当な申請書を出せば金をつけてくれる。
何故なら:数を増やせば一つくらいは成功するだろう、という考え方のため。
楽勝で借りられるものは成功しない。
厳しく審査する。
その後、軌道に乗って来た時に支援する、という制度設計が必要。
日本の金融機関は現状ほとんど融資しない。
めちゃくちゃ低金利。
しかし、1兆円くらい儲かっている:なぜならリスクの低い投資先に多額の投資をしているから。
不良債権を一定割合以上出すと頭取が逮捕される、という法律。一定程度が回収できると、投資を引き揚げてしまう。
金融という挑戦者を支援する仕組みが、片や甘々で片や厳しいため起業しない。
1割がベンチャーになればいい。9割が応援してくれるような教育をしておけば。
自分は起業しないけれど、応援してあげよう、という教育が必要。
日本は「教えること」「学ぶこと」すべてが平等でなければいけない、と思っている。
そうではなく、「これは面白い」「面白いと思って取り組んでいる人を応援しよう」という風潮を作り出さなければいけない。
挑戦することが良いことなんだ、ということを肯定するのが難しい。
上手くやりやがったあいつ、でもスゴイよね、という文化を作らなくてはいけない。
現状は、失敗したら「恥ずかしい」と思ってしまう。「いらんことして、人様に迷惑かけて、借金抱えて」という見方が中心。
教育では、チャレンジすることの大事さを教えなくてはいけない。
成功を信じて起業するのは難しいかもしれないが。
言葉の問題:
YouTubeがあるので、世界への発信はそれほど難しくはない
中小企業の育成
10個の零細企業を1つにまとめるのは難しい。絶対に守ってはダメ。潰れるところは潰れるに任せて、優秀な人材がいたら必ずスカウトされる。
自動車の部品工場をまとめる、というのはできても(一般に統合は難しい)。
日本の武器輸出
安全保障の観点から、アメリカは日本が武器を輸出することを許さないはず。
もっと穏便なもので勝負するか、英米と共同開発するか。しかし、後者では部品メーカーにしかならない。
日本の半導体はダメ。おごり+総合電機ばかりで、何かに特化した企業体を作ってこなかった。
伝記を読ませたほうが、ベンチャー的な精神は育つかもしれない。
野口英世の伝記を読んで、医者になってアフリカに行った人は絶対いるはず。
ベンチャー教育
自由研究を「好きなことに熱中できる」ような働きかけが可能なものに設計すればよい。
avexを立ち上げた松浦さん:ダンスミュージックが好きすぎて、無給でレコード店で働きまくったら、周りの店を淘汰。そこから卸になった。
政府が役所仕事でなくもっと理知的に働けるには?
学校の定員が決まっている理由:定員を決めないと、先生の雇用が守れないため。
N高の定員が決まっているのは、他の学校での雇用がなくなってしまうため?
自由研究をビジネスチャンスにすることについて
尊い教育に金を持ち込むな、という議論があるが、それが変わり始めている。
自治体単位でやれば良い:地元の起業家から金を集めて「賞」を与える形。
政府の予算について
シーリング:すべての額を前年と同額にする、という前提がある+一度予算を出したらそれを使い切る、という暗黙の了解がある。
歳出をしっかりと見て「こんなお金を使わなくても良いのでは」「この予算使わせなかったのは優秀」というような風潮が必要・官僚の意識改革。
経済政策
政府が何もしない、ということにすれば、民間が勝手にやってくれるかもしれない。
ハングリー精神に関して
米中で成功している人たちは、既に資産を持っている人が多いのでは。
確かに、そういう人たちもいる。失敗を恐れない(恐れなくても良い)人たち。金持ちだからハングリー、というのもある。金が有り余っているのでなんでも作っちゃおう、という人や、親の金は使いたくないので自分で起業する、という人たちなど。
イーロン・マスクは元南アフリカ出身で大金持ちではないが成功している。
貧しい人で、ハングリー精神のある人は多い。インド出身の起業家など。
日本は本当はもっと豊かになれるはずだが、この豊かさで満足してしまっている。どうやって気持ちをハングリーに持っていくかが重要。
環境
モチベーション:
世界の人口は97億人→食料安全保障やグローバルな課題に取り組む必要が高い。
今、日本が誇りを持っていられるのは
→漫画、アニメなど⇔すでに海外に取り入れられている
2050年の日本が誇りを持っていられるには
→環境テクの輸出、経済安全保障、国際社会での地位確保
3つのテーマ:バイオプラ、リサイクル、グリーンウォッシュ
①バイオマスプラスチック
有機資源由来のものと、生分解性プラスチックの2種に大別
課題:コストが高い/GHG排出量まで考えられていない/原材料の食料との競合/一般への浸透度が低い
施策:日本で大規模にバイオプラを開発、生産、販売する
バイオプラ導入の障害は「コスト」「安定供給減の少なさ」→大規模生産することでコスト低下
日本で利用しやすいバイオマス・消費しやすい形態があるはず(トウモロコシやサトウキビの生産は厳しいため、米を使用するなど)
そのためには:法整備、補助金、ベンチャーへの投資、わかりやすい説明など
②リサイクル
マテリアル、ケミカル、サーマルの3種:日本では「サーマル」までリサイクル率に含めているが、国際的には「サーマル」はリサイクルに含まない
海外へのプラスチック輸出が禁止された→先進国は自国で処理をする必要が生じている
プラスチックをリサイクル(マテリアルorケミカル)する技術・制度・評価方法
③グリーンウォッシュ
まるで環境に配慮しているかのように見えつつ、実はエコではない取り組み。
例)「紙」と書かれていながら、その実プラスチックでできていたボトル
増加するグリーンウォッシュへの対応策
グリーンウォッシュの事例を知ること
環境に配慮することへの動機付け
「環境に配慮している」というイメージは、広告に投資すれば作ることができる⁉
質疑応答(学生からの質問)
コメント:政治家や大企業が「グリーン」という際に、本音と建前が乖離しているのでは。
マイクロソフトによるGreen Negative:植林などにより、GHGの吸収量>排出量という状況をつくり、他の企業に売り込もうとしている。
自分たちが儲かり、かつ文句も言われない仕組みを作ろうとしているように見える。
「グリーン」という言葉を設けるための道具にしているのは確か。
それに対して、科学的な根拠の裏付けや、仕組みの実効性について検証していく必要性がある、というのは事実だと思う。
「グリーン」を儲けの道具として使ってよいと思う。
実はこちらの方向性が必要なのに、儲けを重視して科学的な根拠とは反した方向に進んでいく、というのは避けなくてはならないが。
どこまでを自然で、どこまでを人為的に保護すべきか、は考慮する必要がある。
生命の淘汰をどこまで許容するのか。
人類が暴走したので保護しなくてはならない、と考えるか。
人為的な自然:人が介入して生物を保護する、という考えに個人的には賛同している。
生態系サービス(人間が自然から得られる恩恵)を最大限に拡張するために自然を保護する、という考え方は一つ基準にしても良いのではないか。
質疑応答(真山先生のコメント)
ビジネスにするところまでは良い。
アメリカの場合、ブルーオーシャンを見つけるのではなく、ルールを作り、それを独占する。そうなると、ビジネスではない。
SDGsも先進国が作ったもの。しかし、2050年には新興国の人口の方が圧倒的に増えてくる。
ウクライナに対して、国連は何もできない。
先進国ではない国の数の方が多いため。
2050年には、10億対80億くらいの戦いになる。中国もインドも80億の方だというはず。
先進国は資源を使って来たのに、途上国が資源を使うことは抑制しようとしている。
きれいごと同士のぶつかり合いになっていく。
日本:環境技術についてはすでに「先進国」
例)SHARPによる空気清浄機、東レによる水質洗浄機
しかし、日本は人件費が高い。
人間が生きていくために作物は取れたほうが良い。
砂漠で育つ遺伝子組み換えトウモロコシと、それに効く農薬(モンサント)
「カーボンニュートラル」
原発を使おう、という風潮になっていくはず。
日本は「グリーンウォッシュ」と言われると立ちすくむ。
アメリカでは「グリーンウォッシュ」で何が悪い、としたたかにビジネスを作っていく。
ブロック経済が進んでいる。
アメリカやEU
「グローバル」という言葉が段々と「悪」に見えるようになってきている
EUが困窮すると、アフリカや中南米などどうでも良い、という政策をとるかもしれない。
日本がやるならば
公害問題でめちゃくちゃ頑張った日本は、資源が高いため、節電が上手。
裏表なしに真面目にやりましょう、と言うことはできるはず。しかし、言った後に、それを各国が守っていくための仕組みをどう作るかが重要。
日本企業も「ずるい」ことをしているとなった時に、それを切り捨てることが政府にできるか?
環境で勝負に出るときに、世界に対してどうアナウンスをするか。ムーブメントを起こすために、外国に発信するオピニオンリーダーとなるような人がいない。
どこかの国、企業が独占しないようにしなければならないが、現在のアメリカは選挙があるため、国のエゴをむき出しにしている
日本が世界から尊敬されるには。
金儲けをせずに良いことをやっている、ということ
監視する機関ではなく推進する機関が必要。
今の日本はすごく真面目に環境問題にも取り組み、プラスチックも自国内で処理できている。
1980年代までは、日本もODAでずぶずぶの汚職をしていた。
それが問題になり、最前線の企業が薄利で取り組んだ結果、「良い白人」だと言われるように。(嘘をつかないだけで「良い」と言われる~欧米との比較)
ICPPは
完全に政治集団
日本は真面目過ぎる。それを武器にすることが大事。
3人が提起したことを広げるためにはどうする?
高いものを使うのは日本人の一部とヨーロッパの一部の人だけ(北欧など)。
綺麗にごみを分別しているのは北欧と日本だけかも。
愚直さをどうやって打ち出していくか。それを上手くやると、新しい産業が生まれるかもしれない。精神性をどうやって売っていくか。
愚直さを売る対象
ODAや経済援助をして中南米やアフリカにどうやって売り込んでいくか。
TICAD:アフリカ会議を日本が主宰していることは評価されている。
味方をつくるために:哲学を共有すること。分かりやすい「モノ」「コト」ではなく、他の形で精神を広めていくことが必要では。
先進国クラブの一員であることを忘れて、札束でほっぺたを叩くのではなく、以下にコミュニケーションを取っていくか。
お金がないと何もできない。
独立した精神性をアピールするためには「起業家」が必要。
外交は結局「金」。川を綺麗にしてあげる、そのために必要なお金は負担してね、ときちんと言う。
アフリカとの繋がり
日本:良い支援を長期的に。
中国:今必要な支援を短期的に。→評価されやすいかも。
中国
一帯一路を作りたい→公安(道や空港など)に進出:同時に融資して、返済が滞るとそこを中国籍にしてしまう。
労働力、食事もすべて中国人で賄って、工事が終わったら引き揚げてしまう。
欠陥工事の後をJICAが安価で引き受ける構図
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