石巻工房

武蔵野美術大学大学院 クリエイティブリーダーシップコース

クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第11回目 2020/07/27

芦沢啓治建築設計事務所代表 芦沢啓治さん

石巻工房は東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市沿岸部の商店街で誕生した家具工房。復興のために補修道具や木材を提供し、自由に使える「地域のものづくりの場」としてスタート。被災直後の現場でも対応できるよう、製品の材料には耐久性と強度があり加工性に優れた2×4規格のレッドシダを使用した。

また、製品の多くは地元の人たちとのワークショップを通して生まれ、被災を背景に生じた材料と技術の制約が、シンプルで機能的かつ温かみのあるデザインになっている。

一連の取り組みが国内外のメディアより注目され、2012年には「グッドデザイン賞」を受賞。現在では、復興のためだけでなく、デザインの力でDIYの可能性を広げる「DIYメーカー」として、また地元の人々が自立運営する小さな産業として成長している。

ブランドがストーリーを語り続けることは重要で、震災の記憶が、石巻工房のブランドを通じて残り、未来に伝えていくブランドになると良いと芹沢さんは言う。

大量消費社会の中で、スツールが一つ一つが手作りされ簡単に手に入るものではないからこそそれが大切に使われることで可能になっていくのではないかと考える。


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