夜の抱擁

昼間 微笑みの下に隠してきた。

鈍感なふりをして。投げつけられた 他愛ない言葉の傷跡。

握りこんだせいで ひきつった私の右手。

自分のせい。 社会人として手を尽くしていなかった。

私の落ち度。

そうやって納得してきたつもりでも そのちくちくが痛くて 心が涙をながしている。

宵闇のまだ明るさを含んだ青色が 街の景色を塗りつぶしていく。

向き合わないことを 許してくれる。

わがままといわれても 自分勝手といわれても 私がたりてなくても 

わたしは わたしの心は。

言葉にできないその先を 闇はやさしく包んでいってくれる。

無条件に。


本当は 本当にはたいしたことがないの。

繊細すぎるのは 私の落ち度。


それでも それでも包みこんでほしい。

誰かに頼ることはできないから 宵闇に包みこんでもらう甘えを どうか

許してほしい。




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