劇場版ONE PIECE FILM RED

感想。
未視聴の方はご注意を。


エンターテイメントは娯楽。

しかしそれは安全な生活が保証された環境で成り立つもので、

そうじゃない生活の上では人々にとって"娯楽"を超え信仰に近いものとなる。

シャボンディでもブルックが神格化されていた。

大海賊時代を生きなければならない「弱き者」にとっての音楽

ウタ自身も「弱き者」


ONE PIECEは、
大海賊時代とは
ただ海賊VS海軍の構造だけじゃない。


連載序盤はただ真っ直ぐな男・ルフィと愉快な仲間たちが立場問わず悪い奴、嫌な奴をぶっとばしてくれる爽快なアクション漫画

しかし連載が長くなるにつれて
ルフィがぶっとばす相手の地位、ルフィの地位、ぶっとばしたことによる世界への影響がどんどん大きくなっていく。

同時に「世界」の描写も詳細になる。

麦わらの一味はONE PIECEの世界の中で極めて異質な存在

世界を構築する人間の大半は
あれほど真っ直ぐに己を貫けるわけでもなく、
戦いを選べるほどの武力もなく、
麦わらの一味とは出会わず、
海賊に怯え、海軍に支配され、天竜人を畏れる弱き者

大海賊時代にあるべき側面。
それがウタ(音楽)とファン(力なき民衆)。


ただこれは劇場版ONE PIECE「ウタと音楽の島」とか「ウタと麦わらの〜」とかじゃなく

赤髪海賊団の一味としてのウタとシャンクスの物語だから「FILM RED」。


本編で描ききれてない部分を詰め込んで詰め込んで詰め込んで、それでも尚40億巻で補足してくれて
これ以上ない"劇場版"の"ONE PIECE"だと思う。

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