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私が鍼灸師になったワケ

私が社会人なのに鍼灸学校の受験を決めたのは、20代半ば。失恋して、このまま食べられず眠れない状態が続いたら死んじゃうんじゃないか、と思いつめたのがきっかけでした。

このままだと死ぬ‼
誰も私のことを知らない新しい場所で、(興味はあったけど無理だと思っていた)新しいことを始めて、新しいつながりを持って、一からやり直そう。
じゃないと死んでしまう‼

仕事は1月いっぱいで退職することが決まっていたものの、1月に専門学校を調べたら、当然2次募集しかない。募集人数も少ない。受験日は2/14・15。

2週間しか受験勉強ができない。受験科目に数学が入っていたら間にあわないから、にわか勉強でも乗りきれそうな英語と国語と小論文だけのところ。昼間は働いて家賃や食費を捻出しなきゃいけないから、夜間部。夕方18時授業開始のところ。

・・・そんなせっぱつまった危機のど真ん中、夢をみました。白いこじんまりとした建物。ああ、ここに行くのかー、という夢。

見学に行った専門学校がまさに、そんな立地・ビンゴな建物。受験料ももったいないので、1校のみ受験。でもここに行くんだろうという不思議な確信がありました。

なんとか1次試験は突破して、2次試験の面接。
「夜間部は厳しいですよ。仕事と両立できますか?」
「無理ですね」
「・・・」
「そう思い、1月末で退職しました。3年間は9時~17時のアルバイトに切り替えて働くので問題ありません」

失恋の涙目を、真剣なまなざしととっていただき、なんとか2次も合格。

「・・・それで?」
「うーん、なにが言いたいかというと、やりたいことを定めてから進路にあわせた勉強をすることが大事ってことかな。お母さんは漫然と大学に行っちゃったからね。キミは女の子だし、保育士なら短大も専門学校もあるからよく考えてみたら」

それまで素行では心配かけたことなかったのに、あの日号泣しながら電話してしまった母には、頭があがりません。・・・というのは、娘には内緒。

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