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インド映画とひと口に言っても

 さて、インド映画と言いますとちょっと知ってる方は「ああ、ボリウッド」と返します。「インド映画=ボリウッド」のように一般的には思われています。

 しかし、それは違います。

 インドは多言語国家です。

 必然的に言語別に映画業界が存在します。

 その中で代表的なものが「ボリウッド(ヒンディー語)」「コリウッド(タミル語)」「トリウッド(テルグ語)」と言われるものです。他にもカナンダ語とか色々あります。

 ざっくり言うと、「パスタ」(インド映画)の中に「スパゲッティ」(ボリウッド)、「マカロニ」(コリウッド)、「リングイーネ」(トリウッド)などが含まれている、と言った感じでしょうか。

 北インドのヒンディー映画、ボリウッドが有名になったのは、積極的に海外に売ってきたからでしょう。海外に出しているからこそ「インド映画=ボリウッド」と言うイメージがついたのかな、と。

 歌って踊ると揶揄される(これ、イギリス人にも「歌って踊るんでしょ」って言われました)インド映画ですが、以前はそうだったかもしれません。しかし最近はその傾向は減っていて、特にヒンディーは減っているように思えます。(統計取ったわけではないので正確ではありませんが)

 南インド(タミルやテルグ映画など)のほうは、まだ歌に踊りのミュージカルシーンが多い方かもしれません。

 とはいっても、南インドでも歌と踊りの少ないものも作られています。バーフバリのバラーラデーヴァ役ラーナーさんが出演している「インパクト・クラッシュ(原題 The Ghazi Attack )」は国歌しか歌は出てきませんし踊りません。

 北であれ南であれ、昔ながらの歌って踊るものも作ってますし、そうではないものも作っています。バラエティに富んだ映画を制作しています。

 さて、なぜ歌と踊りが入るのかについてはいろいろ意見があってどれが正しいかは分かりません。しかし、ひとつ言えるのはインドの方々にとって歌とダンスはとても大事なものです。

 歌については、物語の言わんとしていることを歌に託していたり、登場人物の心情を歌っていたり、ととても大事な役割を担っています。歌が出てきたら、ぜひ歌詞にも注目してみてください。

 ちなみに、一部を除いて歌はプレイバックシンガーと言われる専門の歌手が歌っています。俳優さんは口パクです。

 そして、主役級のインド人俳優は踊れる人がほとんどです。吹き替えではなく本人が踊ります。

 「やっぱり踊るんじゃん!!」と思われたかもしれませんが、はい、踊ります。ダンス好きのインド人が見るわけですから、俳優のダンスレベルはかなり高いです。どうぞダンスも楽しんでください。

 テルグ映画俳優のアッル・アルジュンさんのダンス動画です。インド映画では、YouTubeにダンスだけの動画が公式で上がってたりします。

 ちなみに、作品本編に出てこないのに、わざわざダンス動画を作ったりもするみたいです。ちょっとびっくりしました。

 日本でも上映された「ダンガル」のダンス動画です。

 以上のように、インド映画は多種多様です。それはハリウッドで色んな映画を作られているのと同じです。先入観にとらわれず、あらすじや俳優など心に留まった映画をぜひ手に取って見てみてください。

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