独断と偏見インド映画紹介(1)
前に投稿した「なにを見よう。」
は、おすすめインド映画の記事で多く取り上げられるもののランキングにして羅列しただけのものでした。
今回は、完全に私の独断と偏見によるインド映画を紹介したいと思います。
ご紹介するものは、現時点(2020年2月29日)において「日本で入手・視聴可能なもの」になります。そして、私が見たことのある作品と言う縛りなので、有名な映画でも記載のないものもあります。
大娯楽映画(6作品)
映画とは元々が娯楽性に富んだものですが、その中でも非常に娯楽性が高く、楽しめる作品。
★ムトゥ 踊るマハラジャ
20年ほど前にインド映画ブームを巻き起こした娯楽作品。スーパースター・ラジニカーントが主役。タミル語映画。
ムトゥはお屋敷の若旦那様に信頼され周囲の人たちからも親しまれる、腕っぷしが強く明るく気の良い使用人。そのムトゥと若旦那様がひとりの旅劇団の女優ランガに惚れてしまったところから始まるドタバタロマンスコメディ...だけでなく、ムトゥの出生の秘密などもあり、笑いあり、涙あり、心温まる場面もあり、と見て楽しめる1本。
現時点でYouTube、Google Playでも見られます(有料)。
★恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム
「キング・オブ・ボリウッド」の名をほしいままにしているシャー・ルク・カーンの作品。そして今や大スター女優と言ってもいいディーピカー・パードゥコーンのボリウッド初出演作品。ヒンディー語映画。
脇役俳優オーム・プラカージュ・マッキージャのあこがれはスター女優シャンティプリヤ。とある出来事から仲良くなったふたりだったが、悪役ムケーシュの策略で命を落としてしまう。そして30年後転生したオーム・カプールが自分の前世の事を知って復讐に身を投じることに。
見どころは、鮮烈な美しさのディーピカとオペラ座の怪人などのミュージカルを彷彿とさせるメインナンバーなど。とは言え、私は下のダンスナンバーが好き。
こういうのと、オペラぽいのと色んなダンスシーンが見られるのはインド映画らしい。
★チェイス!
インドの国宝アーミル・カーン出演作品。これインドの原題は「Dhoom 3」といい、Dhoomシリーズの3作品目。そうは言っても、この作品だけで話は分かるようになっている。ちなみに、Dhoomシリーズの主役はアビシェーク・バッチャン。ヒンディー語映画。
サーカスの団長サーヒル(アーミル・カーン)の視点をメインに、インドからシカゴ市警に呼ばれたムンバイ警察のジャイ(アビシェーク・バッチャン)とアリがシカゴで起きた金庫破り事件の真相に迫る。
あらすじが短すぎますが、ミステリーなので多くを語ると完全にネタバレになってしまうので。
見どころは、ミステリーなので当然トリック。ストーリー運びも見事。映像もスタイリッシュでかっこいい。娯楽作品としてかなりパーフェクトな1作。
★ハッピーニューイヤー
シャー・ルク・カーン主演作品。脇を固める俳優の中にアビシェーク・バッチャンの名前も。そして、キュートなディーピカ・パードゥコーンがヒロイン役。ヒンディー語映画。
主人公チャーリーはストリートファイター(賭けボクシングの選手)で生計を立てている「敗者」。チャーリーの父は大富豪チャラン・グローヴァ―によって窃盗の罪を着せられ収監されていた。その復讐のため、彼が所有する超高額なダイヤモンドの窃取をもくろみ、各部門のプロフェッショナルでありながら「敗者」の人間を集める。そして、ダイヤを盗むためにはワールド・ダンス・チャンピオンシップに出場する必要があると分かったところから、ダンスは素人の彼らがチャンピオンになるためのあの手この手の作戦が繰り広げられる。はたして彼らはダイヤモンドを盗めるのか?チャーリーの復讐は遂げられるのか?
見どころは…バカ、バカ、めちゃくちゃバカ(褒めている)。いろんなモノのパロディをちりばめているけれど、そもそもが脚本自体がオーシャンズ11っぽいという。パロディ、コメディとドタバタした笑いを中心にすすめながらも、復讐劇と言うシリアスさも入っている。見ていてバカ楽しい1作。
いま(2020年3月8日現在)、見ることが出来るのは「Netfilix」になります。
★マッキー
バーフバリを撮ったS.S.ラージャマウリ監督作品。バーフバリの成功によって見直され、あまりの面白さに復活上映・Blu-rayやDVDの再発売がされた作品。主演はナチュラル・スターのナーニ。悪役にバーフバリでカメオ出演(バーフバリ伝説誕生でカッタッパに武器を売る武器商人)したスディープ。基はテルグ語映画だが、日本で日本語字幕で見られるものはヒンディー語になる。
ジャニはヴィンドゥに恋する青年。色々ヴィンドゥにアプローチをするジャニだったが、彼女の反応はつれない。だが、実はヴィンドゥはジャニに好意を寄せていた。そんなある日、ヴィンドゥを見初めたスディープはジャニに嫉妬し殺害する。そして、ハエに転生したジャニの復讐劇が始まる。
見どころは、思いっきりハエ。ハエのどアップもあるのに嫌悪感を抱かせず、なんなら可愛いとさえ思わせるところ。えげつない復讐の数々もついつい応援してしまう展開が凄い。面白すぎる。
★あなたがいてこそ
マガディーラ(S.S.ラージャマウリ監督)でも主人公の友人として印象的な演技をみせたスニールが主演。S.S.ラージャマウリ監督作品。テルグ語映画。
主人公ラームはある日仕事を首になってしまう。そこへ亡き父は広大な土地を持っていて、自分はその土地を継いでいることを知り、ラームはその土地を売ろうと父の故郷に行く。ラームを村の実力者は歓迎して屋敷に招き入れるが、ラームが抗争相手の息子と知った実力者たちは彼を殺害しようと目論む。だが、神聖な屋敷の中で殺生をしてはいけないことから、何とかしてラームを屋敷から追い出さなくては殺すことが出来ない。追い出されたら殺されると知ったラームとの攻防が繰り広げられる。
見どころは、攻防戦だけでなくコメディ映画らしい面白い表現・演出。とにかく楽しい、面白い。
胸に来る作品(2作品)
感動するのは多くの映画において当然あるのだが、ここではその中でも胸に来る作品を紹介。
★神様がくれた娘
ヴィクラム主演、弁護士役にバーフバリでデ-ヴァセーナを演じたアヌュシュカ・シェッティ、ビッジャラデーヴァを演じたナーサルが出演している。タミル語映画。
6歳の知能しかもたない青年クリシュナは亡き妻との間に娘ニラーをもうけ、周囲の助けを得ながら大切に育てていた。ニラーが5歳になったとき、妻の父が孫(ニラー)の存在を知り、クリシュナの元で育てさせることは出来ないとニラーを連れ去ってしまう。クリシュナは再び娘と共に生きることが出来るのか?子供にとって何が幸せなのか?
見どころは、これを書きながら泣いてしまうぐらい感動的なところ。とは言え、コミカルなシーンも多く気負わずに見ることが出来ます。
あまり流通していないのかAmazonでも新品は5000円越え中古で900円ぐらいでした。レンタルビデオなどにはまだあるかと思いますので、そちらをご利用の方は機会がありましたら見てみてください。
★めぐり逢せのお弁当
インド・フランス・ドイツ合作なので、厳密にはインド映画とは言えないかもしれませんが、舞台はインドでインドの社会を背景に描いていることから入れました。演技派イルファン・カーン主演作品。ヒンディー語。
サージャンは真面目で気難しい早期退職間近の独身男性。イラは夫との関係が冷え切った専業主婦。彼女は夫との仲を取り戻そうと、心を込めてお弁当を作っている。インドでは、夫が出勤した後に妻がお弁当を弁当配達屋に頼んでお弁当を届けてもらう仕組みになっており、イラも弁当配達屋に配達を頼んでいた。その弁当配達屋がある日から間違ってイラの弁当をサージャンに届けるようになってしまう。そこから始まるサージャンとイラのストーリー。
見どころは、フランスやドイツが入っているからなのか分からないが、アンニュイな色合いと展開が話に合っている。淡々と紡がれていく二人の関係と動いてゆく心の描写が素晴らしい。
以上8作品ご紹介いたしました。
あまり長いと読むのも大変だと思いますので、いくつかに分けたいと思います。全部書き終わりましたら、アクセスしやすいようにリスト化したものの投稿も考えています。
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