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不妊治療vol.1-顕微授精に至るまでの話

不妊治療を始めてかれこれ2年半が経つ。

不妊治療は辛いと聞いていたけれど、私はさほど精神的辛さを感じていない。辛くはないが、大変やなって思ってる。その大変さは、想定していない角度からだったので、それを何回かに分けてご紹介しようと思う。

vol.1は、私が今までどんな不妊治療を行ってきたかをご紹介する。

今後のラインナップ(予定)

今後は、以下のラインアップを考えている。

vol.2 不妊治療とフルタイムで働くことの難しさ

vol.3 不妊治療と男性のアイデンティティーについて

vol.4 病院選びが意外と大変

まずは、vol.1の私の不妊治療についてご紹介します。

治療開始時の私の状況

結婚したのが、2018年7月。当時38歳だった。高齢出産と呼ばれる年齢(35歳以上)を軽々オーバーしていたので、即座に婦人科にかかった。

そこで、女性の不妊原因あるあるでおなじみの多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)と診断された。

これは、ホルモンバランスの乱れにより、排卵しづらくなり、結果妊娠しなくなるという現象をもたらす。

以前から不正出血をよくしていたので、だろうなって思った。

この疾患は、薬を飲めばホルモンの分泌をコントロールできるので、そんなにピリピリすることでもない。


ステップ1:タイミング療法

ここで、私の年齢からすると一刻も早く妊娠を行ったほうが良いとのアドバイスをもらい、不妊治療ステップ1のタイミング療法を試みることになった。

これは、女性の排卵日を予測して、絶妙なタイミングで性行為を行うことにより、妊娠確率を上げるという方法だ。

これを、確か5〜6回くらい行ったが、妊娠に至らなかった。

この時点で、医師から次のステップに切り替えたほうが良いとアドバイスをもらった。


精子検査

さらに、医師からもうひとつ進められたのは、夫の精子検査を行うということだ。

この精子検査は、タイミング療法をする前のタイミングでも一度進められてはいたが、夫は若いので、問題があるとしたら私の方だろうと勝手に判断してしまっていた。

今から思うと、あのタイミングで検査をしておけば良かったなぁと思っている。まぁ、けど、今更考えても仕方ないよね。

そう、不妊治療って落ち込めるタイミングは山程ある。

私達は妊娠がしたいのであって、落ち込むために不妊治療をしている訳ではないのだ。だから、どんなけ感情をフラットにして諦めないかが不妊治療の一番のポイントなのではないかと思っている。

夫の精子検査をした結果、精子の量が自然妊娠ができる量に全く達していないことがわかった。

精子の状態は、ストレスなどその時どきでムラがあるようなので、一度の検査で結論付けられるものではない。それと病院を合計2回変わっているということもあり、その後、精子の運動状況を見る検査をはじめ、5回くらいは検査をしたが、いずれも自然妊娠が望める量に達することがなかった。


ステップ4:顕微授精に飛び級

私:多嚢胞性卵巣症候群

夫:精子がめちゃくちゃ少ない

この2つが揃ったら、不妊治療の方針は一択しかない。

顕微授精である。

タイミング療法を行っていた病院は、不妊外来ではなく、産婦人科だったため、ここで不妊治療を行う病院へと移った。

ステップ2:人工授精について

不妊治療って一口でいっても夫婦の状況によって様々なアプローチがある。

一つが先程ご紹介したタイミング療法で、これでうまくいかなかったら、ステップ2として人工授精がある。

人工授精は、排卵のタイミングに合わせて、子宮内に洗浄し濃縮した精子を注入する手法である。

これは、精子に問題がない場合に行われるので、私達夫婦の場合はこの方法を試したことはない。


ステップ3・4:高度生殖補助医療で去年まで思っていたこと

ステップ3・4で現れるのがART(高度生殖補助医療)という自費診療の領域になる。

この高度生殖補助医療は、まぁーお金がかかる。自分の金銭感覚が麻痺するほどに。

ちなみに、2021年1月1日以降は、この高度生殖補助医療について助成金の所得制限がなくなったのでかなり楽になったが、高度生殖補助医療を開始した当初は夫婦共働きだったので、所得制限の網にかかり完全自費診療だった。

所得制限とは、夫婦合算で730万円未満であれば助成金が受けられるというもの。

これには言いたいことがあった。

夫婦でフルタイムやったらこれくらいいくケースは多いんじゃないだろうか。

こんなことを言うと「稼いでるんやったら自分で払えよ」ってツッコミがきそうだ。確かにそう思う。

詳しくは次回お話しようと思うのだが、フルタイムで働きながら顕微授精をするってめちゃくちゃ大変。というか、かなり厳しいんちゃうかなって思うのだ。(体外受精も同じだと思う)

つまり、高度生殖補助医療を受けようと思ったら、妊娠する側の妻は正社員じゃなく、パートや仕事を辞めるかしているケースが多いのではないかと思う。

で、先程の所得制限というのは、便宜上昨年度実績とならざるを得ない。

そうすると、高度生殖補助医療を始める年は、所得制限に引っかかって自費診療というケースが多発しているのではないかと推測している。これ統計取りたかったなぁ。

長々と書いてしまったが、この所得制限は2021年1月から撤廃されたので、今やそんなこともあったなっていう過去の産物である。

話を戻す。

再びステップ3・4:高度生殖補助医療について

高度生殖補助医療には、体外受精顕微授精がある。

我が家は精子の関係があったので、迷うことなしの顕微授精だったが、通常はより自然妊娠に近い体外受精が選ばれるんだと思う。

体外受精は、卵子と精子を混ぜ合わせ、自然の力に任せて受精させる方法のことである。

妊娠するという現象を、子宮内で行うか、子宮外で行うかという違いだと思ったら理解しやすいかもしれない。

顕微授精は、不妊治療のラスボスだ。

その名の通り、顕微鏡を使って、精子を直接卵子に入れてもらう方法だ。

顕微授精はざくっと採卵編と移植編に分かれる。

採卵編は、卵子を取り出して、精子直接卵子に入れて、受精卵にするというもの。

移植編は、受精卵のうち、細胞分裂が行われ「胚盤胞」というドラゴンボールならサイヤ人に変化したものを再び子宮に戻し、着床させて、妊娠を判定するまでをいう。

ちなみにこの2つの分け方は私が伝えやすいように分けたものなので、あしからず。

この間、私と夫のスケジュールは、我が卵子の言うがままとなる。仕事が立て込んでいるとか、そんなものは卵子の前ではどうでも良いのだ。全ては卵子の成長具合なのだ。

この卵子>>仕事 の話は次回以降でお話しようと思う。

不妊治療ってうまく行かないと落ち込むのか

私達夫婦はこの顕微授精を4回行った。

まだ妊娠に至らずである。

顕微授精は1回につき長い道のりがあるのだが、妊娠しなかったという事実を聞かされることで泣いたりするのかなぁなんて最初は考えていた。

結果、ショックは受けるけど泣くほど落ち込むということは私達はなかった。

まだ全然育っていないうちに気がついたら卵子がなくなっているので、我が子が・・というほどの感情の高ぶりにならなかったというのが一点と、そもそも、落ち込んでても何にも良いことがないなぁと感じたのが一点。

この状況でできる最善策は前を向いてもう一回頑張ろうと言えることなのだ。こんなところで泣いてられっかよ。

っていう心境だった。

多分、妊娠が無事できたと確認されてからなにかあった方がそれはそれは精神的ショックが大きいだろうけど、私達はまだ妊娠すらしていないのだ。

今落ち込んでてどーすんねんだ。

今現在は夫が長期不在にしているので一旦治療を中断しているが、近々再開する予定である。


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