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ドイツの難民受け入れは美談でもなんでもない


*このコラムの執筆およびDMMニュースへの掲載は2015年です

ここ数年欧州を揺るがしている話題の一つは、現在ヨーロッパに大量にやってきている難民の受け入れ問題です。

日本だと外信ニュースでコッソリ報道されるだけなので他人事状態ですが、ここイギリスやヨーロッパ大陸諸国では、「日常の問題」になりつつあります。

ところで、そもそも話題になっている「難民」の定義を整理してみましょう。1951 年難民条約(Refugee Convention)の定義では、自分の国において、政治的、宗教的、人種的に迫害されており、他国へ逃げることを希望する人、となっています。

つまり、「難民」であると認定されるのは、母国で迫害されているかどうかがポイントになります。母国で殺されるとか、なんらかの理由で住めない人が、その理由を証明できない限りは難民として認められません。

ヨーロッパ諸国が揉めるのは需要と供給の問題

そもそもヨーロッパがシリア難民受け入れに難色を示している理由は、需要と供給の問題です。

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