偉大なる凡庸(「どうする家康」第44回)*54

家康は秀忠を関ヶ原の戦いに遅刻したことを責め、2人の仲は険悪であったが、秀忠に将軍職を譲ると告げる。秀忠は将軍として政を行う自信がなく、なぜ結城秀康(家康の次男で、秀忠の兄)に譲らないのかと疑問に思う。そんな時に、本多正信が秀忠に言ったことばです。

才があるからこそ
秀康様を跡取りにせぬのでござる。
才ある将が一代で国を栄えさせ、その一代で滅ぶ。
われらはそれを嫌というほど見てまいりました。
才ある将一人に頼るような家中は長続きせんということでござる。

その点あなた様は全てが人並み。
人並みの者が受け継いでいけるお家こそ、長続きいたしまする。
いうなれば、偉大なる凡庸といったところですな。

「どうする家康」第44回

 自信を持たせてあげているのか、けなしているのかはわかりませんが、江戸幕府が長く続いたわけが腑に落ち、悪知恵が働くと言われている本多正信の、古代中国の諸子百家に裏付けされた才能が垣間見えます。榊原康政のフォローも一緒に。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?