周囲の期待と自分の意思とのはざまで (凪良ゆう 『わたしの美しい庭』)*2

こんにちは、めい です。
今回は、凪良ゆうさんの『わたしの美しい庭』からのことばを投稿したいと思います。この本には、生きづらさを抱える人々が登場し、話の主人公が章ごとに移り変わります。
その中から、周囲からの期待に悩んだら、思い返したいことばのひとつを引用します。
(この章の)主人公のゲイの男性が、(親を安心させるために女性と結婚した)元彼である男性に言ったことばです。主人公の男性は、教師である両親に対して、ゲイであることを告白し、家を追い出されたという過去をもっています。

周囲の期待なんてものは、ひとつクリアしたら次が出てくる。ゲームのように終わりがない。
俺は早々に降りた。 親の期待に応えることは、自分自身を削ることだったからだ。もう無理だと親に土下座をした。俺にあなたたちの『普通』を期待しないでくださいと。それでもここまで育ててもらって申し訳ないという気持ちは消えず、多分、それは一生俺が抱えていく荷物だろう。

(凪良ゆう『わたしの美しい庭』147ページ)

この続きも本当は引用したいくらい刺さった ことば ですが、長くなるのでここまでにしておきます。このストーリー(ことば)を通して、期待に応えるのも応えないのも、どちらにも正解はない。どちらにも正負の側面があって、それを踏まえた上で、自分で選んでいいんだと感じた ことば でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

凪良ゆう『わたしの美しい庭』(2019年、ポプラ社)

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