ピンとこない(辻村深月『傲慢と善良』)*34

辻村深月さんの『傲慢と善良』から、鳥肌が立ったことばを投稿します。インスタで紹介されているのを見て読みました。気づいたら、私の心がざわざわした箇所につけている付箋が、たくさんついていて、夢中になってました。
この本は婚活がテーマですが、真面目に生きてきて、生きづらさを感じている人にぜひ読んでほしいと思いました。

「ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です」(中略)「値段、という言い方が悪ければ、点数と言い換えてもいいかもしれません。その人が無意識に自分はいくら、何点とつけた点数に見合う相手が来なければ、人は、“ピンとこない”と言います。」

辻村深月『傲慢と善良』 112ページ

私は服や人に対して…「なんかピンとこない」って、よく言ってしまっています。自分の価値を高く見積もっているっていうところに、恥ずかしくなるというよりも、私が無意識にとっているその"傲慢"な態度にゾッとしたっていうか…。久しぶりに読みごたえがあったなと感じた本です。

辻村深月『傲慢と善良』(2019年、朝日新聞出版)

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