BS時代劇『螢草 菜々の剣』観て

ネタバレする気しかない

全7話、NHKBSの時代劇。
原作は葉室麟。
主演は清原果耶さん。
ジャンルは仇討ちもの。

内容はベタである。
人品良好の主人公菜々の仇討ちもの。

しかし、この作品の何よりの魅力は、主人公菜々を演じる清原果耶さんの演技だろう。
表情や目だけで菜々の心情を表現していて、菜々が周りの人に好かれるのもわかるわ!となる。
そして観ている自分も菜々を好きになってしまいます。
個人的な一番の名演は6話の後ろ姿。
主の風早が自分のために…とわかったところのあの後ろ姿は、なんかもうわかりすぎてつらい。
おほねさんが「なんで菜々ばっかり貧乏クジをひくのさっ」って、完全に「それなっ!なっ!!」となる。
それくらい観てると菜々が好きになってしまう。
また他の演者も良い。
死神先生の石橋蓮司、おほねさんの濱田マリ、主の妻役の谷村美月、家老柚木役のイッセー尾形、日向屋の本田博太郎等々、ステキな脇役。
何より、敵役の轟平九郎を演じる北村有起哉さん!!ほんっとに嫌なやつ!!な感じになるくらい名演!!
あと雪江役の南沢奈央さんも良いわぁ。嫌いになる「馬鹿な女」の演技が良い…!あまりに嫌な感じだから、最初南沢奈央さんだってわからなかった。
でも、見たらトヨが好きになっちゃうよね、わかるよ。

ここからネタバレ全開で。

6話で自らのために濡衣を自ら着ることにした主。それを知ってからの菜々の表情よ。
これまで、菜々は誰かのためにと行動し続けて、でもそれはウケ狙いとか、自己犠牲とか、そういうことではなくて、本当にその人に幸せになってほしいと思ってやってるのが、わかるんだわ。清原果耶さんの演技が良くて。「他人の幸せ=私の幸せ」みたいな。
それが、自分のために主が罪を着せられたと知ってから、菜々が自分のために、本当に自分のために動きはじめる。
今まで菜々を知ってる人たちは、菜々のために何かしてやりたいと動いて、そして最終話のサブタイトル「いのちの剣」ですよ。
白装束の菜々が敵役の轟と立ち合うわけなんだけども、そうなったら「いのちの剣」ってさ、なんかもう刺し違えるみたいなのも考えちゃう。
けどさ、違うのよ。
ここの「いのち」って、菜々が結んだ人の縁のことで、それが敵を討つ!
もうベタベタなんだけども、最後、菜々からこぼれ落ちる(本当に落ちる!)涙…。

内容は仇討ち時代劇で勧善懲悪というベタベタのベタですが、しゅきぃ…。
善人はとにかく善人に、悪人はとにかく悪人に。役者の演技がすばらしいです。
なんてったって清原果耶さんの名演が堪能できるのよ。
清原果耶さん、このまま女優やっていて欲しいなぁって思えるくらい、素晴らしい演技が楽しめる時代劇でした。

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