043 ENTJ①基本解説
こんにちは。今回はENTJについて解説します。
ENTJ
第1 Te
第2 Ni
第3 Se
第4 Fi
ENTJは、才能豊かなリーダーで、決断をくだす役割を果たします。あらゆる物事に素早く可能性を見いだし、目標達成を目指して他人に指図します。創意工夫に富む思想家で、長期に渡る計画を練るのがうまいです。
非常に論理的かつ分析的であるため、筋道を立てて物事を考えたうえで、知性を駆使して推理することができます。自分がすることすべてに、持てる能力を存分に発揮したいという思いが強いです。そのため、その時々の状況を分析して、どこが悪いのかをごく自然に指摘し、それをどう改善すればいいのかという解決策もすぐに提案できます。物事のあるがままの状態を受け入れるのではなく、状況を常により良い方向に改善しようとします。だから、きちんとしたシステムを構築して、それを完成させようと躍起になります。複雑な問題を解決する作業にも喜んで取り組みます。関心があることには、その技術を習得しようと懸命になり、くじけることがありません。ほかの何よりも真実を重視していて、論理的な根拠がなければ納得することはありません。
生来のリーダーで、率直で温かい態度で他人と接します。自分が関わったことには責任を持ちます。先を読む能力があり、自分の物の見かたをうまく伝えるため、組織をまとめあげる大きな力を持っています。どちらかといえば、厳しい規則があることを好み、それに従ってほしいと他人にも期待します。難題に挑戦する自分を叱咤しますが、他人にも同じことを強制する傾向があります。
新しい難題に挑戦したいという意欲が強いため、慌てて決断をくだしがちです。一度こうだと決めたら、できるだけ早く行動を起こそうと焦りがちです。
万事において理詰めで物事を押し通すので、強情かつ短気で、ぶっきらぼうな態度になりがちです。他人の思考や要求が論理的に考えた筋が通らなければ、冷淡で無神経な態度をとることもあります。無意識に行動すると、つい他人に批判的になってしまいます。それが続くと、威張り散らす横柄な独裁者だと思われてしまいます。
せっかちなので時間に余裕がないうえ、他人の感情に対する思いやりに欠けるとこらがあるため、寛容に接することができないことがあります。人生にも理詰めで考えるあまり、自分の感情さえも押し殺してしまうことがあります。こうして自分の感情を無視して表現しないままにしておくと、ある日 突然 感情の波に襲われ、些細なことに過剰反応しかねません。そしてまた、尊敬している人から、自分の能力を疑問視されると、感情を爆発させることがあります。
以上が、ENTJです。いきなりですが、偉人の名言をまずご紹介しましょう。『君たちの時間は限られている。だから、無駄に他人の人生を生きてはいけない。ドグマに捕われてもいけない。それは他人の思考とともに生きるということだから。他人の意見というノイズによって、あなた自身の内なる声と心と直感をかき消されないようにしなさい。』これはAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズが、晩年にスピーチで残した名言です。ドグマとは教義という意味ですが、もっと踏みこむと、『独断的な考え』という意味になります。ENTJは、強固な意志と信念があり、生まれ持ったカリスマ性により、多くの人たちに大きな影響を与えることができる人です。
第1にTe、第2にNiがあることにより、非常に全体主義です。全体主義とはどういう意味かというと、より多くの人たちに影響を与えることを好みます。自分が素晴らしいと思ったアイデアは、自分だけのものにせず、ぜひとも まわりの人たち、いや、できれば世界中の人たちに知ってほしいと考え、実際に行動に移します。もうこれだけですごいパワーがある人だということが分かりますね。ESTJと同じで『こわい』と言われがちなENTJですが、ぶっ飛び機能のNiがあるぶん、ESTJよりも理解されづらいです。Teがあるので、社会に非常にうまく馴染みますが、Niがあるので、かなり先の先まで読むため、他人と視点が異なります。ESTJはSiがあるので保守的で慎重ですが、ENTJは革新的で大胆です。ESTJがとても大切にする『現状維持』を、ENTJは嫌います。ENTJにとって『維持」は『停滞』であり、『停滞』とは『怠慢』なのです。ENTJは改革が何より好きです。どちらとも、優れたリーダーになり得ますが、リーダーとしての方向性が違うことが分かりますね。
ENTJのことを、わたしは『ラスボス』と呼んでいます。これは誤解してほしくないのですが、良い意味で呼んでいます。ドラゴンクエストなどの王道RPGのラスボスを思い浮かべていただきたいのですが、彼らラスボスにはこのような特徴があります。
●非常に大きな目標があり、それは世界中に影響を与える(世界征服だの世界滅亡だの)
●一癖も二癖もある部下から異常に慕われている
●感情ではなく論理で判断する
●ラストダンジョンの深奥部で、主人公たちが来るまで律儀に待っている
これらの特徴が、ENTJなんですよね。ラスボスって、とにかく目標が壮大なんです。当たり前なんですけど。だってそうじゃないと、主人公に倒される理由がなくなるので。冒険が始まらないし、物語が動かない。小さな目標のラスボスって見たことないです。このように、どうしても その性質上、ENTJはよく創作物のラスボスとして使われます。次がINTJでしょうね。
でもこれが悪ではなく善の方向になると、すごいカリスマ性のリーダーが爆誕するわけです。iPhoneとかつくっちゃったりして、時代をガラッと変えちゃうンですよ。そこまでいかなくとも、組織の中でやたら存在感があり、変化を恐れず、どんどん改善していこうとします。
とにもかくにも目立ちますので、慕われると同時に、敵もつくりやすいです。ENTJのすごいところは、自分が嫌われても良いと思っているところです。全体主義であるというのは前述した通りですが、全体の目標のためなら、いざというときに、人間の感情を犠牲にしてもいいと判断します。その犠牲となるものは、他人の感情はもちろんですが、最終的には、自分の感情が犠牲になってもいいと思っています。そもそも、自分の感情に意識を向けたことがないのです。大いなる目標を達成するために、個人の感情への配慮を捨てたとも言えるでしょう。『自分がたとえ他人から嫌われても、それが何だというのか?それで未来において、大きな目標が達成されるのであれば、喜んで嫌われ者になろう。』という感じです。
素晴らしい改革者ではありますが、最大の盲点は、Niによる『私が絶対正しい』という無意識の思いから、皆もそうであるべきだと、相手にも強制するところです。誰もが改革を欲しているわけではなく、与えられた日常を、ささやかながら愛している人もいるわけです。ENTJの目には、それすら怠慢にうつることがあり、怠惰であると他人を非難しがちです。特に仕事においてはその姿勢が出やすく、一切の妥協を許しません。しかし、ささやかに生きることは、怠慢でも怠惰でもありません。仕事に目標や熱意がなくとも、迷惑をかけていないのであれば、批判される理由もありません。その人には仕事ではなく、別の何か大切なものがあるだけです。人生において、何を大切にするかという、価値観が違うだけです。目標を持たず生きることは、愚かではないし、それを愚かとしたら、世の中が愚かな人だらけになります。Fiが第4(劣等)にあることにより、自分とは違う他人の価値観を理解することに、ENTJは非常に苦労します。幸い、第3にSeがありますので、これが発達してくれば、上記のような偏った理論ではなく、経験にもとづいた現実的な知見を身につけていきます。ENTJは、若い頃は、他人からのフィードバックを嫌いますが、Seが成長してくると、逆に他人からのフィードバックを求めるようになります。
最後に、ENTJを表す曲の歌詞をどうぞ。
花吹雪乱れ散る中
浮かれる者などいない
たとえ己が倒れようと
志だけはつないでゆく
勝敗をまたひとつ
噛み砕いてツワモノは走る
ゴールはここじゃない
安住の地などない
泣けど続く人生
あなたは先のほう
ずっと先のほう
手を触れたいなら今はTRY
ゴールはここじゃない
まだ終わりじゃない
止むことのない歓声
今日を生きるため
明日を迎えるため
誇り高きスピードでTRY
『兵、走る』B’z
今回はここまで。次回もENTJです。
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