乃木坂46 9thバースデーライブの個人的な感想を書き綴ってみた話

---会えなくても繋がっている---

誰かが言い始めたこの言葉は、2020年という未曾有の危機に見舞われた私達にとって合言葉のようなものだった。

そしてこの言葉は同時に会えないことへの"言い訳"でもあった。

本当に会えなくても繋がっていることなんてそうそうない。

けれども、2021年2月23日。

私達は会えない中で確かに繋がっていた、そう断言できる。

-----------------------------------------------

9thバースデーライブ

乃木坂46というグループが結成されてから9年が経ったことをお祝いするライブ。

乃木坂46のライブの中でも特に大切なこのバースデーライブは全曲披露や2会場同時開催などたくさんの試みを行ってきた。

同時に、橋本奈々美や西野七瀬など偉大なメンバーが卒業していったライブでもある。

今まで当たり前のように行われていたバースデーライブはコロナウイルスによって初のオンライン配信ライブとなった。

昨年は、メンバーの一部がコロナウイルスに感染するなどもあり一歩間違えれば開催そのものが危ぶまれていたかもしれない。

配信とはいえバースデーライブが開催されて本当によかった。

そして、今回のバースデーライブは乃木坂46初期を支えてきたたくさんのエース達、生駒・西野・白石。彼女達が皆卒業して迎える最初のライブだ。

また、2期生としては唯一表題曲のセンターを務めた堀が参加する最後の全体ライブでもある。

乃木坂46として新たな第一歩を踏み出すライブとなった。

ライブは、乃木坂46初めてのシングルである「ぐるぐるカーテン」から始まった。

2曲目には「インフルエンサー」を3期生の与田と山下のコンビがセンターを務める形で披露。

西野と白石のダブルセンターで、乃木坂46が初めてレコード大賞を獲得したこの楽曲。

乃木坂46の新しい姿を早速披露した。

その後は、「シンクロニシティ」・「何度目の青空か」・「帰り道は遠回りしたくなる」・「君の名は希望」と、乃木坂46 にとって大切な曲が立て続けに披露された。

中でも、シンクロニシティでは卒業した白石に代わり3期生の梅澤がセンターを務め他のだが、彼女の高身長も相まって圧倒的存在感を見せつけた。

1・2期によるワチャワチャとした微笑ましいMCを経て、ライブは期別楽曲へと突入。

新4期生の5人を迎え、昨年末には4期生単独ライブを開催した4期生は「夜明けまで強がらなくていい」・「キスの手裏剣」、そして最新シングルに入っている「Out of the blue」を披露した。

夜明けまで強がらなくていいでは、布と風、カメラワークを駆使した配信ライブならではの演出を見せた。

キスの手裏剣では、披露された当初に比べ落ち着きを見せた4期生の姿が伺えた。表情に余裕があり、カメラサービスなどもより洗練されたように感じた。

新曲Out of the blueでは終始楽しそうな雰囲気をみせ、私も画面の前で思わず猫パンチダンスを踊ってしまった。

期別コーナーは3期生に突入。

大園・与田がセンターを務める「逃げ水」を披露した。

5年目を迎え、すっかり乃木坂の中核となった3期生。

皆が大人になっていく中で、未だに誰ひとりかけることなく全員揃っているのは本当にすごいことだと思う。

逃げ水でのカメラサービスや落ち着いたダンスを見て、これからの乃木坂46を牽引する存在なのだと改めて感じた。

2曲目には岩本がセンターを務める「トキトキメキメキ」を披露。

バックの映像とシンクロするなど様々なギミックが仕込まれ、こちらも配信ライブならではの展開を見せた。

最後には、乃木坂46時間テレビ以来であり乃木坂46のライブとしては初披露となった「Brand new days」を披露。

最新シングルでもフロントを務める久保がセンターの楽曲で曲終盤では3期生メンバーが1人1人カメラサービスをするなどの仲の良さを見せた。

期別コーナーも折り返しを迎え、最後のバースデーライブとなる堀を擁する2期生のコーナー。

「バレッタ」から始まった2期生のコーナーは圧巻の一言に尽きる。

ライブ演出、曲構成、そしてメンバーのパフォーマンス。

決して不遇なんかではない圧倒的2期生の魅力がそこにはあった。

バレッタに続いては「アナスターシャ」を披露。

25枚目シングルに収録され、佐々木琴子の卒業楽曲となったこの楽曲は当時多くのファンの涙を誘った。

3・4期生がカメラサービス旺盛なのに対し、2期生は大人の落ち着きを見せ、儚さ・透明感・可憐さを見せつけた。

驚かされたのは最後に披露された「ライブ神」

最初に流れた時にはゆっくりと咲く花ではないのかと少し落胆したものの、録画ではなくライブ配信でカメラエフェクトを使いメンバーの輪郭をぼやけさせてブラす演出や、声をダビングしてループ再生する挑戦的な演出、ライトの使い方には度肝を抜かれた。

相変わらず歌詞の意味はイマイチわからないが、非常にカッコイイ楽曲だった。

そして最後は、昨年に井上・白石・中田が卒業したことにより残り8人となってしまった1期生。

少人数ながらに初期から乃木坂46を支え続けた彼女達のパフォーマンスは原点にして頂点、1人1人のオーラや存在感が段違いである。

最初に披露したのは「制服のマネキン」

数々のプロジェクションマッピングを駆使した演出がある中、私が思わず感動したのは2点。

Cメロ後のダンスパートで生田・星野のフロント組を除く6名が召喚したのはホログラムの人影。

これは卒業していった1期生達を彷彿とさせた。

そしてラストのサビでは佇む生田・星野の後ろのモニターにこの楽曲のセンターを務めた生駒の姿が...

目頭の熱くなる展開だった。

2曲目には、御三家と呼ばれ伝説のメンバーと呼び声の高い卒業メンバーの橋本奈々美の卒業シングルとなった「サヨナラの意味」を披露。

この時点で涙腺は決壊したが、橋本のポジジョンを斎藤、西野のポジションを高山、白石のポジションを松村が務めることで涙は止まることなく溢れた。

最後は「Against」が流れるかと思ったがこちらは別途開催の期別ライブまでお預けなのか「狼に口笛を」披露した。

最初のMCでどこかで動物が出てくるとのことだったが、この楽曲で狼ダンサーが登場。

TwitterではMAN WITH A MISSIONもどきと話題に。

この楽曲は公式お兄ちゃんを務めるバナナマンが好きなダンスと公言しており、ファンの人気も高い。

ここで、期別コーナーは終了し3・4期生によるMCに入った。

意外だったのは、MCとして回し役を務めたのが3期生の向井だった点だが普通に上手だったのでこれからもどんどん活躍してほしい。

ここからはVTRに突入し、この1年を振り返りつつ都度曲を披露する形となった。

まず昨年コロナ騒動ギリギリに開催された8thバースデーライブに始まり、2期生ライブの中止や白石の卒業コンサートの白紙など様々な出来事を振り返り、2020年唯一のCDシングルである「しあわせの保護色」を大園センターで披露。

シンクロニシティの梅澤センターといい、白石を慕う後輩が後続としてセンターを務める姿はファンにとっても感動的である。

続いて、期別コーナーでは披露れなかった2期生楽曲「ゆっくりと咲く花」が披露された。

開催が中止となり、配信での披露となった幻の2期生ライブ。

当時を思い起こし涙するファンも多かったのではないだろうか。

その後VTRは続き、1度目の緊急事態宣言によって人に会えない日が続く中、何か自分にできることはないかと探し求めて全メンバーが自宅でのMV収録を行い、多くの卒業メンバーが再度集結した配信楽曲の「世界中の隣人よ」を披露した。

会場全体を使った配信ならではの演出やソーシャルディスタンスを意識した距離の空いたパフォーマンス、そして斎藤による医療従事者へのメッセージには心を打たれた。

しかし、1点どうしても笑ってしまったのは曲中に与田がスマホを持っていること。

与田といえばライブの際、腰にスマホを挿したままパフォーマンスを行ったことがあったので、思わず狙っているのかと思ってしまったファンはきっと私だけではないだろう。

VTRはゆっくりと咲く花のMV撮影やリモートでの近況報告会の映像、映像研やミーグリへ。

私がすごく素敵だと思ったのは「ぜんしんが始まった」という言葉。

この言葉は前に進み始めたとも取れるし、体全体が動き始めたとも取れる。

そして楽曲は約2年ぶりに音楽業界への復帰を果たした小室哲哉が作曲を手がける「Route246」へ。

WowWow過多など様々な批評があった楽曲だが、個人的にはダンスも踊りやすく衣装も乃木坂カラーでカッコいいので結構気に入っている。

何より、バナナマンの日村さんを見てからGetWildを大好きな自分にとって乃木坂46と小室哲哉、バナナマンが繋がった気がして嬉しい。

その流れで昨年の高校生クイズのテーマソングとなった「明日がある理由」を披露。

岩本がセンターを務めるこの楽曲は1期生ら先輩が後輩を後ろから見守るイメージがあり、ほっこりする印象が強い。

サビでの生田と堀によるちょっとした小芝居も微笑ましい。

私的にサプライズだったのは次に披露された「ファンタスティック3色パン」。梅澤・斎藤・山下の映像研トリオが歌うこの楽曲は実写映画の映像研でも主題歌にも採用。

間奏では、3人が劇中のキャラに戻り、Blu-rayの発売を宣伝。

後ろでは終始映像研の映像が流れた。

VTRも終盤に差し掛かり、白石の卒コンや4期生の単独ライブについて触れる中披露されたのは、昨年楽曲のSMAPっぽさから白石の卒業シングルよりもYoutubeで再生され、1700万再生を突破した4期生楽曲「I see」。

キャッチーなメロディーと踊りやすいサビ、埋め込まれた合いの手などアイドル楽曲として非常に完成されている楽曲で4期生の大躍進の一助を担った。

VTRでは、昨年末に有観客と配信で開催されたアンダーライブに触れ、アンダーパートに入る。

最初に披露されたのは、今回のシングルで3期生の阪口が初めてセンターを務める「口ほどにもないkiss」。

ちょっと強気な女の子を歌った非常に現代らしい楽曲で阪口のJK感にもマッチしている。

続いて披露したのは、2期生の鈴木がセンターを務める「自惚れビーチ」。

アンダー楽曲の中でも高い人気を博し、ライブでも定番の一曲。

この楽曲ではカメラの遠近を上手に利用することによってジャンプの度にアンダーメンバーが鈴木以外消える演出でファンを楽しませた。

アンダーパート最後の1曲は、「日常」。

青いスポットライトが鼓動する時点から私の手元のペンライトは青色に変わっていた。

2期生の北野がセンターを務める日常は強いメッセージ性と激しいダンスが売りで、中でもサビはファンの間でカメラマン殺しと呼ばれる怒涛のカメラワークを見せる。

自惚れビーチと同じくアンダー楽曲の中でも極めて人気が高く有観客ライブの際は、会場が青一色のペンライトで埋め尽くされることでも有名だ。

最後のサビ前の北野の微笑みには毎度毎度ハートを撃ち抜かれる。

VTRでは2021年を迎え、荒野行動でのバーチャルライブとタイアップで披露されたWilderness worldへ。

この楽曲では、パートを担当するメンバー以外が固まり続けるマネキンチャレンジに挑戦。誰か動いてしまわないかハラハラしないか見守っていた。

センターは斎藤が務め、しなやかなダンスは楽曲のコンセプトでもある女スパイの色気を全面に感じさせる。

VTRコーナーはここで終わり、一度MCを挟む。

1年を振り返ってトークを繰り広げる中で1期生の松村はファンとの思い出を振り返り涙ぐむ場面も。

ライブも終盤に差し掛かり、続いて披露されたのは「いつかできるから今日できる」。

あさひなぐとのタイアップで作られたこの楽曲は、映画と舞台、それぞれで主役を演じた西野・斎藤がセンターを務めていたが、今回は与田・山下が務めた。

次に披露されたのは、昨年卒業した1期生の中田のコールでお馴染みの「おいでシャンプー」。

メンバーのイチャイチャ感が楽しめる楽曲で、乃木坂で最も有名なコール曲でもある。

中田が卒業した現在でもやはり「ナカダカナシカ」は不滅なのだろう。

同時刻にはナカダカナシカがトレンド入りをはたした。

その後は、23rdシングルの表題曲「Sing out」を披露。

ライブでも人気の高いこの楽曲の魅力は、斎藤のソロダンスや乃木坂の楽曲にしては珍しいクラップベースの曲調だ。

乃木坂工事中でのヒット祈願のイメージも強く、多くの別バージョンMVが披露されたことから"繋がる"ということが強く意識される楽曲であり、配信ライブにぴったりな1曲と言える。

本編最後の楽曲披露の前に、最新シングルの表題曲でセンターを務める山下が今の心境について語った。

初センターでありながら、白石卒業後の乃木坂46表題曲でのセンターというプレッシャーがいかほどなのか私には測りし得ない。

決して楽ではない状況の中、山下から語られた言葉は心に強く残った。

(逃げちゃダメだ逃げちゃダメだと言い始めた時は思わずエヴァのシンジ君かと笑ってしまったが..)

そして、満を辞して披露された本編最後の楽曲であり、最新の26thシングル表題曲「僕は僕を好きになる」。

このライブの中では唯一のフル尺での披露となった僕は僕を好きになる。

個人的にはCメロの久保が歌う「ノートの上、書いてごらん」がたまらなく好きな曲だ。彼女がこれからの乃木坂46の歌唱力を支えてくれることを実感できる。

間奏では、メンバーからのメッセージが披露された。

紙吹雪がカメラにくっついてしまうなどライブならではのハプニングも起こる中、最後のサビでは、スタッフ一同からの「9回目のお誕生日おめでとう!これからも一緒に坂を登りましょう」というサプライズメッセージが。

メンバーとスタッフとの絆を感じるひとときだった。

アンコール1曲目はこのライブで全体ライブは最後となる堀がセンターを務める「そんなばかな・・」で始まった。

各メンバーが堀を囲み、ワンフレーズずつ歌う。

私は普段らじらー!をよく聞くので、星野のイメージが強く楽しい楽曲の印象が強いが、初めてこの楽曲を聴いていて悲しさや涙が溢れてきた。

ラストのサビでは堀がメンバーの作るアーチを抜けて同期の2期生の元へ、他のメンバーに囲まれながらお決まりの変顔で曲を締めくくった。

これを見られるのも最後かと思うと胸が締め付けられる。

次に披露されたのは卒業ではお馴染みの「ダンケシェーン」。

生田のソロから始まる中、卒業ライブではお馴染みの替え歌が。

「未央奈の暖かいその背中が好きだった」

やっぱりメンバーの卒業は慣れない、そう実感した。

最後のラララ終わりの「やっぱ乃木坂だな!」では、本来キャプテンの秋元が「やっぱ未央奈だな!」と締め括るつもりが「やっぱ乃木坂だな!」と間違えるハプニング。前代未聞のTake2を敢行した笑

その後のMCでは、斎藤から楽しかったのに最後の最後で台無しといじられる事態となったが、こういったミスをリカバーできるのが素敵なグループと語った。

卒業を控えた堀は、コメントを求められると母とのエピソードを披露。

今までのことやライブの応援について言及する中、母から髪を巻かないよう言われていたことを明かすものの、本人は髪を巻いてしまったことを謝り笑いを誘った。

その後は涙ぐみながら感謝を語り、メンバーとの別れを惜しんだ。

また、このMCのタイミングで開催が延期されていた1期生ライブ、2期生ライブの開催日時が発表された。

1期生の松村は、1期生ライブへの期待を見せつつも年齢による体力の衰えに言及。年少組の生田や星野はこれに苦笑をこぼし、共感できないとバッサリ。

アンコール最後の楽曲は、乃木坂46のライブでは必ず最後に披露される「乃木坂の詩」

最後の挨拶では、涙声になりながらキャプテンの秋元が10年目への意気込みを語った。

私も自宅でペンライトを紫に染めながら3時間に渡るライブを締めくくった。

全体を通して思うところは少なからずある。

堀が全体ライブが最後だという中、Three fold choice、なぞの落書きが披露されなかったことや、やっぱりおいシャンや乃木坂の詩でファンのコールが聴けないのは寂しい。

けれど、山下を新センターに据えた新しい乃木坂46の魅力の詰まった素晴らしいライブであったことは間違いない。


--------------------------------------------------------------


ライブの最中、乃木坂46のメンバー達は多くの感謝を語った。

ファンの皆さんがいるって当たり前じゃないとか、ファンの皆さんに支えられているとか当たり前にできたことがすごく特別だっただとか多くの感謝を口にしたメンバー。

僕は僕を好きになるの間奏の中で「乃木坂46を見つけてくれて、好きになってくれてありがとう。愛し続けてくれてありがとう、皆さんのことが大好きです」と語った山下。

いつでもファンの皆さんの心に寄り添っていたいと語った秋元。

彼女達の言葉は私の心に深く刺さった。

だからこそ、私達は届けなければならない、彼女達に一方的に感謝を言われるだけではなくそんな彼女達乃木坂46に私達の方こそ活力をもらっている、救われているのだと。

ファンがいることが当たり前でないように私達にとってもライブで会える、握手会で握手ができることは当たり前ではない。そもそも配信という形とはいえライブがあること自体が本当に特別でありがたいことなのだと。

ファンに支えられているのと同じくらい、いやそれ以上に乃木坂46という存在に支えられている。

こちらこそ、乃木坂46を見つけてくれて、好きになってくれてありがとう。加入してくれて、在籍し続けてくれて、愛し続けてくれてありがとう。メンバーの1人1人が皆さんが大好きです。

皆さんが私たちの心に寄り添ってくれるように、私達もメンバーの皆さんのことを想い続けています。


歌ってくれて、踊ってくれてありがとう

テレビに出てくれてラジオに出てくれてありがとう

ブログを書いてくれてモバメを送ってくれてありがとう

乃木坂に出会ってくれて、加入してくれてありがとう

そして最後に、お誕生日おめでとう。

この1年も、もっともっと輝く乃木坂46を楽しみにしています。

努力・感謝・笑顔

この3つの単語の裏には数えきれない出会いとサヨナラがある。

それでも彼女達は前に進む。

忘れるのではく継いでいく、模倣するのではなく昇華する。

10年目、今度はどんな驚きと感動を私達に届けてくれるのだろうか。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?