最近書いてなかったので、とりあえず乃木坂の楽曲について語ってみる話:音楽性編
ここ2週間ほど何も書いていなかったので、久々に書いてみる。
今回は、乃木坂の楽曲の中でも、私が音楽的に特異だと感じた3曲について紹介していく。
メジャーな曲もあればマイナーな曲もあるが、あくまで個人的な意見なので興味程度に覗いてみて欲しい。
1. ポピパッパパー
この楽曲は、乃木坂内で「意味不明」というキャッチコピーが最も似合う楽曲だと思う。
サビでは、「ポピパッパパー」をひたすら繰り返しており、その独特の歌詞は当時のファンに衝撃を与えた。
また、この楽曲は「Scatman」という楽曲のオマージュということでも有名だ。
多くの人にとっては、腹話術師のいっこくどうさんの芸が馴染み深いかもしれない。
発音のし辛さとラップ調の曲調は他に類を見ない音楽として世間にヒットした。
乃木坂版「Scatman」である「ポピパッパパー」が私は存外好きだ。
アイドルが洋楽をカバーする例の代表格としてBerryz工房「ジンギスカン」という楽曲がある。
当時小学生や2chなどで大流行したこの楽曲に見るように、歌う人やその時の時代背景によって楽曲は大きく変化するものだ。
「ポピパッパパー」は正確には「Scatman」のカバーではないものの、意識していることは明らかだ。
乃木坂46にはないイメージを洋楽楽曲からエッセンスとして取り入れ、楽曲に昇華させたその手腕はもっと高く評価されても良いのではないかと私は思う。
2. 逃げ水
乃木坂46の18枚目シングルの表題曲であり、3期生の大園桃子と与田祐希が初めてWセンターを務めた楽曲だ。
この楽曲の音楽手法はあまりにも斬新的すぎた。
これまで乃木坂46の楽曲で度々勝負曲となってきた"夏曲"。
夏をモチーフにした楽曲は、白石麻衣が初センターを務めた6枚目シングル「ガールズルール」に始まり、9枚目のシングルで西野七瀬がセンターを務めた「夏のFree&Easy」、斎藤飛鳥が初センターを務めた15枚目シングル「裸足でSummer」など多くのヒット曲が生み出されてきた。
そして、新たに3期生という新戦力を加えての発表となったのが「逃げ水」
私は、この楽曲が発表された時以上の衝撃を超える楽曲に未だに出会えていない。
突然だが、皆さんは普段クラシックをお聴きになるだろうか?
19世紀から20世紀にかけて活躍した音楽家、ドビュッシー。
彼の代表作の1つである「月の光」がこの楽曲に使用されている。
クラシックや有名な洋楽のコードやベースを利用すること自体はさほど珍しくなく、むしろメジャーな手法とも言える。
衝撃だったのはその使い方。
繊細かつ儚い「月の光」の楽曲をあろうことかサビの直前、最も盛り上がっていく部分に差し込んだということだ。
高まっていた興奮が一瞬にして凪へと戻る感覚。
テンポが大事だと言えるアイドルの音楽の中でこんな楽曲は他に類を見ない。
しかしながら、この手法は素晴らしく楽曲とマッチしていた。
これについては、世界的ピアニストである清塚信也さんも「+music」という番組でこの楽曲を取り上げている。
"逃げ水"という蜃気楼に近いその現象を表現するのに、「月の光」という昼間では絶対にあり得ない情景と、もの静かで繊細な音楽が序盤のAメロからアツく高まる雰囲気全てをあたかも夢幻であったかのように冷まさせる。
そこから再度ドラムのけたたましい音と共にサビへと盛り上がっていく曲調は、さながらジェットコースターのようであり、気付けば楽曲の魅力に取り込まれている。
伝説的なメンバーであった橋本奈々未が抜け、新しい乃木坂をアピールしていかなければならない中で、安定ではなく挑戦を選んだ乃木坂46。
彼女達が今尚トップの人気を誇るのには、決して停滞せず、常に挑戦していく姿勢が影響しているのかもしれない。
3. 13日の金曜日
つい最近、芸能界を引退することを発表された元乃木坂46の斉藤優里さんがセンターを務めた楽曲。
この楽曲については、音楽性という観点も優れているがそれ以上にストーリー性という部分が非常に優れていると感じた。
さて、13日の金曜日という言葉を聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか?
最も有名なのは殺人鬼ジェイソンを題材にしたアメリカ映画だと思う。
切り裂きジャックことジャック・ザ・リッパーを思い浮かべる人もいるかもしれない。
つまり、私が言いたいのは13日の金曜日というのは不吉な日であり、多くの人が恐怖の日という印象があるということである。
これに対して、乃木坂46の「13日の金曜日」は趣旨が異なる。
ホラーや怖いということはそのままに、主人公を恋する女の子にすることでポップな曲調を展開。
恋とホラーという真逆のジャンルを同じようなものとして捉えることで見事に13日の金曜日という日にちにみんなが抱く印象を逆手にとった。
アイドルとホラーという混じり合うことのない2つのジャンルが綺麗に共存しているこの楽曲には舌を巻いた。
最後に
今回紹介した3曲以外にも、もちろん優れた楽曲や衝撃だった楽曲は数多く存在する。
200曲以上の楽曲があるので、また機会があれば他の楽曲も紹介したい。
乃木坂46に限った話ではないが、名曲になるか駄曲となるかは紙一重だ。
ヒットしないかもしれなくても新しい音楽性への挑戦を続けていって欲しい。
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