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【作品にふれる】 #18 遊びでみる人と人の繋がり

遊びでみる人と人の繋がり
〜「繋がる」UX に着目したゲームデザイン〜


今回私は「人と人が繋がる」とはどういうことなのかを「遊び」という分野に焦点を当て研究をした。アンケートやインタビューを行い、どんな遊びの時どんな体験をし、どんな感情になるのかを収集、分析していった。その分析結果から「繋がる」を最も実感してもらえるUX を落とし込んだゲームデザインを行った。当たり前になりすぎて気にも留めない「人と人の繋がり」というものを改めて意識することで、現在の人間関係や新しい出会いを大切なものに感じることができるのではないかと考える。

木下ゼミ M.K

制作の苦労に、それぞれのゼミならではのエピソード・・・今年度は、コロナ渦で増える悩みもありました。みなさんに、卒制の裏側をインタビューしました。

Q1 卒制のテーマを決めたきっかけは何ですか?

今回は「人と人とを繋げる」ことを目標に制作しました。根本は、みんなと楽しい時間を過ごすって本当に貴重だ、という想いです。2年生のときに、デザイン情報学科の新入生歓迎会でゲームを企画しました。その時に、ゲームを通して新1年生と2年生の繋がりが生まれるのを目の当たりにして、人と人とを繋げることの喜びに気づきました。人って忘れる生き物です。本当に忘れたくない記憶でも忘れてしまう。だから本当にそのときを大事にしたい。今「わっはっは」って笑ってほしい。そんな想いで制作しました。

Q2 卒制での悩みや苦労は何ですか?

ゲームルールを決める部分で悩みました。与えたい体験と、それを邪魔しないゲームシステムを作るのって難しくて。それを実現させるには、テストプレイをしなければならないのですが、そんなにすぐに人を集められないから、それが原因でなかなか制作を進められませんでした。あとはモチベーション維持が難しかったです。友達と作業することでなんとか作業を続けられていたので、友達との作業はおすすめです。私たちがいつも利用していたのはガ○トとジョ○サンです。私たちの卒制はすか○らーくグループのおかげで完成しました。すか○らーくグループ、愛してます。
 また、制作時の苦労もあります。最初に大きな45cmぐらいのケーキを作ろうということは決めていました。しかし、45cmの高さのケーキなんてボードゲームとして家に置けないし、販売できないと思って、縮められるようにしたいと考えました。そこで、私はプレゼントカードとかギフトカード、ポップアップが好きだったのでポップアップの要領で作ろうと考えました。調べていると、「これだ!」というものがあって、それのやり方を使って作り始めました。ただ、5段のケーキを作りたいのに、3段の作り方しか見つけられなくて。だからサイズなどを調節するのに苦戦しました。図形の問題を解いているみたいでした。内角が120度だからとか、一辺が60度で、とか。 
 あと、今回失敗したと思ったのは、最初から自分の手で全て作ろうとしてしまったことです。1月の一時提出の時、紙のプロトタイプを提出したのですが、その時は全て自作の予定でした。「こんな特殊な形つくってくれる業者なんてないだろうな」と思っていたのです。友人に「プロに頼めばいいじゃん」って言われて、きちんと調べてみると、伸縮可能なケーキを紙で作ってくださる業者が見つかりました。これによって結局、スタートが遅れて、制作スケジュールが詰め詰めになってしまって。そこが失敗ポイントです。

牧野和美4

牧野和美2



Q3 もう一度卒業制作をするとしたらどんなものにしたいですか?

「遊びの中で遊びが生まれる」
というのが好きで。今回はそこを突き詰められなかったので、そういうゲームに仕上げたいですね。今回は遊びを作ることに精一杯で。例えば、マインクラフトっていうゲームがあって、そのゲームは遊んでいる人の創造力で新しい遊びが生まれるんです。他に例をあげると、おにごっこです。みんなが把握している共通のルールはあるけれど、例えば走るのが苦手な子がいたらハンデをつけますよね。そういう「この人たちといるからこそ生まれるルールや遊び」というのが、人と交わることでしか生まれないので、すごく好きです。
 また、最初に私が取り組もうとしていたのは、どちらかというと制作というより心理学的な研究でした。どんなゲームをしたらどんな気持ちになるか、ということをアンケート調査していました。だからゲームデザインにはなかなかたどり着けていなくて。私はみんなに楽しんでほしいんだ、と気づいてからゲームデザインに移行したのですが、気づいた頃には楽しいゲームをひたすら試行錯誤して作る段階でした。もっとゲームデザインを学んでから作りたかったなと考えています。

Q4 後輩に向けてアドバイスはありますか?

卒制は全部自分でやる必要はなくて、頼ることも大切です。しっかり調べれば対応してる業者もあります。自分が、研究・企画・制作・展示などどの部分に重点を置くかをしっかり決めて、頼れるところは頼る!これが後輩へのアドバイスです。




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