【作品にふれる】 #12 今日は何食べる?
今日は何食べる?
〜自炊料理ゲーム〜
このゲームの目的は、配られたカードを組み合わせて、3日間3 食のメニューを作り、コインを最も多く集めることです。3 日間バランスのとれた食事をするためにはよく考えて材料を分配しないといけません。もし材料が足りなくなっても大丈夫。自炊料理は少し材料が足りなくてもなんとか美味しく食べれます。また、略奪、買い物などのチャンスカードによって予期せぬ事態が起こりますので、どう乗り越えるかもあなたの腕の見せ所です。「今日は何食べよう?」とウキウキしながら色々自炊メニューを作っていきましょう。
白石ゼミ M.N
制作の苦労に、それぞれのゼミならではのエピソード・・・今年度は、コロナ渦ならではの悩みもありました。デザイン情報学科のみなさんに、卒制の裏側をインタビューしました。
Q1 卒制のテーマを決めたきっかけは何ですか?
自炊がめんどくさかったことです。毎日買って食べるのもお金かかるし、健康に悪いし。私は韓国出身なのですが、最初は日本の食べ物が口に合わなかったんですよ。辛いものとか刺激的な味が必要だから、自分で作るときはいつも唐辛子の粉を入れていました。
余談ですが、日本で「辛い」と紹介されているものは、しょっぱいだけに感じるんですよ!カレーとか特に。日本の料理には甘い味付けのものが多いんですよね。だけど私は辛い方がいいから、レシピに辛子をたしたりするんです。そんな感じで、自分で味付けして作るようになって、自炊ってめんどくさいなって思いました。そして、自炊を学べるゲームをつくりたいなって考えるようになりました。ターゲットを15歳以上として、自炊に親しんでもらえればなと考えています。
Q2 これまでの興味・関心は?
3年の時に研究しようとしていたのは、「(ムサビにあるパン屋さん)EMUのパオパオっていうパンをこぼさない食べ方 100」。パンにお肉と野菜が挟まってて、おいしいんだけど、いつも服にこぼれちゃうんですよ。ナイフとフォークが必要なんです。でも、コロナで学校に来れなくなっちゃったから、その計画はパァになってしまいました。次に、政治的なテーマを研究しようと思ったら、先生に「それはちょっと・・・。」って言われました(笑)美大は女性が多いのに、なぜ教授には女性が少ないのかを研究しようとしていました。そして最終的に今のテーマにたどり着きました。
Q4 卒制を進める中で、苦労したことや悩んだことは?
ルールを作ることです。このゲームは、材料カードを組み合わせて、3日3食分のごはんを作るゲームです。現実だと腐ったり賞味期限が切れたりするから、それをゲームに取り入れようとしたけど難しかったんです。だから、チャンスカードっていう、物々交換とか、おごってもらうことなどができるカードを考えました。自炊の本も買ってみて、自炊に重要なものは何かっていうのも改めて考えたりもしました。それは、早さ、簡単さ、安さ、美味しさ、栄養でした。それを参考に、点数を決めていきました。他にも朝は胃もたれしやすいから、胃に優しい卵メニューにすればプラス50点にしたり。調味料を計算して入れないといけない料理などは、難しいので点数が低めです。
どのメニューで何点もらえるかっていう点数決めるのは本当に難しいんです。4年生の9月に開催されたゼミ展のときも、前日の夜中まで友達の家で唸っていました。当時試作していたものは、ゲームバランスが悪かったんですよ。材料が豊富に入ってるのに点数が低かったり、運要素が強すぎたり。
ゲームを作る時一番難しいのは、ビジュアルじゃなくてバランスだと気付きました。今まで楽しいゲームを作ってきた人たちは、どんだけ頭いいんだって思いましたね。参考にボードゲームカフェに行くことを計画していたのですがコロナでなかなか行けず。これも苦労したポイントですね。
あと、お金がなくなってしまうことには苦労しました。試作品を作る段階でのことです。トランプカードを作る印刷会社に連絡して、数十枚印刷してもらうんですよ。1部で1万円です。ボックスも印刷所に頼むとめっちゃ高くなるから、手作業で作りました。
Q3 ゼミエピソードを聞かせてください
先生のアドバイスに何度も救われました。卒制は、自分がやりたいものをやろうと思っていて、上でお話しした「パオパオの食べ方」の次にやりたかったのが、私のオリジナルキャラクター・タルト君のブランド提案でした。教授に提案すると、「それは、なんで必要?」「誰に求められてるの?」「理由はあるの?」と言われました。自分がやりたいだけだと自己満足なんですよね。制作では、その必要性を自分に問い続けることが大事だと感じました。
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