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【作品にふれる】 #9 Retro Optical Illusion

Retro Optical Illusion
日本レトログラフィカル紀行

昨今、形を問わずレトロブームが到来している。「レトロ」には、最新の物とは異なった、過去の古き良き時代に思いを馳せることで、社会と自分との繋がりを確認でき安心感を与える力があるようだ。この展示では、江戸時代の絵師、大正時代の図案家、昭和時代のイラストレーターが2021 年の東京にタイムトラベルした際、それぞれの目で見た東京を描いた風景画が展示してある。普段私たちが目にする忙しく疲れた様子の東京に比べ、各時代のレトロなグラフィックで描かれた街並みは、どのような違いがあるのか見て欲しい。

白石ゼミ T.A

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制作の苦労に、それぞれのゼミならではのエピソード・・・今年度は、コロナ渦ならではの悩みもありました。みなさんに、卒制の裏側をインタビューしました。


Q1 卒制のテーマを決めたきっかけは何ですか?

新宿のイメージが悪いのをどうにかしたくて。
新宿って実際いいところなんですよ。でも、事件などのニュース報道によって、悪いイメージがついてしまっています。最近だと、コロナの影響で「新宿=夜の街=危険」という印象がより一層広がってしまいました。私は新宿が大好きだけど、世間一般的に良いイメージじゃないから、私がそのイメージを一新したい!そう考えて、この絵を描くことにしました。

私にとって新宿の魅力というのは、活気があり、人が多いこと。「日本一の繁華街」「夜も眠らない街」と言われ、いろんな感情が入り乱れてる感じが好きなんです。「都会は人が冷たい」とよく言われますが、人が多いほど良い人も多いですしね。他の街とのちがいは「怪しさ」ですね。悪いイメージを良いイメージにしたいって言ってるけど、正直その新宿の悪いイメージも好き。その妖しさもひっくるめて、新宿ファンを増やしたいのかな、私。


Q2 これまでの興味・関心は?

街の暗い部分というのは、卒制以前にも興味を持っていました。特にラブホテルですね。2年生のときの武蔵野美術大学芸術祭では、ラブホの看板のデザインを展示しました。ラブホ図鑑も持っていて結構くわしいんですよ(笑)私もラブホ図鑑をみるのが大好きだし、元気がない人にこの図鑑を見せたら元気になってくれるんですよ。元気ない時って、楽しいものを見せられるよりも、少し影のあるものを見せられる方が元気になったりするんですかね。遠いところも多くてできてないんですけど、ラブホ巡り、したいなぁ。


Q6 こだわったポイントはどこですか?

自分の作風ではなくて、皆さんがどこかで見たことのあるような昔の絵の描き方で描こうと考えました。江戸時代の錦絵を参考にしています。道具はiPadですが(笑)現存する、江戸時代の新宿が書かれた錦絵を見たときに、華やかで活気があるイメージを持ったんです。日本の良さ、江戸っ子っぽさが詰まっていました。この錦絵の描き方は、新宿の良さを再び引き出してくれるのではないか、と考えて、錦絵の色や風合いといった表現を取り入れることにしました。




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