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「哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?~」が面白いのは、なんといっても、シン・へソンが上手いから

韓国では放映当時、「歴史歪曲」のドラマだというイチャモンまでついてしまったらしい。ドラマのストーリーを見ても、歴史歪曲どころか、そもそもこれは時代劇のジャンルなの!?というくらい斬新で革新的に面白いドラマだから、そんな的ハズレのイチャモンも、かえってなにか「勲章」にも見えてくる。新しいモノは、批判されてこそ、輝く・・・なんてね。

<ドラマあらすじ>大統領官邸でシェフを務めるチャン・ボンファン(チェ・ジニョク)はいつも自信満々で超のつく女たらし。飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、何者かの策略で一夜にして容疑者に!なんとか逃げようとしたボンファンだが、その途中でベランダからプールに落ち、気を失ってしまう。そして夢の中…韓服姿の女性とキスをして目を覚ますと、そこはなんと朝鮮時代の王宮だった!自分の身体が婚礼を明日に控えた王后キム・ソヨン(シン・ヘソン)であることを知ったボンファンは、初夜の儀式だけでも避けようと、自分が男であることを王に告白するのだが…。

このドラマの面白さは、まるで”ミルフィーユ”のように、主人公の自我とジェンダーを重ねつつ、勧善懲悪の娯楽作品にしているところだと思う。

主人公キム・ソヨンは、朝鮮時代の王妃で、身分は高いが封建制度のなかでそのジェンダーはがんじがらめだ。その体に、なんと、現代の女たらしのオレ様男のチャン・ボンファンの魂が宿る。そして、その魂と共に、ボンファンの一流のシェフのスキルまで宿るのだ。そのスキルを使って、宮廷で、大活躍を繰り広げるわけだが・・・。

現代と朝鮮時代、男と女のジェンダーの入れ替わりの、なんと痛快なことだろう。

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その痛快さは、秀悦な脚本によるところも大きいが、主人公の複雑なキャラクターを表現した、なんといっても、主役のシン・へソンの演技力によるところが大きい。
私が、百想の審査委員なら、2021年のドラマ部門最優秀女優賞は、間違いなく彼女だと思うが、やっぱり、作品が斬新過ぎたのだろう。時代がそこまで追い付いていないのか。でも、いずれは最優秀女優賞を取ると思いますね。シン・へソンは。まあ、今ではないけどね。


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