見出し画像

伊藤計劃読解に使ってる手法(2024年秋版)

 まずはの心構えから基礎的な手法、他分野からの援用、はたまたアレンジ入れた方法……と、一口では困難なので、メモがてら書き残しておきます。
 てか、流行り病とかで自分でも出来なくなったり忘れる可能性があるので。
 とりあえず、「さすがにゼロから読むハードモードはキツいよ!」な方は読んでみると良いんじゃないでしょうか。

   ・

   0・以下は特殊な方法と心得る。

 なにか仕掛けがある、と十中八九確定してないと意味ないです。星空に星座を「発見」しちゃうのがオチ。
 あと、解読済み作品に使うのもぶっちゃけ面倒です。使うなら未解読作品に使いましょう。
 なので、他に使えそうな作品は……「まだ解かれてないミステリー」とかかな。

 ※あくまでも「フィクションの未解読ミステリー」に限定して使うのが無難と思います。


   1・まずは本文を読む、本文そのものを読む。

 ある程度資料を押さえるのは前提として、元ネタ探しにあんま意味はないと気づいてからは早かったですね。
 作品には確かに大量の元ネタはある。でも単に入れてみただけ等の濃淡はあるし、ならいっそ本文だけを……とひとまず割り切ってみたところ、読解が相当進みました。

 てか、再読すればするほど「え、ここ読み落としてたやん」となって、人間の記憶力の限界を感じますね。
 ともあれ読み返してみると、勘所が掴めてきたら記憶負担が減り、おかしい部分を察せるように……て感じでしたね。


   2・基礎からコツコツと

 いわゆる『虐殺器官』の「大嘘」を解いた、その上での話です。
 難しいがきちんと解かれているように書かれてる。
 それも、デビュー作の時点で。なので、以降の作品も一応解けるはず。
 一種の信頼関係が成り立つ、とは推測できる訳ですね。

 んで、その後は。
 作中の時系列を整理し表にする、明らかに指し示すものが一意なら置き換える、などなど。
 基本といえば基本。その基本を押さえた上でしか、丁寧な読解はありません。


   3・仮説を立て、肯定パターンと否定パターンを考える

ここから先は

884字

¥ 300

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?