「R-1ぐらんぷり」というピン芸に無毒化を要求する仕組み
久し振りにnoteで。といっても、これはTwitter(えーーーーっくすなんて使わない(,,゚Д゚))でうだうだ書いていたのが、意外と書いている本人もこんな結論になるのかと驚いたので、こちらに転載。
補足の前説をすると。最近某所で知り合いになったお方の旧知の人が、R-1ぐらんぷり2024でアマチュア初の決勝進出を成し遂げた「どくさいスイッチ企画」さんで、そのこと自体は非常にめでたいことで、でもだからこそ優勝などはあり得るのか、というのを考えながらうだうだ書いていたのが、以下の文章。と同時に、自分の笑いのツボな所の再認識にも至ったのでそれも。
しかし正直。もちろんそういう縁があったりするので、どくさいスイッチ企画さんもここまで来たら優勝してほしいとも思うんだけど、この決勝の面子なら、最近はすっかりご無沙汰しているけど一頃は苦肉祭(地下系ピン芸人の月一の会)やあちこちの独演会に行っていた街裏ぴんくや、そのネタの若干性的かつフェチズムを連想させるのでまさに1人コントの未冠の帝王的な存在になっていたルシファー吉岡にも、決してメジャーにと言うわけじゃないんだけど、ワンマンライブで客の入りに困らないくらいの存在になるパスポートとしてのR-1王者という肩書きをあげたいとも思うし。しかし、そういうピン芸人と、以下に書く内容って、相性悪いんだよなー(だからこそ今回の決勝進出は奇跡的であると言うことでもある)(,,゚Д゚)
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つれづれなるままに。
M-1もそうだけど、漫才と違ってピン芸人(この場合落語家のような人はまず対象外となる。R-1にも何人か噺家さんが出場しているけどあまり上位に来ないし)の芸はたいてい漫才よりも若干狂気を孕む傾向がある。漫才が基本ボケとツッコミ、つまり社会的標準からずれた存在とそれを指摘する社会的標準たる存在のコンビ(という表現で収まるほど今の漫才は単純じゃないんだけど、まぁそれはさておき)なのに対して、ピン芸はその社会的標準を観客に委ねることになるので、より観客が社会的標準からのズレを認識できるようにしないといけない。
ところがR-1の難しいのは、決勝以外はテレビ放映されないにもかかわらず(準決勝以下が配信されるようになったのも多分近年のことのはず)そのピン芸の評価基準については、「テレビ放送ができる」という基準が存在する。
このわかりやすい例が2016年のR-1王者、ハリウッド・ザ・コシショウで、彼は優勝した時にそれまでと何か変えたのかという問いに「それまで白ブリーフだった舞台衣装を黒パンに変えただけ。芸は一切変えていない」 https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/entertainment/entry/202311/14300.html といっている。つまり、白ブリーフでのあの芸はお茶の間では披露されづらいレギュレーションだったのが、それを黒パンに変えることでテレビ放映のできるサニタイズされた芸になり、R-1王者となることができた。
という視点で考えた時、実はどくさいスイッチ企画のコントは、かなり有利な存在であったりする。
本人の主義もあってだろうけど、彼のコントはどちらかというとシュールなシチュエーションだったり唐突な固有名詞の導入だったりなどを組み合わせて、違和感で(それだけじゃないけど)笑わせるスタイルをとっている。そういう意味では街裏ぴんくも似たスタイルのネタで勝負している。ただ、街裏ぴんくの場合は「おもいっきりほら話を漫談形式で語る」スタイルのため、ネタにリアリティを付加するために固有名詞をかなり多用した肉付けを行っている。このため、民放放送でスポンサー問題が出る場合、多少の修正でなくネタそのものができないと言うことがある。ぴんくの場合は圧倒的なネタの在庫でその辺りを回避しているのだけど。
一方、どくさいスイッチ企画はそこまで深入りした固有名詞を使わないし、「バンクシー」などの商標とは多少距離のあるワードの選択をしているので、かつてのNHK基準ならともかく、現在ではほぼ問題になることはないレベルだと思われる。
もちろん、どちらか(あるいは今俎上に上げなかった他のピン芸人のネタの作り方)が正解という話でもないんだよね。勝つために一歩踏み込んで、それが問題ない範囲なのか、崖から落ちる一歩なのかは、踏み出してみないとわからない。コンテスト、という枠組みでは、競争という中でそういう一歩を踏み出すかどうか、というのが、演者の笑いへのこだわりとは別の所で判断を迫られる、というのもある。コンテストものの面白味でもある一方、個人的にはお笑い関連でのコンテストがどうしてもいまいち好きになれない要素でもある。まー、あたしが「踏み込みすぎた一歩」というのが好きなのもあってなんだけどさー(,,゚Д゚) やな客だな、あたしは(,,゚Д゚)
まー、でも笑えるのが一番なんだけどね。問題は、あたしの笑いの感性はかなり人からはズレているので、さっきも書いたように一歩踏み込みすぎてしまった笑いのネタが好物だったりするし、なもんでお笑いの会場とかでも1人違うタイミングで笑ってたりする(,,゚Д゚) ほんと、やな客だな、あたしは(,,゚Д゚)
どっとはらい(,,゚Д゚)