「魔改造の夜」第4夜プレビュー

さて、今晩22時からと来週1/29の22時からの2回、全国民待望の「魔改造の夜」第4夜が開催(実際には集録済み)されるのは、もはや国民的コンセンサスといってもいいでしょう。第3夜同様どちらも90分ずつ(実は第1夜も同じ構成だったけど、ワンチャン25m走があまりに短時間決着で寸が足りなくて前半をトースター高跳びで埋めることになり、現在は両方をあわせた89分版で再放送される)。

今回のお題は、「DVDプレイヤーでボウリング」(1/22)と「ペンギン人形の長縄跳び」(1/29)。詳細なレギュレーションはまだ発表されていないので、放送待ちだけど、とりあえずざっとプレビューを。

まず、今回の参加チームは、S陽製作所、Rコー、Dンソー、という構成。前回まで参加していた自動車メーカーは、今回は出場なし。代わりに、第1夜の伝説の「キングスパニエル」を開発したT社の傘下にあるDンソーが参戦。道場主ではなく、まずは師範代が登場という構図。
そして、第3夜同様、今回も大学研究室からの参戦はなし。これは、COVID-19によって大学の研究室や工具が自由に使えないという面と、レベルが上がってきて、もはや大学生レベルでは簡単に太刀打ち出来なくなってきた側面もあると思われる。過去3回みても、経験に基づく現場での修正力がかなり重要なことがわかってきており、また、第1夜の「ワンチャン25m走」のような一発勝負が、放送枠の関係上難しい(第3夜の「赤ちゃん人形綱上り」も、本来は一斉スタートの一発勝負がレギュレーション的にはいいはずなのに、1回目は個別のタイム、2回目は一斉に、と言うスタイルになってしまっている)ので、コロナ禍が明け、研究室が通常稼働するまでは、大学生チームのの捲土重来は難しいかも知れない。

代わりに、今回はRコーとDンソーという、それぞれのジャンルで日本を代表するメーカー同士の激突という、これまでにはなかった対決の構図が今回はある。
Rコーは、元はカメラメーカーで知られていたが、現在は一般的には複写機などのオフィスビジネス機器、さらには各種ビジネスコミュニケーションシステムなどが中心。とくに、メカニズムとその電子制御に関しては一日の長がある。2種目とも物理的な稼働、そして、「ペンギン人形長縄跳び」は人形の制御が鍵と思われるので、3チームのうちでは、本命視されるに値するチーム。

対するDンソー。ご存じ、T社を中心とした自動車部品メーカーとしては世界2位、エアコン・パワードレインなど、自動車の要所要所の機能を担う部分を下支えしてきた「見えざる巨人」。更にそれらを活かしたインダストリーソリューションや農業・家庭での産業化にも取り組む、Rソーに取って相手に不足なしのメーカー。

一方、中小企業枠で参戦するS陽製作所。会社規模こそ社員120名、本社が即工場という「中小企業」ではあるが、所在地が愛知県、小牧市のすぐ近く(住所そのものは市内ではなく町だけど)、主力商品は主に自動車向け部品の金属加工。つまり、Dンソーとは、同じT社参加での巨人と鼠の関係といってもいいかも知れない。
そして、S陽製作所の最大の強みは、その会社規模と自動車以外の各種分野部品製造の手広さ。大メーカーが総力をあげてきたら太刀打ちは大変かも知れないが、大メーカー側はこれまでだと若手の自己啓発グループだったりごく限られた部署だったり。それに対して、町工場・中小企業は、主担当は若手の修行のために入社数年の社員だったりするが、開発に行き詰まった時に、社のベテラン技術者がアドバイスをしたり、部品加工をすぐに行ったり。アイデアから実装までのサイクルが大企業に対して短い。このスピード感と相対的に社の最高水準技術を投入出来るというのが、大メーカーに対する最大の優位さ。これが(従来通りだと)1ヶ月半の開発期間と材料費(試作込み)5万円というごく限られた条件では、かなり力を発揮する。果たして、蟷螂の斧は、大メーカーを打ち崩すことが出来るのか。

そして、競技とは別の楽しみなのが、エンジニアの業なのか、所々ににじみ出る「歪んだ愛情と狂気」。第一夜の伝説の「キングスパニエル」。試作用に四つもらったワンチャンのおもちゃを「みんな走らせてあげたいじゃないですか」と前方3つ、後方1つの顔を取り付ける異形のものに改造し、コメンテーターに「どうして……どうして……」と絶句させたのが代表的だけど、他にも名前に「あるみ」とつけて「なぜこの名前に?」と問われて「ら行の音だから。かわいくないですか、ら行?」と答えたり、赤ちゃん人形の綱上りには、メカニズムはグロテスク(人形を提供したメーカーの代表の人にメンタルケアが必要かもなくらいにインパクトを与えていた(,,゚Д゚))だけどせめてかわいらしくと、夜を徹して衣装を手縫いしたり。前回のN産の扇風機のやらかし(伊集院光はあの大企業的な競技をはなから放棄したなめた態度に激怒して、でも番組中で怒れないので、あのコメントになったんだよなー)も、見方によっては「変形こそエンジニアのロマン」と擁護する声もあったし。

とにかく、あと2時間ほどで、大人の本気の、全力の、リミッターを外したサバトが始まる。これまで通りなら、実況タグは「#魔改造の夜」。

今夜、矢野アナの声が響き渡る。
「悪魔の、降臨です」


しかし、たぶん1週間以内に再放送あるだろうけど、この真裏に「「SWITCHインタビュー 小島秀夫x野口聡一」をEテレでやるなんて、NHKひどいよ(,,゚Д゚) もろにターゲット重なってんじゃん(,,゚Д゚)

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