かみさまのなみだ

きみにはこの絵が何に、見えるかな。

miyoshi daisuke 作の絵

雨。

いろんなかたちの雨しずく。すべてが違う雨しずく。
それらはすべて、わたしのなみだ。

悲しいとき、しとしとしと。
怒ってるとき、ざーざーざー。
遊びたいとき、びゅんびゅんびゅん。

雨しずく。
それらはすべて、わたしのなみだ。
きみは、お母さんの気持ち、考えたことある?

お母さんは、こどもが悲しんでいたら自分の胸が締め付けられる。苦しんでいたら自分もとっても苦しくなる。幸せになったら、身体全体で幸せを感じるの。こどもが感じることを、お母さんも感じちゃうの。

わたしは、この星でお母さんとよく呼ばれるもの。この星のすべての生きとし生けるものたちを生んだもの。だから、わたしは、すべての植物たち、動物たち、人間たち、みんなが感じていることを、わたしも感じてしまうの。

これが、どれだけ大変なことかあなたに想像できる。

お母さんは、物凄い辛いおもいをしながら、新しいいのちを宿し、育み、生み出すの。生み出したあとに、自分のいのちを絶つ生きものもいるくらいに、大変なこと。そして、お腹から出てすぐの頃は、こどもに栄養を与えたり、外敵から守ったり、可愛がったりできるの。

でもね、どこかの瞬間で、こどもが旅立つ瞬間がくる。それはそう。こどもはわたしのものではないのだから。そのいのちは、いのちのもの。ほかのだれのものでもない。母親ができることは、こどもの行く末を見守ること。幸せを祈ることしかできないの。

君たちは知らないのよ。わたしが、どれだけ、きみたちをいつも気にかけているか、見ているか、裏側で悲しみ、嘆き、憤り、怒り、楽しみ、喜んでいるかを。もちろん、きみたちがそれを感じる必要はないよ。

でもね、たまに悲しくなるの。わたしの存在を忘れられたなと感じたときに。たまには、ぼく元気だよって、たまにはお母さんも元気かって、話しかけてくれると嬉しいよ。

そのきっかけは、わたしのなみだ。わたしのなみだをみて、わたしが、あなたの母親が、どんな気持ちでいるのか、感じてくれたら嬉しいの。そして、雨を嫌わないで。雨と友だちになって、雨に話しかけてあげて。その言葉、全部わたしに聞こえているんだから。

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※ 本記事は、友人の三好大助作成の絵を Facebook で発見して、その絵を見ていたら、インスピレーションが沸いてきたので書いてみた文章です。

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