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虚無の海。

虚無の真っ只中にいる。

先週、新しい企画が始まった。今までのようにその瞬間だけではなく、一定期間続く場。アーティストになってずっと志向してきた、社会装置としての場だ。

その燃え尽きだろうか。

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いま、15年前の青春の時期を過ごした、島根県の離島、海士町にいる。いつ訪れても、この島では、たくさんの記憶を思い出す。僕にとって、この島での記憶はすべて、ものすごい瑞々しいもの。記憶が、色鮮やかな体験として身体中に刻み込まれている。

激しい社会不適合さっぷりに、どう社会の中で生きていいか分からなかった、大学卒業前後の自分。その鬱々とした感覚を、この島が持つ覇気みたいなものが吹き飛ばしてくれた。白黒の世界から、みずみずしい世界へ、人生にコントラストがもたらされた。

その覇気のような何かは、震災後の僕を導いてくれた。あれから14年、また島に降り立った。今回は、アーティストとして。この島に住まう人、また訪れる人達が、その場をより深く体験できるようになるお手伝いに。お世話になった島に異なる形で関われるとはなんと幸せなことだろうか。

人生は前進していく。けれど何なのだろう、同時に去来する、この虚無感は。身体の深い深い、奥底の部分が感じている、虚無感、空っぽさのようなもの。過去過ごし、積み重ねた生の時間が、すべて無意味に感じてしまうような感覚。

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何か、いま、心身が求めているものがあるのだろうか。

そう自分自身に問いかけると、ある一つの答えが降りてきた。それが何なのかここには書かないけれど、常に大切なことは、心なるものが知っているのだろうか。そしてそれは多くの場合、とてもシンプルなものかもしれない。

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