山の神 「ふざけるな」

ふざけるな。

誰だ。我が領土を切り刻んだのは。
誰だ。我との約束を破ったのは。

おまえたちは約束を破った。後悔してももう遅い。おまえたちが悪いのだ。

何千年もの間、我々はおまえたちに協力してきた。おまえたちが自然に力を求める時、常に必要な力を分け与えてきた。鳥、虫、植物、木、森。すべてがお前たちを味方した。

しかし、それももうおしまいだ。

我は、おまえたちを切り裂いてやりたい。殺してやりたい。地獄に落としてやりたい。もう、この地でおまえたちの姿を一切見たくない。

我は、いまのおまえたち人間が嫌いだ。憎んでいると言ってもいい。しかし、かつてこの地に住み、我々と共生していた人間もいた。彼らは本当に良きものたちだった。彼らとの約束は破りたくない。だから、我は直接お前たちに手をかけることはしない。

けれど、それでは我の腹の虫が収まらん。

われはこの地に結界をはる。この地に住むものたちのエネルギーを逆に奪ってやる。何かを始めようとするもののエネルギーを奪うのだ。やりたいことをできないようにしてやる。

この結界は、お前たちがこの地からだれひとりいなくなるまで続ける。いや、逆にお前たちがここから出たいと思ってもそれをできなくさせてやる。この地に縛り付けながら、この地のエネルギーすべてを奪っていく。

おまえたちは自分たちの力を過信しているようだが、我ら山の神を甘くみたこと、後悔させてやる。覚悟しろ。

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