ぼくは支柱。そっちじゃないよ、こっちだよ。

そっちじゃないよ。こっちだよ。
あっちじゃないよ。こっちだよ。

そっちにのびてってもいいよ。きみの自由だから。でも、ほんとうのきみはそっちじゃない。

ほんとうのほんとうのきみは、もっとこっちだよ。違う方向に行ってみてもいい。曲がってみてもいい。間違ってもいい。

でも、最後の最後は、まっすぐ上に伸びてくるんだよ。みんな、ほんとうは上に伸びていきたいんだから。でもね、みんながみんな、上に伸びていけるわけじゃないんだ。

下できみを見上げてる、アリさんを見てみな。きみがまっすぐ伸びることを待っているんだよ。きみがまっすぐ伸びた分だけ、アリさんは太陽に近づける。今まで、アリさんが自分で見れなかった世界を見ることができる。

きみが伸びれば伸びるほど、きみを介して、他の人達がもっと上を目指せる。もっと違う世界を見ることができるんだ。

だから、しっかりと、まっすぐと、上に伸びていきなさい。たっくさん水を飲んで、たっくさん栄養を食べて、たっくさん遊んで。

安心しなさい。どんな強い風が吹こうと、どんな大きな動物があなたを踏み潰そうと、大地はあるから。太陽もあるから。そしてぼくもここにいるから。だから、好き勝手やりたいようにやればいいの。

僕は支柱。

ぼくはただここにいるだけしかできない。でもね、きみがまっすぐ伸びていくのを応援することはできるんだ。まだまだ頑張れるよ!そっちじゃないよ!こっちだよ!そう、声をかけることはできる。

あとね、あれ、本当はどっちに向かえばいいんだっけ。そう思った時には僕を探したらいいよ。ぼくはずっと真ん中にいるから。きみがいまどこにいるのかが分からなくなった時、何か大切なことを忘れてしまった時、本当はどこにいたらいいか、僕を見たら、いつでも思い出せるからさ。

でもね、それ以外のことはきみがやるしかないんだ。

おんなじこと言っているのかもしれないけど、大事だから何度も繰り返すよ。種として生まれた瞬間から、きみの可能性は決まっているんだ。あとは、それを最大限生かせるかどうかだけ。

本当のあなたの可能性を見せて。どんなに寄り道をしても、どんなに時間がかかってもいい。わたしはずっと真ん中で待っているから。でも、必ず戻ってきてね。

そしたらさ、アリさんときみとぼくと太陽とで一緒に遊ぶんだよ!

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