見出し画像

絵を描く行為と、思考の狭間に存在するもの

週末、絵を描くワークショップに参加した。その中で象徴的なワークがたくさんあったのだが、一つ発見したことがある。

それは、絵は、考える前に、描き始められるということ。

言葉は、ひとつひとつの単語がすべて意味を持っている。それを組み合わせて一つの文章にしていく。つまり、構造上、意味からは逃れることが出来ない。何の言葉を書くかを考える時点で、意味や方向性が必要になってしまう。

しかし、絵は、ピンときた色の絵の具を手に取り、それを目の前のキャンバスになんとなく置く。手の動きたいように描かせる。そんなことを繰り返していると、その途中で、あ、これ書きたい、と発見の瞬間がある。

つまり、絵を描く行為には、行為と思考の間に、空白が存在している。この空白は無意識の領域ともいっていいし、瞑想のような状態ともいっていい。この空白が、自分を思考の外に連れて行ってくれる。これを作ろうとして作るのではなくて、なんか途中でひらめいちゃって、作っちゃった。そんな発見のプロセスが、絵を描く行為には埋め込まれていた。

この思考と行為の狭間に存在する、空白と発見のデザイン。これが自分の想像もしえなかった未来と出会うためには、本質的なプロセスなのだと思う。これからも絵を描き続けたい、そう思った週末だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?