真実の鍵はどこにあるか

ナスルディンの鍵

ナスルディンという男が自宅前の土の上で這いつくばって探し物をしていた。友人が来て「何を探しているんだ」と尋ねた。「カギだよ」とナスルディンは答えた。そこで友人も膝をついて一緒にカギを探しはじめた。なかなか見つからないので、友人は「どこでカギを失くしたかを正確に言ってみろ」と聞いた。「家の中だよ」とナスルディンは答えた。「それなら、なぜ外を探しているんだ」「家の中よりも、ここのほうが明るくて探しやすいからさ」

バカみたいな話だが、心当たりがあるのではないだろうか。

「すべきこと」よりも「できること」の範囲で人間はどうしても考えてしまう。自然と簡単な選択肢を選ばせる力学が働いてしまう。文中の明るいところとは「自分の得意分野」とも捉えることができ、既存の手法や思考に囚われてしまうことの危険性も指摘されている。

本当のイノベーションというのは、受容を作り出すものであり、人の意識や行動様式をすっかり変えてしまうものである。そういったものは、既存の倫理や過去の経験の延長上にはなく、そこから離れたところにあるものだ。

僕は、あなたは本当に自分の「鍵」を探しているのか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?