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かっぱ寿司の半額セールは成功だったのか

2021年9月26日(日)かっぱ寿司で「寿司全皿半額」キャンペーンが開催された。TwitterなどのSNSで大きく話題となったが、多くの店舗で問題が発生していたようだ。事前から予測できていたのだろうが、来客数が多すぎて待ち時間が今までにない規模(筆者が確認した最長待ち時間は1201分=20時間待ち)になってしまったり、席に着けたのはいいもののほとんどのメニューが売り切れとなってしまったり。最終的には、「いつでもどこでも50%OFF券」を配布して対処したようだが、現在はそのクーポンがメルカリなどで高額販売されており、新たな問題へと発展している。確かに話題性もあり企業側にとっては集客効果につながり消費者にとっては安い価格で外食できるといったメリットがあったが、潜在的な問題が次々と表面化してしまった。果たして、あのイベントは双方にとって成功したと言えるのだろうか。筆者なりに、問題発生の対処について考えてみた。

まず、長期間の自粛生活からやっと解放されるというタイミングでの実施が大量来客につながってしまったのだろう。2020年の4月ごろから長らく外食したり友人とご飯を食べる機会があまりなかったので、これを機会に、という人も少なくなかったのではないだろうか。

次に、あらかじめ多くの来客は予測できただろう。にもかかわらず入場制限策を取っていなかった。抽選や事前予約制を設けていればこれだけ多くの人が密集することはなかった。店内の待機スペースはそれほど広くないので店の外にまで広がる長蛇の列は他の通行客や運転手にも迷惑をかける可能性がある。

また、このイベントを企画したのはもちろん本社の企画部署の人たちだろう。しかし、実際に寿司を提供するのは各店舗で働いている社員やパート、アルバイトの人たちである。本社ではかっぱ寿司を盛り上げるといった心意気が見られたこのイベントに、現場で働いている人の気持ちは一致していたのだろうか。真実はわからないのでこれ以上踏み込まないが、本社と現場の連携は企業運営において非常に大事なことであるのは間違いないだろう。

そして、一番は半額クーポンがメルカリなどで転売されているという事実。これはかっぱ寿司側にとって望んでいることではないし、社会規範的にも好ましくはない。電子クーポンで配布していればこのようなことはなかったのかもしれないが、さらにコストがかかってしまう。やはり、問題は起こる前に予測すること、ただ、問題が発生してしまったら迅速に冷静に適切な対応を取ること。これが大事だと痛感する出来事になった。

しかし、筆者が最も言いたいことは、このイベントが失敗だったということではなく、もう一度飲食業を盛り上げていこうという、かっぱ寿司が外食産業を引っ張っていくという気持ち、忙しくなるということを承知の上で開催するという気持ちに感銘を受けたことだ。今後は、今よりも規制が緩和されてくるだろう。日本の外食サービスは世界に誇れる。飲食業界の今後が明るいことがなによりの願いである。



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