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なぜ「あつ森」があれほどの人気を誇ったのかガチ分析

昨年のあつ森ブームの本質が何だったのかを筆者の知識と想像力を生かして考えてみた結果がこちら。

「プレイヤーの心理とゲームの特長」がポイント。

・外出自粛期間に自宅で楽しめる娯楽
2020年上半期に日本全体が外出自粛の制限下に置かれ、多くの人が自宅で過ごす時間が長くなった。今まで経験したことのない未知の生活に「これからどうしていこう」「家で何をすればいいのだろう」とたくさんの人が混乱・困惑状態に陥ったことだろう。初めて緊急事態宣言が発出されたのは2020年3月13日。その1週間後、3月20日に発売された。翌4月7日から適用される緊急事態宣言の前期間に発売というグッドタイミングかつもとより人気の高いゲームだったことも相まって、発売わずか1週間で約200万本を売り上げた。(ファミ通調べ)

・できないことを非現実空間で
「どうぶつの森」の醍醐味と言えば、自分の思い通りにゲームを進められること。自分の好きな場所に家を建て、好きな時に釣りをして、好きな施設を増築する。自分一人の世界を存分に作り上げることができます。また、前作からの進化もあり、友達を自分の島に招待して一緒に楽しんだり、材料を集めて家具をDIYすることもできる。同じく自宅でどう森を楽しむ友人に自分の島を紹介する機能も追加され楽しみを共有できるようになった。このように、現実でできないことを自分の手ですべて実行できるという当時の需要にぴったりのゲーム内容が多くの心に刺さったのだろう。

・借金という社会的経験
どう森ユーザーは初めに誰もが経験するのが、たぬきちからのローン返済の申告である。これは実質借金である。マイホームを建築する際に借金、増築する際に借金、と気が付いたらものすごい額に膨れ上がっている。現実世界でも家を建てるときや会社を設立するときなど、お金を借りるタイミングが訪れることがある。それをゲームの中で経験することで、実際に返済するときに役立つであろう。(現実世界ではあまり借金しない方がよいが。)また、スローライフの中に借金という要素を入れるだけで一気にゲーム性が高まり、より内容の深くゲームを堪能できるだろう。

・カブだってできる
あつ森にはカブもある。実際の株と同じように売ったり買ったりすることができるのだが、毎日価格が変わるのでタイミングを見計らって売買すれば大儲けにもなるし大損にもなる。現実世界で株をしていないプレイヤーは、これを機に投資の道を切り開くことができるかもしれない。また、まだ投資をするには早い年代のこどもにもゲーム空間で儲けることと存することを学ぶ絶好の機会になる。

・なんといってもキャラクターの存在
一番の理由はやはりキャラクターたちにあると思う。個性的な性格でしゃべり方にも特徴があって感情豊かで愛らしいキャラクターたちの存在はどうぶつの森をプレイするうえで欠かせない要素である。あつ森以前のキャラクターに加え新しい住民の登場もあり、各プレイヤーがお気に入りのキャラクターを見つけることができ、喜びも増えたことだろう。(筆者はペーターが好き。)

ここまであつ森が幅広い年代からの人気を得た理由を分析してきた。5つに分けて説明してきたが、どれもあつ森特有のゲーム内容が消費者のニーズを刺激したことが売り上げや人気へとつながったのだろう。「桃太郎電鉄」も同じように人気を博したが、このゲームもまた日本中に旅行できる感覚や、多額のお金を動かせる楽しみといった非現実空間における側面や「キングボンビー」などの親しみやすいキャラクターの存在という点においては、あつ森との共通点があると考えられるのかもしれない。ルールはシンプルかもしれないが、これだけの戦略が盛り込まれていると考えると、企画・開発者の賢さが見て取れる。


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