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#カメラ談義 #Nikon #Df #私的伝説

巷ではZ fc の話題で持ちきりの様で、何でも注文が殺到して一部初版延期になるとか。
あ、少しデジャブが...☺️

まあ、Z fc は話題にする人達の裾野が広そうですから、販売面に関しても心配はしていません。最初の需要もDf の時より遙かに大きくて、一巡したあとも一定のペースで売れ続けてゆく事でしょう。
Df とは違って商業的に成功し、後継機種も開発されるだろうと予想しています。

Df2 は噂だけで終わってしまった様ですね... 改善して欲しい点は多々あったのですが。😂

判り易い魅力

私がZ fc の成功を確信しているのは、Z fc がそれはもう判り易い魅力に溢れた製品だと感じるからです。そしてその魅力はニコンファン(ニコ爺)、カメラファンだけに留まらず、年齢性別を問わず伝わっている様に思えます。
見ただけで、少し触れただけで判る魅力って大切ですよね。😄

まあZ fc の外見以外の魅力についても、あちこちで語られていますのでココではあえて触れませんが、実機に触れた経験からネット上のそういった魅力説明に頷ける事が多いという事だけ述べておきます。

Df 昔話

少し昔話というか思い出話を。

画像3

Df が発表になった時も、それはもう"カメラ界隈"では話題となり、賛否両論ありましたが注目度は高かったと思います。

まあ大体は熱狂的なニコンフリークの方々で、ほぼ全てのFマウント・レンズが使えるという魅力が大々的に語られていました。極一部の人達にしか響かない魅力ですよね。😂

見た目もユニーク(クラッシック)でノスタルジックでしたが、ボディーの大きさや価格設定の高さから興味を持つ年代層の偏りも感じられました...

そう言えばニコンはDf 発表イベントを品川のホテルで行っていて、私もノコノコと出掛けて行きました。
ニコンユーザーである事をアピールする為に一応D700 を担いで行きました。😄

発表会での展示 高級路線まっしぐらですね画像1

>>脱線
ニコンさんの新製品発表会って割と好きで、Df、D750、Z6/Z7 は訪れた記憶があります。モデル(それもレベルの高い方々😄)さん達も呼んで、機材を借りて撮影出来るようにしてくれています。

D750お披露目会の時のモデルさん 好きな一枚です😝画像5

Z fc はそういったイベントが無かったので少々寂しいですが、経営状況とかやはり厳しいのでしょうか。そういえばDX フラグシップのD500 でも無かったように思いますので、力の入ったFX 機だけとかいう縛りが会社内にあるのかも知れませんね。
<<脱線終わり

実際Df 発表会に行ってみて一番印象的だったのが、おじさんばっかり!
(自分の事は棚にあげて😂)

Df 発表会風景画像2

実機に触れて感じた事は、あまり良く無いという事。
動画機能を搭載しなかった事は英断だと思いましたが、その割には色々と詰め込み過ぎた感があってゴチャゴチャした印象。ダイアル類も操作方法がこれでもかと多種多様で、このダイアルは持ち上げながら、このダイアルのロック解除は上は上のボタンを、下は手前などという、どういった思想で設計されたのか全然共感できませんでした。
もっとも気に入らなかったのは前コマンド(サブ)・(コマンド)ダイヤル(通常絞り値変更用)で、その操作のし辛さは今でも不満です。
その為Df は出来るだけ絞りリング付きのレンズで使いたいと思っていますが、Gレンズ等を使う時には毎度毎度嫌になります。😭
(気に入った点も多々ありましたが、今回はネガティブな方中心で😅)

価格も高く、高級路線でしたのでユーザーの期待するレベルが高かったというのはあると思います。その為、人それぞれの不満が色々と拡散されていました。

まあ、そんな訳でDf は購入する事は無いだろうと、その時は考えていました。

判り辛い魅力

そんな私ですが、数年後Df を新品で購入してしまう事になります。

>>背景情報
私はそれまでのNikon デジタル一眼レフカメラの最大の魅力はシャッター・フィーリングであると感じていました。D300 はまさに素晴らしいシャッターを感じる事を主目的で購入しました。しかしながら写りに関してD300 は、残念ながら印象に残る写真は少なかった様に思います。プレミアム・レンズ(ニコンは何と言っても高価!)を購入出来なかった事も大きいと思います。

D300 は高感度耐性も低かったので、D3 譲りのフルサイズ・センサー搭載のD700 を購入しました。D700 の高感度耐性はまあ満足のゆくものでしたが、その大きさ・重さ、そして何よりシャッター・フィーリングが苦手でした。シャッターを切る度に神経を逆なでされる感覚を味わっていました。そして、D700 の出す画もまた凡庸に感じ印象的では無かったのです。
<<背景情報End

Df が発表された際に、売り文句の一つとしてフラグシップD4 と同じイメージセンサーを使用している事が謳われていました。

ではD4 のセンサーは何が良いのか? その結果何のメリットが得られるのかという説明はあまり無かったように思います。

ところがある日WEBで見つけてしまったのです、D4センサー実装の詳細な情報を!
私は最初に就職した会社が半導体製造関係で、肩書きがPE (Product Engineer、今から考えればせいぜい TE(Test Engineer))でしたので、ここでの説明が大体理解できました。そして思ってしまったのです、ここまでコストを架けているセンサーが欲しい! と、そしてそのセンサーの出す画を味わって見たいと。

コスト高

半導体の世界では、コスト低減は非常に大きな命題です。ですので、わざわざ”コスト”をかけるという事は、それを遙かに凌駕するリターンが期待・要求されている訳です。期待が持てますねぇ...

注:ここからは私個人の妄想を多く含みます。☺️

半導体といのは基本的にデジタルな世界が大半と思われがちですが、半導体製造プロセス自体はかなりアナログ的な要素が大きいものです。イメージ・センサーなどはアナログ要素を原理的に仕様の中に含みますから、プロセスの作り込みの差は特性に大きく跳ね返ってくるハズです。

フォトダイオードからADC(Analog Digital Converter) を経て出力される個々の撮像素子の特性が、どれだけ直線性があって揃っているものを造れるかは常にコストとのせめぎ合いです。

実際問題として数千万もある撮像素子は特性が少々ばらついても統計的にチャラに出来、出力される画像が破綻する事はまずありません。その為安価に製造され、酷い特性の撮像素子でも、立派に綺麗に見える画像が得られる訳です。

ただ物事の実装の方向性は一つでは無く、製造時の作り込みで特性を揃えたりする事によってこそ得られる世界があると思うのです。

アナロジーとなってしまいますが、トヨタがレクサスを開発した際に、部品レベルでの公差基準を当時の同社高級車の十分の一以下に設定したそうです。その結果、それまでとは別次元のエンジンの静寂性、スムーズな回転フィールが得られたそうです。実際に製造に関わった事のある方ならば、この方法がどれだけコスト高になるか見当が付くはず、良くもまあ実現できたと感心すると思います。

もう一つ関係の無い話になってしまうかも知れませんが、以前円山応挙の見事な掛け軸を美術館で見た時に感銘を受けた事があります。特に背景が素晴らしく、それはもうあるかないかギリギリのレベルでの灰色の濃淡で表現されていて、これは応挙でも全く同じ作品は再現できないだろうし、複製も無理だろうと感じました。デジタル処理ではきっとノイズ処理で一掃されてしまうような、ほんの僅かな揺らぎが掛け軸内の世界に豊かさと深みを与えていました。

素子間のバラツキが大きければ、そういった僅かな揺らぎはノイズと共にかき消されてしまいます。D4センサーは完全ではありませんが、そういった僅かな揺らぎの再現性にアドバンテージがあるのでは無いかという妄想を抱いてしまいました。

Df を購入してみて...

もうここからはオーディオの都市伝説(1m10万円の銅製スピーカーケーブルに付け替えれば音に艶が出て別物になる! みたいな...)みたいに、定量的なエビデンスも無い、個人的思い込みに近い内容になってしまいますが...

Df で撮影した写真は何故か上質感を感じる事が多いです。解像度も16Mで特に高解像とも言えないのに、出てくる写真が何となく良い。

DfセンサーなのかT*Planar85mmレンズなのか… 何にしても伝り辛いと思います😢画像4

特に同じ様な色が広がっているような面の描写に痺れる事が往々にしてあります。
写真整理時に拡大した時に突然現れる微妙なディテールがあったりしたり。

他の方が撮影した多数の写真の中から、どれがDf で撮影した写真か当てて見ろと言われても、多分当てる事は出来ないと思います。

ただ実際に自分の目で被写体を見て撮りたいと感じ、ファインダーを覗いて写真にする為のフレーミングや露出設定を確認して、シャッターを押す。そういった撮影過程の記憶と共に、帰宅してPCに取り込んで確認する際にDfセンサーのオンリーワン的良さを感じるのです。

非常に私的で自己満足的な世界ですが、そういった判り辛い(一般に理解されない)魅力を感じていますので、当分Dfは使い続けて行くだろうと思っています。

好きになれない面もある機種ではありますが、間違い無く愛機の一台です。😊

Df作例

全く編集していないですが...

感度を上げるとカラーノイズが割と盛大に出て、高感度にあまり強くないと言われる事もありますが、その分階調性が保持されていますので、そういったチューニングを意図しているのでは無いかと思います。

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