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多くの皆さんに『聴覚障害×当事者研究』が届きますように。

2018年、2019年に宮城教育大学で開催した「聴覚障害当事者研究シンポジウム」。
聴覚障害領域における様々な「困りごと」と「当事者研究」とをつなげた実践事例をシンポジウムの場で紹介する取り組みは日本で初めてであり、シンポジウムの反響は大変大きいものでした。この取り組みに関心を持ってくださった金剛出版の編集者の藤井さんから書籍化の話をいただきました。
本書では、シンポジウムで紹介した事例に新たな事例を加えるとともに、「聴覚障害当事者研究」の考え方、進め方、気をつけておきたいことなどを解説しています。聴覚障害領域で起こる様々な「困りごと」をどのように捉えたらよいんだろうかと考えた時の一つの参考になればと思います。

<基本情報>

聴覚障害×当事者研究:「困りごと」から、自分や他者とつながる
編著者 松﨑 丈
執筆者 桑名真之介・志磨村早紀・西垣正展・真壁詩織・松森果林
金剛出版 2023/08/07 A5・288ページ 定価 3,740円(税込)
公式HP https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b630067.html

<書籍のカバーの紹介文>
自分自身の「感覚・身体」から、
他者や社会との間にある「対話・情報保障」、
そして他者や社会との対話から紡がれる「物語」へー
ずっとひとりで抱えてきた「困りごと」を、
自己との対話・仲間との対話で研究しよう!
弱さのままに生きていける「知」、
まだ誰も知らない「言葉」を探る。

<目次(カッコ内は執筆者名)>
第1章 聴覚障害当事者研究の導入
 第1節 当事者研究の歴史・理念・目的(西垣正展)
 第2節 なぜ聴覚障害分野に当事者研究を導入するのか(松﨑丈)
 第3節 当事者研究の公開と安全性(松﨑丈)
第2章 聴覚障害当事者研究の実践
 第1節 感覚・身体
     聴覚(志磨村早紀)
     耳鳴りは唯一の音楽(松森果林)
     情報処理(真壁詩織)
     自己編集(松﨑丈)
 第2節 対話・情報保障
     育児(志磨村早紀)
     集団会話(松﨑丈)
     障害認識(西垣正展)
     情報保障(松﨑丈)
 第3節 物語
     音を失う身体と、置き去りにされる心と(松森果林)
     親子関係(松﨑丈)
     聴者との関係(桑名真之介)
第3章 聴覚障害当事者研究の今後
 第1節 聴覚障害当事者研究のさまざまな実践メソッド(松﨑丈)
 第2節 聴覚障害当事者研究に取り組んでみよう(松﨑丈)
 第3節 今後の展望(松﨑丈)
対談「当事者研究へ、ふたたび」(熊谷晋一郎+綾屋紗月)