三途の川の舟は三人乗りの話
今から12年前の4月、私・松岡若葉は母方の祖母を亡くしました。
その時おばが私に言いました。「もう一人亡くなるよ」と。
その2ヶ月後、母方の遠い親戚が亡くなったそうです。
調べてみると、三途の川の渡し舟は三人乗りだそうです。(諸説あります)
一人は船を漕ぐ人、なので故人は二人乗れます。ただ、誰でも良いわけではなく、故人がゆかりのある人を一人連れて行くとか。
よく、配偶者を亡くしてつられるように亡くなる方の話を聞きますが、寂しいから連れて行ってしまうんでしょうか。
話を戻すと、件の母方の親戚、金銭トラブルで随分と親戚に迷惑をかけていたようです。和を持って尊しと成す祖母だったので、厄介者を連れて行った…と考えるのは考えすぎでしょうか。
その数ヶ月後、私・松岡若葉の母親が亡くなりました。
ガンに侵され、年を越せたら良いねと余命宣告された父親を追い抜いて年内に亡くなりました。
そして父親も、母の四十九日を終えてすぐ亡くなりました。
父より一回り以上若いうちの母、いくら持病があっても父が自分を選んでくれないだろうと考えた可能性があります。父と二人で逝くために、先に舟を押さえに行ったと考えるのは…考えすぎじゃない気が…。
そういう意図がなくとも、父のいない世界で生きるのは母にとっては意味のない人生だったのかもしれません。
そして去年、祖父が亡くなりました。
ふと思います。二人目は誰だと。
おりしもこの時、松岡は新型コロナに感染していました。「あぁ、私かな…」などとよぎる隙もなく、めきめきと回復しました。
ナンデヤネン!!
結局この時、祖父は誰も連れて行きませんでした。
というのも、あの世に嫁も娘もいる訳です。なんなら舟に乗って迎えに来た可能性もあるかな…。
誰も連れて行く必要がなかったんですね。
最近ふと考えます。自分が死ぬ時、果たして誰を連れて行くだろうと。
私は地元を出て年数が長いし、上記の通り直系の親族もいない訳で。(ちなみに一人っ子)
死ぬ時まで(というか死んだ後まで)一人ぼっちは寂しいな、と思う今日この頃なのでした。
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