「週末、どうするの?」と「週末どうだった?」

2002年2月にシドニーに移住してそろそろ18年目が終わろうとしている。大方20年近く住んでいるというのにいまだにこちらで面倒だなと感じるやりとりが同僚が訊いてくる週末や休暇の過ごし方。

金曜日の午後ともなれば「週末は何をするの?」。月曜の朝に出社すれば開口一番「週末はどうだった?」

ほっとけ、っちゅうねん!

基本的によっぽど親しくない限りは他人のプライベートなことにはふれないのが欧米諸国の習慣ではあるが、こと週末に関してはお約束の金曜と月曜のこの会話である。

シドニーに来たばっかりの頃にはこういう質問されるとまじめに「週末自分は何をしようとしているのか、何をしたのか」、を答えていたが、だんだんと馬鹿らしくなってきた。というのも、こういう質問をしているからと言って相手がこちらの週末の過ごし方を本当に気にしているのかといえばまったくそんなことはないからである。

これは週末でなくても学期の終わりの休暇についても言えることであるが、同僚が何をするのかなど、はっきりいってどうでもいいことである。それでも、社交辞令で訊いて、答えて、ということが行われている。

ちなみにこちらが一生懸命下手くそな英語で何をするのか、何をしたのか答えても5秒後にはこちらが言ったことはきれいサッパリ忘れ去られている。要するに、私が何をしようとしているのか、何をしたのか、など、どーでもいいのである。

それなのにいちいち週末や休暇の予定を訊いてこられると、さっさと帰りたい金曜の午後や忙しい月曜の朝などマジでイライラしてしまうし、職場で他の人たちが週末がどうだこうだと盛り上がっているのをみていると(よくもまぁ、お互いに全然興味のないことをそんなに盛り上がって話してられるもんだ)とうんざりしてしまう。

私を会話に入れてあげようという優しくもありがた迷惑な同僚に「週末どうするのか、どうだったか」などと聞かれても「週末はいつも通り、とくに大した特別なことはしないねぇ、洗濯に掃除、って感じかな、他にやってくれる人もいないしね」とネガティブとまではいかないが「それ以上あれこれ詮索しないでくれる?」というオーラ全開で返答する。

さらに面倒なのが、先ほど書いたようにこれは一種の社交辞令であるので、誰かにこの質問をされていやいやながらも返答した後には、礼儀として「あなたの週末はどうするの?、どうだったの?」とこれまたまったく知りたいとも思わない興味のないことを相手に訊いて、さらにその返答に対して「いいですね〜、すごいですね〜」とこれまた心のまったくこもっていない反応を満面の笑顔で答えなきゃならないのである。

さて、今年の授業もあと4日でおしまい。あとは来年の1月末まで長期の夏休みに入る。今週は職場のあちこちで「休暇はどーするの?」の会話に花が咲くのであろうが、まったくもって面倒なことである。まぁ今年は武漢肺炎のせいで大した旅行はできないし、大きなイベントもないわけで、「今年の長期休暇は武漢肺炎あるしね、自宅で読書したりピアノでも弾いたりしてのんびり過ごしとくわ」としか言えないのだが。あ〜、めんどくさ。

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