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【相続】基本の戸籍収集方法

行政書士の松下夏子です。昨日は暖かかったのですが、また今日少し寒くなりましたね。私は今日から少し喉がイガイガします。日々の服装や体調管理が難しいです。

本日は、相続のお話。相続が発生すると、まずは戸籍収集から始まります。亡くなられた方(被相続人)の家や土地、銀行預金等の財産を各相続人に相続させる為には戸籍が必要です。相続関係の手続きには「とりあえず戸籍」と言わんばかりに被相続人や各相続人の戸籍が必要になってくる場面が多数出てきます。そこで、基本的な戸籍収集の方法を本日はお話します🖊️
それでは、スタートです。


◉被相続人の出生~死亡までの戸籍収集

まずは、除票!

相続人が誰か・・・を確定させる為に、被相続人の出生から死亡までの戸籍収集から始まります。そこで、「まずは、除票!」です。

「除票」とは、転出や死亡等の理由により住民票から除かれた住民票の事です。死亡届出がされると、最終住民票に死亡の日の記載がされ、その住所に被相続人が最後に住んでいた事が分かります。
最終住所地の役所で「本籍記載あり」で除票を取得すれば、死亡時の本籍も分かります。除票の住所=本籍という事が多いので、そのまま同じ窓口で戸籍も取得できますね。
もし住所=本籍ではなかったら、今度は本籍地の役所で戸籍収集です。

余談ですが、相続の戸籍収集の仕事をする時、「被相続人の最終住所地しか分からない」というパターンもありました。でも、最終住所地しか分からなくても、とりあえず除票を取得する事で本籍が分かり、そこから辿っていく。。。というように、おおよそなんとか戸籍が集まるものなのです。住所が分かれば本籍が分かる。逆に、本籍しか分からなくても、現住所が分かるかもしれな方法もあります。それは、またいつかの記事で。

ちなみに、除票は、土地や建物等の不動産を被相続人から相続人への名義変更登記する際にも必要になります。

役所では「出生から死亡までの戸籍が欲しい」と言う

除票から本籍が判明したら、次に本籍地の役所にて被相続人の戸籍を取得します。戸籍取得の際は役所で「証明書交付請求書」なるものを記載しますよね。その紙に、被相続人の本籍地を記載したうえで、窓口では「出生から死亡までの戸籍が欲しいです」と伝えましょう。

例えば、転籍していた場合、最初に記入した交付請求書の本籍地では、出生までさかのぼれないので、一旦取得した戸籍を見て、転籍前の本籍地の記載を見つけ、再度見つけ出した本籍地で請求書記載してまた窓口で取得して。
という流れになってしまいます。一旦窓口離れて戸籍を読み解いたり、請求書記載したり、という手間になります。

それが、もし同一市区町村内で転籍をしているのであれば、その市区町村内で出せれる戸籍を窓口の人が全て出してくれます。素人では戸籍を読み解くのが案外難しかったりするのですが、「出生から死亡まで」と言えば出せれる範囲内で出してくれます。あとは追加で請求書記入が必要であればその場で記入すれば良いのです。

転籍前戸籍が別市区町村であれば、こんどはその市区町村窓口で同じように「出生からの戸籍が欲しい」と言います。

おおよその場合、出生から死亡まで、本籍を何度か転籍します。結婚した際、引越して本拠地を別で構えた場合。など。死亡時の戸籍取得しそこから戸籍を読み解き、出生までの戸籍一式を揃えるのは、意外と骨が折れます。

尚、郵送で戸籍請求も可能です。その場合は、戸籍手数料は、現金ではなく、小為替(定額小為替証書)を同封します。50円、100円、450円、1000円等の種類があるお札ぐらいの大きさのものです。郵便局で購入できます。戸籍手数料が合計でいくらぐらいかかるかなと予測し、少し多めに同封し請求します。もし不足であれば、再度小為替だけ郵送しなくてはいけなくなりますので、2度手間ですし、郵便代金もかかります。
郵送で請求する際は、請求書や本人確認書類、小為替、返送用の封筒も忘れずに同封して下さいね。
そしてそして、ここでも、請求書や送付状等に「出生から○○地へ転籍するまでの戸籍が欲しい」と一筆書いておきましょう。

◉相続人を洗い出す

被相続人の出生から死亡までの戸籍収集ができれば、次はその戸籍を読み解き、相続人を洗い出します。相続人を洗い出すために、法定相続人をここでまとめておきましょう。

法定相続人は「配偶者+○○○」

法定相続人を考える時は、「配偶者+○○○」です。配偶者は絶対です。
「○○○」の部分は血族相続人です。以下の順位で決まります。
・第一順位 子供および代襲相続人
  ※子供が被相続により先に亡くなっている場合は子供の子供。
   つまり、孫です。孫も更に亡くなっている場合はさらにその子供。
   つまり、ひ孫です。これを代襲相続、再代襲相続といいます。
・第二順位 直系尊属(つまり被相続人の両親)
・第三順位 被相続人の兄弟姉妹および代襲相続人
  ※兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は兄弟姉妹の子供。つまり甥や姪
   です。兄弟姉妹については、再代襲相続は認められていません。
第一順位がいない場合第二順位。第二順位がいない場合第三順位。という感じで繰り下がりです。

この、相続人を洗い出すという作業。結構大変ですが、時間を忘れるんですよね。戸籍を読み解いていくのは、私的には面白い。昔の戸籍は今みたいにコンピュータ化されておらず、手書きの戸籍ですので、それをなんとか読み解いて、相続人を見つけ出し、どこに転籍しているのか、と読み込み。なんか探偵みたいです。そして、依頼人の思いもよらない相続人が出てきたりもします。依頼人が、相続人は10人くらいかな、なんて思っていたら、20人、30人と出てくる事もあります。不思議ですね。

相続関係説明図を作成する

洗い出した相続人を一覧で見やすくする為に、相続関係説明図を作成します。相続関係説明図は相続登記等でも利用します。相続関係説明図は作成専用のソフトもありますが、Excel等で作成しても、もちろん大丈夫です。

◉各相続人の現在戸籍を収集

さあ、もうここまできたら終盤です。あとは、洗い出した各相続人の現在戸籍を収集します。
終盤ですが、このフェーズも意外と時間がかかる事が多い。各相続人は本籍地が結構ばらばらですので、それぞれの本籍地で郵送等で戸籍を収集していきます。
また、被相続人の戸籍から書き出した本籍地に請求してみれば、転籍してて、また別の役所へ請求してみれば、また転籍してて。2~3くらい役所に請求して、やっと現在戸籍までたどり着く事ができた!という事もあります。

◉まとめ

最後に、大事な事をもう1度おさらいしておきましょう。
 ・まずは、除票!
 ・役所では「被相続人の出生から死亡までの戸籍が欲しい」と言う
 ・法定相続人は「配偶者+○○○」

◉最後に

戸籍収集は、難易度がばらばらです。相続人が配偶者と子供2人。等の場合だと、1日ですぐ収集できる事もありますが、相続手続きを長くほったらかしにしておいたが為に相続人がどんどん増えて、収集する戸籍が大量になり、収集だけでも1ヵ月~2ヵ月かかる事もあります。

でも、全ての戸籍が集まった時には、なんとも言えない達成感を感じます。それは、戸籍が多ければ多いほど。

愛媛県松山市で、相続手続き、戸籍収集でお困りでしたら、ぜひ、当まつした事務所へご一報ください😊✨

それでは、本日は以上です。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。🙇‍♀️


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